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第2章。「魔族の誤解」
10、呪いの子①②③
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--呪いの子①--
エジェの再会は、みんな嬉しかった。当然、メディアもである。
しかし、裕也はどうなったのであろう。
エジェは、裕也を連れて来る役目のためだけに、生んだ親から離された。
(あぁ。裕也を助けなきゃ)
エジェはメンディアの目を見る。
メンディアの目は潤んで、「裕也を助けてほしい」と叫んでいた。
その時、彼女の手のひらを痛みが走る。
(いたい。強烈な痛みがする)
「エジェ。痛みの元の呪う子を探しに行きましょう。
そっちが先!
まず、それから」
メンディアは、身近なことから解決しようと思った。
「私は、呪う子を知っているよ」
エジェの姉のエナは言った。
--呪いの子②--
エジェら三人は、部屋を出た。
「こっち。こっち。こっち」
エナは2人を誘導する。
彼女らは、部屋を出て右に曲がる。
黒い洞窟が続く、岩肌に緑の苔がついている。
そして、鍾乳洞が上から突き出ていた。
水が落ちてくる。
「ポタ。ポタ。ポツン」
暗く暗く、地底に入って行く感じがする。
その奥に仄かな灯りが見える。
「誰かいる」エジェが言う。
「ここが呪う子の部屋よ」エナは答えた。
その中には3人の黒い影がある。
彼女らは、左手に光るものを持っている。
「キラ。キラ。キラ」彼女らの手が光る。
彼女らは段々近づいて来る。
真ん中の子の右手には、2つの足の人形を重ねて持っている。
右側の子は、右手の人形を持っている。
左側の子は、左手の人形を持っている。
人形に見えたものは茶色の像である。
光るもの。それは、短刀であった。
「エジェ。お帰りなさい」
--呪いの子③--
「エジェ。無事に良く家に帰り着いたね」呪いの子は挨拶した。
彼女は、右手の形の像に剣で突きたてた。
「ギリギリ」
「うぅぅ」メンディアが唸る。
「像が傷つかない。
う。
なぜ、像は傷つかないの?」
呪いの子は、必死で像を突きさす。
「イエス様は、呪いなんかに負けないわよ。
うう」
メンディアは応戦するが、痛みは消えない。
「なぜ。なぜ。
小娘に痛みを与えても、そのぐらいではしかたない」
呪いの子は、殺意に満ちていた。
「エジェ。
あなたなら出来るはずよ。
像を突き刺して、傷つけてよ。
これは、聖なる試練なのよ。
そうするのが、私たちの役目」
エジェは、考えた。
(少し前の私と同じ)
(そう、前までの己の姿。彼女らは運命を恨んでいる)
(そうだ。私と血の縁を結べば変わるかもしれない)
「分かった。私が聖なる試練を達成する。
ただ、儀式に参加するには、あなたたちは、私の血を飲まんければいけない」
「うふ。美味しそう。分かった」呪いの子は了承した。
エジェは、呪いの子から剣を受け取って、小指を少し傷つけた。
彼女は、呪いの子らの口に血を垂らし念じる。
(裕也。私に力を貸してください。そして、彼女らに私と血の縁を結ばせてください)
「あ ぁ ぁ グォォ」
呪いの子の体が青い炎に包まれる。
(ジュワー)体全身が蘇生する感覚が走る。
「エジェ。何をしたの?」
呪いの子の体は、肌色の皮膚に覆われ、
普通の肌にもどり、目の光が収まった。
「解放の時が来たのよ」エジェは言い放った。
呪いの子は、普通の肌になり笑顔がこぼれる。
「私たちは解放されたのですか?
試練の役目は達成されたのですか?」
「あなた方の役目は終わりよ」エジェは宣言した。
青い3つの光が浮かび上がり、エジェの右手に着いた。
エジェの再会は、みんな嬉しかった。当然、メディアもである。
しかし、裕也はどうなったのであろう。
エジェは、裕也を連れて来る役目のためだけに、生んだ親から離された。
(あぁ。裕也を助けなきゃ)
エジェはメンディアの目を見る。
メンディアの目は潤んで、「裕也を助けてほしい」と叫んでいた。
その時、彼女の手のひらを痛みが走る。
(いたい。強烈な痛みがする)
「エジェ。痛みの元の呪う子を探しに行きましょう。
そっちが先!
まず、それから」
メンディアは、身近なことから解決しようと思った。
「私は、呪う子を知っているよ」
エジェの姉のエナは言った。
--呪いの子②--
エジェら三人は、部屋を出た。
「こっち。こっち。こっち」
エナは2人を誘導する。
彼女らは、部屋を出て右に曲がる。
黒い洞窟が続く、岩肌に緑の苔がついている。
そして、鍾乳洞が上から突き出ていた。
水が落ちてくる。
「ポタ。ポタ。ポツン」
暗く暗く、地底に入って行く感じがする。
その奥に仄かな灯りが見える。
「誰かいる」エジェが言う。
「ここが呪う子の部屋よ」エナは答えた。
その中には3人の黒い影がある。
彼女らは、左手に光るものを持っている。
「キラ。キラ。キラ」彼女らの手が光る。
彼女らは段々近づいて来る。
真ん中の子の右手には、2つの足の人形を重ねて持っている。
右側の子は、右手の人形を持っている。
左側の子は、左手の人形を持っている。
人形に見えたものは茶色の像である。
光るもの。それは、短刀であった。
「エジェ。お帰りなさい」
--呪いの子③--
「エジェ。無事に良く家に帰り着いたね」呪いの子は挨拶した。
彼女は、右手の形の像に剣で突きたてた。
「ギリギリ」
「うぅぅ」メンディアが唸る。
「像が傷つかない。
う。
なぜ、像は傷つかないの?」
呪いの子は、必死で像を突きさす。
「イエス様は、呪いなんかに負けないわよ。
うう」
メンディアは応戦するが、痛みは消えない。
「なぜ。なぜ。
小娘に痛みを与えても、そのぐらいではしかたない」
呪いの子は、殺意に満ちていた。
「エジェ。
あなたなら出来るはずよ。
像を突き刺して、傷つけてよ。
これは、聖なる試練なのよ。
そうするのが、私たちの役目」
エジェは、考えた。
(少し前の私と同じ)
(そう、前までの己の姿。彼女らは運命を恨んでいる)
(そうだ。私と血の縁を結べば変わるかもしれない)
「分かった。私が聖なる試練を達成する。
ただ、儀式に参加するには、あなたたちは、私の血を飲まんければいけない」
「うふ。美味しそう。分かった」呪いの子は了承した。
エジェは、呪いの子から剣を受け取って、小指を少し傷つけた。
彼女は、呪いの子らの口に血を垂らし念じる。
(裕也。私に力を貸してください。そして、彼女らに私と血の縁を結ばせてください)
「あ ぁ ぁ グォォ」
呪いの子の体が青い炎に包まれる。
(ジュワー)体全身が蘇生する感覚が走る。
「エジェ。何をしたの?」
呪いの子の体は、肌色の皮膚に覆われ、
普通の肌にもどり、目の光が収まった。
「解放の時が来たのよ」エジェは言い放った。
呪いの子は、普通の肌になり笑顔がこぼれる。
「私たちは解放されたのですか?
試練の役目は達成されたのですか?」
「あなた方の役目は終わりよ」エジェは宣言した。
青い3つの光が浮かび上がり、エジェの右手に着いた。
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