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14 だってお人好しなんだもん!
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「このお人好し。嘘つかれてたってわかったなら、もっと罵詈雑言言ってやっても良かったじゃない。」
相変わらず、アレックスは私のお菓子を食べにお昼休みには私の屋敷にやってくる。
「もちろん俺だって、色々思ったさ。けどなぁ、どうしても嬉しいが勝ったんだよ。嘘をつかれていたとしても、嬉しかった。」
「私なら、もっとボロクソ言ってやるのにな。アレックスが平然としてるのが信じられないわ。」
アレックスは私の顔をじっと見た。なによ?
「メルは優しいな。」
「どこが?」
私はまだまだリーシャにやり返し足りないと思ってるんだからね!まあ、アレックスが幸せそうだから良しとするけど!それでも言い足りないんだ!
「全部。優しいし、メルこそお人好しだ。」
「別に優しくないし。」
まあ、今回のことは私のお手柄じゃない?これでアレックスも晴れて自由ね。私は大きく伸びをした。
「ま、これでようやくアレックスも、自由に恋愛できるようになったんだもんね。そろそろ婚約破棄しましょうか?」
何だかんだ、あの事件の後もここにいてしまったけどそろそろ潮どきかな。
「なんで?」
アレックスが驚いた顔で私を見た。
「なんで、、て、だってアレックスはこれからなにも気にせずに人を愛せるようになったわけでしょ?私がここにいるべきじゃないよ。」
愛されたくないし、結婚もしたくない。アレックスの新しい門出に、そんな女はふさわしくないでしょ。
「だめだよ。メル。」
アレックスはいたずらっぽく笑った。
「俺はメルのことをこれからも愛さないし、婚約者としてあつかわない。それなら、ここはメルにとって最高の場所だろ?」
「そ、そうだけど。」
そんな優しい目で言わないでよ。
「なら、俺はその約束を守るから。ずっとここにいてよ。メル。」
なんだか、言いくるめられてる気がするんだけど、、、。それなら、いいか。
「じゃあ、約束。私のことを愛さないし、婚約者としても扱わないのね。」
アレックスはにこにこと笑ってうなずいた。
「約束するよ。メル。」
◇◇◇
5年後。
私達は相変わらず、一緒にお菓子を食べお茶を飲んでいた。
「本当に、メルのお菓子は美味しいし、メルは最強にかわいいね。」
息を吐くように、アレックスは私に甘い言葉を言う。本当に、欠かすことなく毎日アレックスは私のところにやってくる。
「な!!かわいいって、なによ?!」
私がアレックスをにらみつけると、アレックスは肩をすくめた。
「別に、メルを愛してる、なんて言ってないさ。メルが世界で一番可愛いのは事実なんだから仕方ないだろ?」
この、、この男!!
お菓子を食べ終わったアレックスは立ち上がって、ひらひらと手を振った。
「そしたら、晩ごはんの時にまた来るよ。」
最近は、晩御飯と朝ごはんを一緒に食べるようになっていた。婚約者として扱わない、て何?
「ねえ。アレックス。」
私はたまらず呼びかけた。この我慢強く、優しいこの男は本当に5年間一度も私に愛しているとは言わなかった。
ただ、黙って優しく私を見つめ続けたのである。
「なんだい?メル。」
もう、約束とかいいよ。
「私に愛してるって言ってよ?」
結局私は、アレックスを愛してしまったのでした。
「やっと、言えるね。メル。
君を世界で一番、愛してるよ。」
相変わらず、アレックスは私のお菓子を食べにお昼休みには私の屋敷にやってくる。
「もちろん俺だって、色々思ったさ。けどなぁ、どうしても嬉しいが勝ったんだよ。嘘をつかれていたとしても、嬉しかった。」
「私なら、もっとボロクソ言ってやるのにな。アレックスが平然としてるのが信じられないわ。」
アレックスは私の顔をじっと見た。なによ?
「メルは優しいな。」
「どこが?」
私はまだまだリーシャにやり返し足りないと思ってるんだからね!まあ、アレックスが幸せそうだから良しとするけど!それでも言い足りないんだ!
「全部。優しいし、メルこそお人好しだ。」
「別に優しくないし。」
まあ、今回のことは私のお手柄じゃない?これでアレックスも晴れて自由ね。私は大きく伸びをした。
「ま、これでようやくアレックスも、自由に恋愛できるようになったんだもんね。そろそろ婚約破棄しましょうか?」
何だかんだ、あの事件の後もここにいてしまったけどそろそろ潮どきかな。
「なんで?」
アレックスが驚いた顔で私を見た。
「なんで、、て、だってアレックスはこれからなにも気にせずに人を愛せるようになったわけでしょ?私がここにいるべきじゃないよ。」
愛されたくないし、結婚もしたくない。アレックスの新しい門出に、そんな女はふさわしくないでしょ。
「だめだよ。メル。」
アレックスはいたずらっぽく笑った。
「俺はメルのことをこれからも愛さないし、婚約者としてあつかわない。それなら、ここはメルにとって最高の場所だろ?」
「そ、そうだけど。」
そんな優しい目で言わないでよ。
「なら、俺はその約束を守るから。ずっとここにいてよ。メル。」
なんだか、言いくるめられてる気がするんだけど、、、。それなら、いいか。
「じゃあ、約束。私のことを愛さないし、婚約者としても扱わないのね。」
アレックスはにこにこと笑ってうなずいた。
「約束するよ。メル。」
◇◇◇
5年後。
私達は相変わらず、一緒にお菓子を食べお茶を飲んでいた。
「本当に、メルのお菓子は美味しいし、メルは最強にかわいいね。」
息を吐くように、アレックスは私に甘い言葉を言う。本当に、欠かすことなく毎日アレックスは私のところにやってくる。
「な!!かわいいって、なによ?!」
私がアレックスをにらみつけると、アレックスは肩をすくめた。
「別に、メルを愛してる、なんて言ってないさ。メルが世界で一番可愛いのは事実なんだから仕方ないだろ?」
この、、この男!!
お菓子を食べ終わったアレックスは立ち上がって、ひらひらと手を振った。
「そしたら、晩ごはんの時にまた来るよ。」
最近は、晩御飯と朝ごはんを一緒に食べるようになっていた。婚約者として扱わない、て何?
「ねえ。アレックス。」
私はたまらず呼びかけた。この我慢強く、優しいこの男は本当に5年間一度も私に愛しているとは言わなかった。
ただ、黙って優しく私を見つめ続けたのである。
「なんだい?メル。」
もう、約束とかいいよ。
「私に愛してるって言ってよ?」
結局私は、アレックスを愛してしまったのでした。
「やっと、言えるね。メル。
君を世界で一番、愛してるよ。」
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