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4.結婚式は中止できません

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(流石に急すぎじゃない?)

結婚式をするなら、もう色々手配が進んでいるはずだ。

アルフレッドは小さくため息をついた。

「この事態を予想できていたので僕は何度かシアラ様にオークリィとの婚約をやめるよう進言していたのです。」

「どういうことですか?」

アルフレッドは唇を噛んで答えた。

「シアラ様は、オークリィがボニーと浮気していることを知っていながら、一人結婚式の準備を進めていました。」

「え?!浮気を知ってたんですか?!」

「はい。ボニーとオークリィは、、、浮気していることをシアラ様に隠すつもりは無かったんだと思います。

僕は何度もあの男と結婚するなんてあり得ないと、何度も忠告しましたがシアラ様は聞いてくれませんでした。

ルカドル国を守らなきゃいけない。その思いがあまりにも強すぎたのです。」

強く拳を握りしめ、アルフレッドは呟いた。

「オークリィに頼らなくちゃ、存続できないほど、ルカドル王家は危機的状況なのですか?」

心臓がドクンドクンと音を立てている。

「ええ。王家の借金は、すでに一年間の国家予算の5倍以上になっています。」

(聞きたく、なかったな。)

「で、でもオークリィが浮気したのは、妹のボニーでしょう?それなら、婚約破棄されてもオークリィの家に支援してもらえるんじゃないですか?」

アルフレッドは首を振った。

「ボニーは前国王の妻であったリリット様の連れ子です。ボニーは王家の血をついでいないため、王家の一員ではないのです。」

だからボニーは、姉であるシアラを敵視していたのか。

私は両手を目の前でぎゅっと組んだ。どんどん逃げ道が潰されていく。

「結婚式直前に女王と婚約破棄するなんて、可能なんですか?」

一週間前に婚約破棄なんて、女王を侮辱する行為が許されるのだろうか。

「婚約破棄は成立するでしょう。」

「なぜ?」

「シアラ様は、、、現在国民や貴族から、大きな反感をかっているからです。皆、国の危機は女王の失策によって引き起こされていると勘違いしています。」

そう言って、アルフレッドは天を仰いだ。

「オークィはルカドル国で一番の権力者の息子。

そしてボニー様は国民から絶大な支持を集める令嬢。オークリィとボニーの結婚は皆に祝福されるでしょう。」

「なんで、ボニーが支持されているのですか?」

震える声で私はアルフレッドに尋ねた。

「ボニーは、シアラ様が必死で働いている間に、シアラ様の悪評を国民に広めました。

そして、自分だけが良く見えるよう、形だけの慈善活動をしていたのです。」

私は机に突っ伏した。

(あまりにもひどすぎる。)

「結婚式の為に用意してたものを今更取りやめなんてできるんでしょうか?」

女王の結婚式だ。国中から人が集まるだろうし、食事やサービスだって、沢山用意しているに違いない。

「難しいかもしれません。招待状も送っていますし、食事の準備はもうすでに始まっています。」

「そう、ですよね。」

「これも、オークリィとボニーの策略でしょう。増税に苦しむ国民の前で、パーティを豪遊する女王。

彼らはそれを演出したいんですよ。」



   ◇◇◇
    
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