19 / 38
エルフのお婿さん
英雄の祈り
しおりを挟む
「…………」
薄暗い家畜牧場の中、ジャックはひとり目を瞑り、じっと何かを思案するような表情で座り込んでいた。
ジャックが考えていること────それはもちろん、連れ去られて行った良夫のことだ。
(ヨシオさん……無事でいてくれればいいが……)
ジャックがエルフに捕らえられ、この里に連れてこられた当初。
牧場には、ジャックの他に二人の男が捕らえられていた。
話を聞くと、どうやらジャックと同じ依頼を受けて回春草を採取しに来た冒険者たちのようだったが……その彼らは、すでにいない。
エルフたちに絞りとられて枯れ果て、もう使い物にならなくなったからと、ほんの数日でどこかに連れて行かれてしまったのだ。
彼らがその後どうなったのか、ジャックは知らない。
もう二度と、ここには戻ってこなかったからだ。
良夫が連れて行かれた理由が、彼らと同じように『使い物にならなくなった』と判断されたからではないだろうが、前例がある以上、心配するなと言うほうが無理な話である。
ましてや、これまでに良夫が相手にしてきたのは、まだ未熟さの残る若いエルフたちばかりなのだ。
もし、つれて行かれた先にアレらが待ち構えていたとしたら……
────ブルリッ
ジャックは、大樹組と呼ばれるエルフたちの相手をさせられた時のことを思い出し、体を震わせた。
キツすぎる締まり、尽きることのない性欲……それだけではなく、長く生きてきたからなのか性癖がこじれている者も少なくはなかった。
舌が痺れるまでクンニをさせ続ける者、親娘ロールを強要してくる者、わざわざジャックに服を着させ、なぜかそれを引きちぎってからでないとセックスしない者……
中には、子作りが目的だというのにアナルセックスにしか興味のない者もいた。
外見も年齢と比例する訳ではないらしく、人間であればどう見ても○0代前半くらいにしか見えない幼児体型のエルフにセックスを迫られ、「子供とはできない」とそれを断ったら「もう600歳を超えているから大丈夫!」と言われて、さすがのジャックもショックを受けたものである。
────エルフの本当の恐ろしさを、良夫はまだ知らない。
……いや、今まさに、思い知っている最中なのかもしれない。
ジャックが心配しているのは、良夫の体と言うよりも、むしろ心の方なのであった。
どれだけ良夫が対エルフに特化したチンポの持ち主だとはいえ、心までもが鋼のように硬い、ということはないだろう。
良夫は明言していなかったが、ジャックは良夫のことを『特殊な血統を受け継いできた王族』だと思っている。
そしてその目的まで読み切れてはいないが、おそらくはこの里のエルフに対して『楔』のようなものを打ち込みに来たのではないか、とジャックは推察していた。
例えば、そのチンポで有力なエルフを虜にし、里の中で内乱を起こしてエルフを同士討ちさせるつもりなのかもしれない。
もしくはこの里の全てを掌握し、エルフの戦闘能力を利用して敵対する国を滅ぼすつもりなのかもしれない。
何にせよ、エルフを籠絡する訓練を良夫は積んできたはずだ。
しかし、実際のエルフの生態など誰にも分かるはずがない。
エルフに捕まって帰ってきた者など、ジャックの知る限りでは一人も居ないのだから。
だとすれば、彼女たちの特殊な性癖まで想定した訓練は、積んでいないはずなのである。
エルフの変態的な要望に応えきれず、良夫の心が折れてしまわないか…………
それが、ジャックの心配していることだった。
ジャックは、まだ出会ってからたった二日しか経っていないが、良夫のことを好きになっていた。
もちろん性的な対象としてではなく、友人としてである。
初めて見たときは新種のオークかと思ったが、慣れてくれば平たい顔の作りにも全体的に丸い肉体にも愛嬌があるし、何より王族(だとジャックは思っている)だというのに全く偉ぶらないその態度に好感が持てた。
そして何よりエルフに対して一切の怯えを見せず、それどころか複数を相手にして見事返り討ちにしてしまったその男らしさに、ジャックは惚れてしまったのだ。
もちろん、性的な対象としてではなく。
だから────
「生きて、帰ってきてくれよ。ヨシオさん……」
ただ祈ることしか出来ないが、だからこそ、ジャックはその祈りを言葉にした。
もう一度、あのオーク似の友人の笑顔が見たい。
強く、その願いを込めて。
────もちろんジャックには、すでにこの時、良夫がアナルセックスによってルルを失禁気絶させていたことなど知る由もなかった。
それどころか、この里の最有力者である里長のレムを執拗なクンニで失禁寸前まで追い込んだあげく、さらにその処女まで奪っていることなど、想像出来るはずもなかったのである。
ジャックの心配とは裏腹に、当の良夫はレムの豊満な肉体を抱きしめながら、幸せいっぱいでスヤスヤと眠りについている最中なのであった……
薄暗い家畜牧場の中、ジャックはひとり目を瞑り、じっと何かを思案するような表情で座り込んでいた。
ジャックが考えていること────それはもちろん、連れ去られて行った良夫のことだ。
(ヨシオさん……無事でいてくれればいいが……)
ジャックがエルフに捕らえられ、この里に連れてこられた当初。
牧場には、ジャックの他に二人の男が捕らえられていた。
話を聞くと、どうやらジャックと同じ依頼を受けて回春草を採取しに来た冒険者たちのようだったが……その彼らは、すでにいない。
エルフたちに絞りとられて枯れ果て、もう使い物にならなくなったからと、ほんの数日でどこかに連れて行かれてしまったのだ。
彼らがその後どうなったのか、ジャックは知らない。
もう二度と、ここには戻ってこなかったからだ。
良夫が連れて行かれた理由が、彼らと同じように『使い物にならなくなった』と判断されたからではないだろうが、前例がある以上、心配するなと言うほうが無理な話である。
ましてや、これまでに良夫が相手にしてきたのは、まだ未熟さの残る若いエルフたちばかりなのだ。
もし、つれて行かれた先にアレらが待ち構えていたとしたら……
────ブルリッ
ジャックは、大樹組と呼ばれるエルフたちの相手をさせられた時のことを思い出し、体を震わせた。
キツすぎる締まり、尽きることのない性欲……それだけではなく、長く生きてきたからなのか性癖がこじれている者も少なくはなかった。
舌が痺れるまでクンニをさせ続ける者、親娘ロールを強要してくる者、わざわざジャックに服を着させ、なぜかそれを引きちぎってからでないとセックスしない者……
中には、子作りが目的だというのにアナルセックスにしか興味のない者もいた。
外見も年齢と比例する訳ではないらしく、人間であればどう見ても○0代前半くらいにしか見えない幼児体型のエルフにセックスを迫られ、「子供とはできない」とそれを断ったら「もう600歳を超えているから大丈夫!」と言われて、さすがのジャックもショックを受けたものである。
────エルフの本当の恐ろしさを、良夫はまだ知らない。
……いや、今まさに、思い知っている最中なのかもしれない。
ジャックが心配しているのは、良夫の体と言うよりも、むしろ心の方なのであった。
どれだけ良夫が対エルフに特化したチンポの持ち主だとはいえ、心までもが鋼のように硬い、ということはないだろう。
良夫は明言していなかったが、ジャックは良夫のことを『特殊な血統を受け継いできた王族』だと思っている。
そしてその目的まで読み切れてはいないが、おそらくはこの里のエルフに対して『楔』のようなものを打ち込みに来たのではないか、とジャックは推察していた。
例えば、そのチンポで有力なエルフを虜にし、里の中で内乱を起こしてエルフを同士討ちさせるつもりなのかもしれない。
もしくはこの里の全てを掌握し、エルフの戦闘能力を利用して敵対する国を滅ぼすつもりなのかもしれない。
何にせよ、エルフを籠絡する訓練を良夫は積んできたはずだ。
しかし、実際のエルフの生態など誰にも分かるはずがない。
エルフに捕まって帰ってきた者など、ジャックの知る限りでは一人も居ないのだから。
だとすれば、彼女たちの特殊な性癖まで想定した訓練は、積んでいないはずなのである。
エルフの変態的な要望に応えきれず、良夫の心が折れてしまわないか…………
それが、ジャックの心配していることだった。
ジャックは、まだ出会ってからたった二日しか経っていないが、良夫のことを好きになっていた。
もちろん性的な対象としてではなく、友人としてである。
初めて見たときは新種のオークかと思ったが、慣れてくれば平たい顔の作りにも全体的に丸い肉体にも愛嬌があるし、何より王族(だとジャックは思っている)だというのに全く偉ぶらないその態度に好感が持てた。
そして何よりエルフに対して一切の怯えを見せず、それどころか複数を相手にして見事返り討ちにしてしまったその男らしさに、ジャックは惚れてしまったのだ。
もちろん、性的な対象としてではなく。
だから────
「生きて、帰ってきてくれよ。ヨシオさん……」
ただ祈ることしか出来ないが、だからこそ、ジャックはその祈りを言葉にした。
もう一度、あのオーク似の友人の笑顔が見たい。
強く、その願いを込めて。
────もちろんジャックには、すでにこの時、良夫がアナルセックスによってルルを失禁気絶させていたことなど知る由もなかった。
それどころか、この里の最有力者である里長のレムを執拗なクンニで失禁寸前まで追い込んだあげく、さらにその処女まで奪っていることなど、想像出来るはずもなかったのである。
ジャックの心配とは裏腹に、当の良夫はレムの豊満な肉体を抱きしめながら、幸せいっぱいでスヤスヤと眠りについている最中なのであった……
1
お気に入りに追加
120
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる