月花は愛され咲き誇る

月鬼。
月からやってきたという鬼は、それはそれは美しい姿をしていたそうだ。

時が経ち、その姿もはるか昔のこととなった現在。
色素が薄いものほど尊ばれる月鬼の一族の中、三津木香夜はみすぼらしい灰色の髪を持って生を受けた。

虐げられながらも生きてきたある日、日の本の国で一番の権力を持つ火鬼の一族の若君が嫁探しのために訪れる。

そのことが、香夜の運命を大きく変えることとなった――。

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