44 / 45
番外編
いつものこと 前編
しおりを挟む
お久しぶりです。
ムーンの方で評価10000ptを越えたため御礼小説として書いたものです。
前編後編の二話構成です。後編は近日投稿いたします。
ーーーーーーーーーーーーーー
「エル、今日はマルセルの事、頼んだよ」
「うん。多分、大丈夫だと思う…」
「無理しなくていいからね?」
「…ありがとう。ヴィルばかりに頼ってないで、僕もしっかりしなきゃいけないのに…」
少し俯くとヴィルは、気にしないの、と言って僕を抱き寄せて、おでこにキスをしてくれる。僕はホッと息を吐いて、ヴィルの胸に顔を埋めた。
ヴィルの腕の中って本当に落ち着くんだ。初めはドキドキしっぱなしだったけど、今はそこが僕の安心できる居場所に変わった。
「いつでも呼んでくれたらいいからね?」
優しく微笑みかけてくれるヴィル。僕はそれに笑みで返してから少し背伸びして、ヴィルにありがとうの意味を込めて軽くキスした。
離れようとした僕の頭と腰を引き寄せて、ヴィルは深く口づけてくる。
「…ん、…」
朝から濃厚なのされると、本当に困る。
でも、ヴィルに敵うわけもなく、流されちゃう僕。ヴィルを拒むなんて僕にはできないし、こうしていれることが嬉しいんだから仕方ないよね…。
解放されて、もう一度いってらっしゃいのキスをして、ヴィルを見送った。
うう、離れるのが辛い。ぬくもりが恋しい。
僕はその想いを必死に胸に押し込んで、子供部屋に向かった。
さて、次は母親としての仕事をしに行くよ。
まずは朝の挨拶。
扉を開けると自然と集まってきてに横一列に並ぶ子供たち。今日も猛烈にカワイイ!
小さな階段に愛しさが込み上げて、自然と顔が綻んでしまう。
それから挨拶して、ぎゅっとその愛らしい体を抱きしめる。小さな手がきゅって僕にしがみ付いてくるのが堪らなく可愛い。
右端に長男のマルセル5歳。
「おはよう、マルセル」
「おはようございます、母上」
その横の次男のアルマント3歳。
「おはよう、アルマント」
「おはよー、ははうえ」
そのまた横の3歳になったばっかりの長女のハンナ。
「おはよう、ハンナ」
「おぁよー、かあたま」
そして、ハンナにしがみ付いてる三男のクラウス1歳。
「おはよう、クラウス」
「あーぅー、かぁた」
マルセルの後にすでに三人も子供ができて、もう四児の親になってしまった。お腹にも一人いるんだよね…。この調子でいくと大変なことになりそう…。
その辺はヴィルに任せてるから、僕は気にしてないんだけど、それでもこのペースだと不安になってくるんだよね。
先生が来るのはお昼からだから、それまでは子供たちとの時間。
じゃれ合って、お絵かきして、お散歩して、おままごと。
クラウスは最近抱っこ抱っこばっかりだし、アルマントも便乗して抱っこを要求してくるから、僕の腕はムキムキだよ。
ハンナはお姉さんなところを見せたいのか、あんまり抱っこって言ってこないから、僕から抱っこに誘う感じなんだ。マルセルも抱っこさせて?、って僕から言わないと抱っこさせてくれない。もうお兄ちゃんだよね…。
そんなこんなで、お昼ご飯を食べる時にはヘトヘト。でも、こんな時間を貰えるのも今のうちだから、いっぱい子供たちと楽しんでおかないとね。
「マルセル、今から先生が来られるから、ちゃんと挨拶して、しっかりお話しを聞くようにね」
「はい。母上」
マルセルは頭が良くて、とってもいい子。いい子過ぎて大丈夫かなって思っちゃうくらい。もっとわがままでもやんちゃでもいいのにな…。
僕の五歳の時ってただ森で走り回ってただけだと思うんだけど、やっぱり王族って大変だよね。こんな時から勉強もマナーも習い始めるんだから。
今でさえ、マルセルより僕の方が礼儀作法を知らない気がする。16年間で培ったものってなかなか直せなくて、緊張するから余計におかしいことになっちゃうんだよね。ダメな見本だけはならないように頑張ってはいるんだけど。
「ベンヤミン・アドラーと申します。本日よりマルセル殿下の家庭教師を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます」
案内されてきた家庭教師は、モノクルを着けた、いかにも頭の切れそうな男性だった。
アドラー子爵は確かブローベン侯の次男だったはず。ブローベン侯は薬師連盟の重鎮で僕も薬草栽培の件でお世話になってたりするんだ。侯爵はいいおじさんって感じで話し易いけど、ご子息はとっても真面目そう…。
こ、怖い…。このピリピリした雰囲気。
挨拶はもう済んだから、後は終わるまで発言しないようにしよう。確実に僕の頭の悪さが露呈してしまうことになるからね…。
僕は、勉強に励むマルセルと先生の背中を眺めては、二人が振り向くたびに笑顔だけ向けておいた。その度に先生が僕の事を睨みつけるような強い眼差しで見てきたんだけど、やっぱり僕いない方が良かったかな。
今日から本格的に始めるわけじゃなかったみたいで、マルセルと面談をしながらこれからの進め方を決めて、早々にティータイム。
「マルセル殿下はとても飲み込みが早く、私が楽をさせてもらうことになりそうです」
緊張が解けてきたのか、アドラー子爵はそういって笑顔を見せた。
先生、ちゃんと笑えるんだ。怖い人かと思ってたけど、そうでもないのかな。
マルセルとも特に合わないって感じじゃないし、よかった。
マルセルの学園入学までの三年間の計画を一通り説明してもらって、ヴィルから言われた必須項目が盛り込まれているかを確認した。
時間が掛かっても焦らずにすれば、僕だってできるよ。アドラー子爵からすごい視線を感じて、急かされてるみたいだったけど、落ち着いて責務を果たしたよ。ちょっと不安だけど…。
そして、なぜか薬草の温室栽培を見たいって言われて、マルセルを部屋に置いて僕はアドラー子爵を温室へと案内した。
「珍しい薬草を育てておられるのですね」
「はい。全てギルドAランク以上の依頼で採取するものになります。これらの薬草の採取は割の合わない仕事だと敬遠されがちで…。ここで収穫できるようになれば、危険を冒して採取してもらう必要もなくなりますから。それと定期供給して、価格を安定化させる計画も立てているんです」
「すばらしいですね。父が熱心に何をしているのかと思えば、こんなことになっていたとは」
「薬学にご興味があるのですか?」
「父は薬師免許を持っていて当たり前という考えで…、免許だけは持っているのです。まぁ実際はこうして教える立場に従事させていただいていますが」
こんなところで同士発見!
なんだか嬉しい。
それからアドラー子爵とは話が弾んで、僕の知らないレシピについて教えてもらえたり、学園で薬学科の生徒たちがどんな事を学ぶのかを聞けて、有意義に過ごせた。学園に憧れていた僕にはとっても魅力的な話だったよ。
「マルセル、先生どうだった?」
「怖くないし、お話も分かり易かったよ」
「良かった。最初は怖い人かと思ってたけど、お話ししてみると、そうじゃなかったし、マルセルの事きちんとお願いできそうだね」
「うん。母上はあの後どこに行ってたの?」
「えっと…あの後? 先生を温室に案内してたんだよ。薬学を専攻されてたんだって」
「ふーん。二人で?」
「うん。あ、もちろん護衛も連れてたよ」
「……それならいいけど」
マルセルは本当に僕よりしっかりしてる。
クラウスをあやして散歩してたら迷ちゃって…。王家専用の庭だから安全は安全なんだけど、ウロウロしてたところを大慌てのディー様に保護されて、ヴィルにすごく怒られたのはまだ記憶に新しい。それを覚えてるのかな、まだ五歳なのに…。
「エル、ただいま」
え、もうそんな時間!?
僕は振り返って、ヴィルに駆け寄って、おかえり、って言ってからおかえりのキス。ヴィルにきゅって抱きしめられて、僕は腕の中でほっと息を吐いた。どれだけ毎日抱きしめられても、幸せを感じるこの瞬間。
「この様子だと、大丈夫そうだね」
「うん。ブローベン侯のご子息だったんだね、マルセルの先生って」
「そうだよ。侯爵からの要望でね。全く知らない人より、少し関りのある人が良いかと思って」
「そうだったんだ。ありがとう、ヴィル。先生も薬草の栽培に興味があるみたいで、温室も案内したんだよ。薬学科の生徒が使ってるテキストまでもらえることになって、すごく楽しみなんだ」
「………ふーん」
あれ、なんだかヴィルが変…?
なんだろう、この素っ気ない感じ。
「どうしたの? 僕何か変なこと言った?」
「別に、何でもないよ。それより、エルじゃない匂いがするけど、アドラーに触られたりした?」
「…へ? 触られ…」
うーん。どうだったっけ。
話に夢中であんまり覚えてないけど、確かに距離は近かったかな?
「ごめんなさい。良く覚えてないかも…」
「そっか、ならいいよ。さ、夕食にしよう」
「…うん」
本当にいいのかな。大丈夫かな。
ヴィルの笑顔はいつも通り輝いて見えたけど、僕はどこか不安で仕方なかった。
ムーンの方で評価10000ptを越えたため御礼小説として書いたものです。
前編後編の二話構成です。後編は近日投稿いたします。
ーーーーーーーーーーーーーー
「エル、今日はマルセルの事、頼んだよ」
「うん。多分、大丈夫だと思う…」
「無理しなくていいからね?」
「…ありがとう。ヴィルばかりに頼ってないで、僕もしっかりしなきゃいけないのに…」
少し俯くとヴィルは、気にしないの、と言って僕を抱き寄せて、おでこにキスをしてくれる。僕はホッと息を吐いて、ヴィルの胸に顔を埋めた。
ヴィルの腕の中って本当に落ち着くんだ。初めはドキドキしっぱなしだったけど、今はそこが僕の安心できる居場所に変わった。
「いつでも呼んでくれたらいいからね?」
優しく微笑みかけてくれるヴィル。僕はそれに笑みで返してから少し背伸びして、ヴィルにありがとうの意味を込めて軽くキスした。
離れようとした僕の頭と腰を引き寄せて、ヴィルは深く口づけてくる。
「…ん、…」
朝から濃厚なのされると、本当に困る。
でも、ヴィルに敵うわけもなく、流されちゃう僕。ヴィルを拒むなんて僕にはできないし、こうしていれることが嬉しいんだから仕方ないよね…。
解放されて、もう一度いってらっしゃいのキスをして、ヴィルを見送った。
うう、離れるのが辛い。ぬくもりが恋しい。
僕はその想いを必死に胸に押し込んで、子供部屋に向かった。
さて、次は母親としての仕事をしに行くよ。
まずは朝の挨拶。
扉を開けると自然と集まってきてに横一列に並ぶ子供たち。今日も猛烈にカワイイ!
小さな階段に愛しさが込み上げて、自然と顔が綻んでしまう。
それから挨拶して、ぎゅっとその愛らしい体を抱きしめる。小さな手がきゅって僕にしがみ付いてくるのが堪らなく可愛い。
右端に長男のマルセル5歳。
「おはよう、マルセル」
「おはようございます、母上」
その横の次男のアルマント3歳。
「おはよう、アルマント」
「おはよー、ははうえ」
そのまた横の3歳になったばっかりの長女のハンナ。
「おはよう、ハンナ」
「おぁよー、かあたま」
そして、ハンナにしがみ付いてる三男のクラウス1歳。
「おはよう、クラウス」
「あーぅー、かぁた」
マルセルの後にすでに三人も子供ができて、もう四児の親になってしまった。お腹にも一人いるんだよね…。この調子でいくと大変なことになりそう…。
その辺はヴィルに任せてるから、僕は気にしてないんだけど、それでもこのペースだと不安になってくるんだよね。
先生が来るのはお昼からだから、それまでは子供たちとの時間。
じゃれ合って、お絵かきして、お散歩して、おままごと。
クラウスは最近抱っこ抱っこばっかりだし、アルマントも便乗して抱っこを要求してくるから、僕の腕はムキムキだよ。
ハンナはお姉さんなところを見せたいのか、あんまり抱っこって言ってこないから、僕から抱っこに誘う感じなんだ。マルセルも抱っこさせて?、って僕から言わないと抱っこさせてくれない。もうお兄ちゃんだよね…。
そんなこんなで、お昼ご飯を食べる時にはヘトヘト。でも、こんな時間を貰えるのも今のうちだから、いっぱい子供たちと楽しんでおかないとね。
「マルセル、今から先生が来られるから、ちゃんと挨拶して、しっかりお話しを聞くようにね」
「はい。母上」
マルセルは頭が良くて、とってもいい子。いい子過ぎて大丈夫かなって思っちゃうくらい。もっとわがままでもやんちゃでもいいのにな…。
僕の五歳の時ってただ森で走り回ってただけだと思うんだけど、やっぱり王族って大変だよね。こんな時から勉強もマナーも習い始めるんだから。
今でさえ、マルセルより僕の方が礼儀作法を知らない気がする。16年間で培ったものってなかなか直せなくて、緊張するから余計におかしいことになっちゃうんだよね。ダメな見本だけはならないように頑張ってはいるんだけど。
「ベンヤミン・アドラーと申します。本日よりマルセル殿下の家庭教師を務めさせていただきます。よろしくお願い申し上げます」
案内されてきた家庭教師は、モノクルを着けた、いかにも頭の切れそうな男性だった。
アドラー子爵は確かブローベン侯の次男だったはず。ブローベン侯は薬師連盟の重鎮で僕も薬草栽培の件でお世話になってたりするんだ。侯爵はいいおじさんって感じで話し易いけど、ご子息はとっても真面目そう…。
こ、怖い…。このピリピリした雰囲気。
挨拶はもう済んだから、後は終わるまで発言しないようにしよう。確実に僕の頭の悪さが露呈してしまうことになるからね…。
僕は、勉強に励むマルセルと先生の背中を眺めては、二人が振り向くたびに笑顔だけ向けておいた。その度に先生が僕の事を睨みつけるような強い眼差しで見てきたんだけど、やっぱり僕いない方が良かったかな。
今日から本格的に始めるわけじゃなかったみたいで、マルセルと面談をしながらこれからの進め方を決めて、早々にティータイム。
「マルセル殿下はとても飲み込みが早く、私が楽をさせてもらうことになりそうです」
緊張が解けてきたのか、アドラー子爵はそういって笑顔を見せた。
先生、ちゃんと笑えるんだ。怖い人かと思ってたけど、そうでもないのかな。
マルセルとも特に合わないって感じじゃないし、よかった。
マルセルの学園入学までの三年間の計画を一通り説明してもらって、ヴィルから言われた必須項目が盛り込まれているかを確認した。
時間が掛かっても焦らずにすれば、僕だってできるよ。アドラー子爵からすごい視線を感じて、急かされてるみたいだったけど、落ち着いて責務を果たしたよ。ちょっと不安だけど…。
そして、なぜか薬草の温室栽培を見たいって言われて、マルセルを部屋に置いて僕はアドラー子爵を温室へと案内した。
「珍しい薬草を育てておられるのですね」
「はい。全てギルドAランク以上の依頼で採取するものになります。これらの薬草の採取は割の合わない仕事だと敬遠されがちで…。ここで収穫できるようになれば、危険を冒して採取してもらう必要もなくなりますから。それと定期供給して、価格を安定化させる計画も立てているんです」
「すばらしいですね。父が熱心に何をしているのかと思えば、こんなことになっていたとは」
「薬学にご興味があるのですか?」
「父は薬師免許を持っていて当たり前という考えで…、免許だけは持っているのです。まぁ実際はこうして教える立場に従事させていただいていますが」
こんなところで同士発見!
なんだか嬉しい。
それからアドラー子爵とは話が弾んで、僕の知らないレシピについて教えてもらえたり、学園で薬学科の生徒たちがどんな事を学ぶのかを聞けて、有意義に過ごせた。学園に憧れていた僕にはとっても魅力的な話だったよ。
「マルセル、先生どうだった?」
「怖くないし、お話も分かり易かったよ」
「良かった。最初は怖い人かと思ってたけど、お話ししてみると、そうじゃなかったし、マルセルの事きちんとお願いできそうだね」
「うん。母上はあの後どこに行ってたの?」
「えっと…あの後? 先生を温室に案内してたんだよ。薬学を専攻されてたんだって」
「ふーん。二人で?」
「うん。あ、もちろん護衛も連れてたよ」
「……それならいいけど」
マルセルは本当に僕よりしっかりしてる。
クラウスをあやして散歩してたら迷ちゃって…。王家専用の庭だから安全は安全なんだけど、ウロウロしてたところを大慌てのディー様に保護されて、ヴィルにすごく怒られたのはまだ記憶に新しい。それを覚えてるのかな、まだ五歳なのに…。
「エル、ただいま」
え、もうそんな時間!?
僕は振り返って、ヴィルに駆け寄って、おかえり、って言ってからおかえりのキス。ヴィルにきゅって抱きしめられて、僕は腕の中でほっと息を吐いた。どれだけ毎日抱きしめられても、幸せを感じるこの瞬間。
「この様子だと、大丈夫そうだね」
「うん。ブローベン侯のご子息だったんだね、マルセルの先生って」
「そうだよ。侯爵からの要望でね。全く知らない人より、少し関りのある人が良いかと思って」
「そうだったんだ。ありがとう、ヴィル。先生も薬草の栽培に興味があるみたいで、温室も案内したんだよ。薬学科の生徒が使ってるテキストまでもらえることになって、すごく楽しみなんだ」
「………ふーん」
あれ、なんだかヴィルが変…?
なんだろう、この素っ気ない感じ。
「どうしたの? 僕何か変なこと言った?」
「別に、何でもないよ。それより、エルじゃない匂いがするけど、アドラーに触られたりした?」
「…へ? 触られ…」
うーん。どうだったっけ。
話に夢中であんまり覚えてないけど、確かに距離は近かったかな?
「ごめんなさい。良く覚えてないかも…」
「そっか、ならいいよ。さ、夕食にしよう」
「…うん」
本当にいいのかな。大丈夫かな。
ヴィルの笑顔はいつも通り輝いて見えたけど、僕はどこか不安で仕方なかった。
3
お気に入りに追加
792
あなたにおすすめの小説
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
二人の公爵令嬢 どうやら愛されるのはひとりだけのようです
矢野りと
恋愛
ある日、マーコック公爵家の屋敷から一歳になったばかりの娘の姿が忽然と消えた。
それから十六年後、リディアは自分が公爵令嬢だと知る。
本当の家族と感動の再会を果たし、温かく迎え入れられたリディア。
しかし、公爵家には自分と同じ年齢、同じ髪の色、同じ瞳の子がすでにいた。その子はリディアの身代わりとして縁戚から引き取られた養女だった。
『シャロンと申します、お姉様』
彼女が口にしたのは、両親が生まれたばかりのリディアに贈ったはずの名だった。
家族の愛情も本当の名前も婚約者も、すでにその子のものだと気づくのに時間は掛からなかった。
自分の居場所を見つけられず、葛藤するリディア。
『……今更見つかるなんて……』
ある晩、母である公爵夫人の本音を聞いてしまい、リディアは家族と距離を置こうと決意する。
これ以上、傷つくのは嫌だから……。
けれども、公爵家を出たリディアを家族はそっとしておいてはくれず……。
――どうして誘拐されたのか、誰にひとりだけ愛されるのか。それぞれの事情が絡み合っていく。
◇家族との関係に悩みながらも、自分らしく生きようと奮闘するリディア。そんな彼女が自分の居場所を見つけるお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※作品の内容が合わない時は、そっと閉じていただければ幸いです(_ _)
※感想欄のネタバレ配慮はありません。
※執筆中は余裕がないため、感想への返信はお礼のみになっておりますm(_ _;)m
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
今更愛を告げられましても契約結婚は終わりでしょう?
SKYTRICK
BL
冷酷無慈悲な戦争狂α×虐げられてきたΩ令息
ユリアン・マルトリッツ(18)は男爵の父に命じられ、国で最も恐れられる冷酷無慈悲な軍人、ロドリック・エデル公爵(27)と結婚することになる。若く偉大な軍人のロドリック公爵にこれまで貴族たちが結婚を申し入れなかったのは、彼に関する噂にあった。ロドリックの顔は醜悪で性癖も異常、逆らえばすぐに殺されてしまう…。
そんなロドリックが結婚を申し入れたのがユリアン・マルトリッツだった。
しかしユリアンもまた、魔性の遊び人として名高い。
それは弟のアルノーの影響で、よなよな男達を誑かす弟の汚名を着せられた兄のユリアンは、父の命令により着の身着のままで公爵邸にやってくる。
そこでロドリックに突きつけられたのは、《契約結婚》の条件だった。
一、契約期間は二年。
二、互いの生活には干渉しない——……
『俺たちの間に愛は必要ない』
ロドリックの冷たい言葉にも、ユリアンは歓喜せざるを得なかった。
なぜなら結婚の条件は、ユリアンの夢を叶えるものだったからだ。
☆感想、ブクマなどとても励みになります!
妄想女医・藍原香織の診察室
Piggy
恋愛
ちょっと天然な女医、藍原香織は、仕事中もエッチな妄想が止まらない変わった女の子。今日も香織は、うずまく妄想を振り払いながら、病んでる男子に救いの手を差し伸べる。
すべてのムッツリスケベに捧ぐ、エロ×女医×ギャグの化学反応!
本編完結。ただいま番外編を不定期更新中。気になるあの人のその後や、もし○○が××だったら…など、いろんな趣向でやってます。
※エグ・グロはありません。
※エロをベースに、ときどきシリアス入ります。エロ+ギャグ・ほのぼの(?)ベースです。
※「ムーンライトノベルズ」にも掲載開始しました。アルファポリスでの更新が常に最新です。
僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜
柿 心刃
恋愛
僕の幼馴染で姉的な存在である西田香奈は、眉目秀麗・品行方正・成績優秀と三拍子揃った女の子だ。彼女は、この辺りじゃ有名な女子校に通っている。僕とは何の接点もないように思える香奈姉ちゃんが、ある日、急に僕に急接近してきた。
僕の名は、周防楓。
女子校とは反対側にある男子校に通う、ごく普通の男子だ。
【R18】らぶえっち短編集
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
調べたら残り2作品ありました、本日投稿しますので、お待ちくださいませ(3/31)
R18執筆1年目の時に書いた短編完結作品23本のうち商業作品をのぞく約20作品を短編集としてまとめることにしました。
※R18に※
※毎日投稿21時~24時頃、1作品ずつ。
※R18短編3作品目「追放されし奴隷の聖女は、王位簒奪者に溺愛される」からの投稿になります。
※処女作「清廉なる巫女は、竜の欲望の贄となる」2作品目「堕ちていく竜の聖女は、年下皇太子に奪われる」は商業化したため、読みたい場合はムーンライトノベルズにどうぞよろしくお願いいたします。
※これまでに投稿してきた短編は非公開になりますので、どうぞご了承くださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる