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パーティーへ出陣します!
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私はエマによって完成した。
私の髪は複雑なアレンジがされていて、後ろに軽く編み込みとお団子が出来上がり、それがハーフアップになっていて少し髪が降りていた。
ドレスは薄い青みがかっていて、裾を踏まないようにしなければと改めて思った。でも生地はとても軽く、そして暖かい。一体なんの生地なのか分からなかったが肌触りもよかった。
そのドレスに合わせた深い青色の髪飾りを最後にお団子の所に刺してもらった。
「どうでしょうか?苦しいところや髪型も痛いところなどございませんか?」
そう言われて今日初めて自分の足で立ち上がった。
そして全身が映る鏡の前に移動してトータルで見てみた。
自分で言うのもだが、鏡に映る私はどう見ても美少女だろう。
少し動いてみてもどこか引っ張られる所も無く、全身動きやすい。
「大丈夫よ。特に痛い部分もないわ。いつもありがとう~。」
「いえ、とんでもございません。とてもお美しいです、ルイーズ様。」
ニッコリ笑ってさっきまで座っていた椅子にまた腰掛けた。
「本日は旦那様と奥様がお迎えに参りますよ。恐らくお2人もそろそろ準備が終わる頃だとは思います。」
「そうなのね。今日はルディがお迎えではないのね?」
「はい。彼は今日はこの屋敷の護衛にあたっております。」
「そう。私につかない時ぐらいはお休みにしてもいいのに。」
「あの者はお嬢様の側にいることが使命なのです。休みなど要らないと常に言ってます。まぁそう言っても無理やりに休みを取らせてはいますが…。」
「そうなの。」
「はい。ところでお嬢様、何度も言うようですが、」
「お父様とお母様のそばに!でしょう?」
「分かっておいでなら良いのです。本当に離れてはなりませんよ。」
「もうお父様にもお母様にも、こうしてエマにもルディにも繰り返し言われているから嫌でも頭に入っているわ。むしろそこまで言われるとどれだけこのパーティーが怖い所なのか不安しか感じないわ。こうなったら熱が出たと言って休もうかしら?」
「お嬢様!」
「分かってるわ。冗談よ…。」
「いえ、良い作戦かと思いまして…。そう旦那様に言いましょうか?」
「いいわ!冗談よ!冗談!そこ間に受けないで!」
焦ってエマを止める。
そのまま駆け出しそうだったエマは私の顔をみてニッコリ笑った、
「あ、私を騙したわね。」
「申しわけございません。ですが、少しでもリラックスして欲しい気持ちもあったのですよ?」
「そう?でも皆が注意するから確かにリラックスはしてなかったかも…。」
「確かに私たちはお嬢様をすごく心配しているのです。私やルドルフは日頃常にお嬢様のそばにいます。ですが今回のパーティーはそばにいることを許されていないのです。ですから余計過保護にもなってしまうのです。お嬢様に何かあっても直ぐに助けに行けませんから。」
「何か起きるの?」
「いえ、そういう訳では無いですよ?でも念には念をということです。デスが私たちがこれだけ心配したことでお嬢様がパーティーを楽しめないのは悲しいことなのです。これは私たちの矛盾ですよ。心配ですし、楽しんでもらいたいのです。」
そう言ってエマは軽く頭を撫でてくれた。
それに少し安心しているとドアのノックが聞こえた。
エマは手を直ぐに退かした。
少し寂しく思いながらノックをした人に声を掛けた。
「どうぞ~。」
そう言うと入ってきたのはお父様だった。
いつもの髪型を後ろに流していて、黒いに近い紺色のタキシードを着こなしていた。
「とてもカッコイイです、お父様!」
「それは光栄だよ、僕達の姫君。ルゥもとても美しいよ。今日の会場に来ている子供たちの中で絶対に1番だね!」
「ありがとう、お父様。」
そう言うと座っている私を抱き抱えて運び出した。
「じゃあ行ってくるわね、エマ。」
「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ。お帰りをお待ちしております。」
そう言うとエマは部屋の中で礼をした。
その姿をお父様に抱えられながら見送った。
私の髪は複雑なアレンジがされていて、後ろに軽く編み込みとお団子が出来上がり、それがハーフアップになっていて少し髪が降りていた。
ドレスは薄い青みがかっていて、裾を踏まないようにしなければと改めて思った。でも生地はとても軽く、そして暖かい。一体なんの生地なのか分からなかったが肌触りもよかった。
そのドレスに合わせた深い青色の髪飾りを最後にお団子の所に刺してもらった。
「どうでしょうか?苦しいところや髪型も痛いところなどございませんか?」
そう言われて今日初めて自分の足で立ち上がった。
そして全身が映る鏡の前に移動してトータルで見てみた。
自分で言うのもだが、鏡に映る私はどう見ても美少女だろう。
少し動いてみてもどこか引っ張られる所も無く、全身動きやすい。
「大丈夫よ。特に痛い部分もないわ。いつもありがとう~。」
「いえ、とんでもございません。とてもお美しいです、ルイーズ様。」
ニッコリ笑ってさっきまで座っていた椅子にまた腰掛けた。
「本日は旦那様と奥様がお迎えに参りますよ。恐らくお2人もそろそろ準備が終わる頃だとは思います。」
「そうなのね。今日はルディがお迎えではないのね?」
「はい。彼は今日はこの屋敷の護衛にあたっております。」
「そう。私につかない時ぐらいはお休みにしてもいいのに。」
「あの者はお嬢様の側にいることが使命なのです。休みなど要らないと常に言ってます。まぁそう言っても無理やりに休みを取らせてはいますが…。」
「そうなの。」
「はい。ところでお嬢様、何度も言うようですが、」
「お父様とお母様のそばに!でしょう?」
「分かっておいでなら良いのです。本当に離れてはなりませんよ。」
「もうお父様にもお母様にも、こうしてエマにもルディにも繰り返し言われているから嫌でも頭に入っているわ。むしろそこまで言われるとどれだけこのパーティーが怖い所なのか不安しか感じないわ。こうなったら熱が出たと言って休もうかしら?」
「お嬢様!」
「分かってるわ。冗談よ…。」
「いえ、良い作戦かと思いまして…。そう旦那様に言いましょうか?」
「いいわ!冗談よ!冗談!そこ間に受けないで!」
焦ってエマを止める。
そのまま駆け出しそうだったエマは私の顔をみてニッコリ笑った、
「あ、私を騙したわね。」
「申しわけございません。ですが、少しでもリラックスして欲しい気持ちもあったのですよ?」
「そう?でも皆が注意するから確かにリラックスはしてなかったかも…。」
「確かに私たちはお嬢様をすごく心配しているのです。私やルドルフは日頃常にお嬢様のそばにいます。ですが今回のパーティーはそばにいることを許されていないのです。ですから余計過保護にもなってしまうのです。お嬢様に何かあっても直ぐに助けに行けませんから。」
「何か起きるの?」
「いえ、そういう訳では無いですよ?でも念には念をということです。デスが私たちがこれだけ心配したことでお嬢様がパーティーを楽しめないのは悲しいことなのです。これは私たちの矛盾ですよ。心配ですし、楽しんでもらいたいのです。」
そう言ってエマは軽く頭を撫でてくれた。
それに少し安心しているとドアのノックが聞こえた。
エマは手を直ぐに退かした。
少し寂しく思いながらノックをした人に声を掛けた。
「どうぞ~。」
そう言うと入ってきたのはお父様だった。
いつもの髪型を後ろに流していて、黒いに近い紺色のタキシードを着こなしていた。
「とてもカッコイイです、お父様!」
「それは光栄だよ、僕達の姫君。ルゥもとても美しいよ。今日の会場に来ている子供たちの中で絶対に1番だね!」
「ありがとう、お父様。」
そう言うと座っている私を抱き抱えて運び出した。
「じゃあ行ってくるわね、エマ。」
「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ。お帰りをお待ちしております。」
そう言うとエマは部屋の中で礼をした。
その姿をお父様に抱えられながら見送った。
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