【完結】婚約者を寝盗られ婚約破棄となりました。裏切られてばかりでもう疲れた伯爵様は逃げ出すことにしました。

22 我慢、できん

「おはようございます。ソラウ様。」
　
「おはよう。マイハニー。」

さて、色々あったけど私は相変わらずソラウ様の運転手をしている。なんだかんだ、この仕事が好きなのだ。

寝坊したのか、珍しくソラウ様の髪の毛がはねているので整えてあげる。

「寝坊ですか？」

「ああ、今日のアキとのデートプランを考えていたら、どうも眠れなかった。」

「ちゃんと寝てください。マイダーリン様。」

「寝る！絶対寝るぞ！アキ！」

まあ、こんな具合で私はソラウ様と付き合うことになった。だってソラウ様がおもしろすぎるんだもん。好きにならないなんて、無理じゃない？

アイザル様には、未だ私が実の子供だと勘違いしてもらっている。お母さんが守りきった嘘をわざわざ教える必要はないとソラウが言ったのだ。

「あんなジジイ、俺ならいつでも追い出せる。」

次期当主になるソラウがそういうので任せることにしよう。ちなみに、あの恐ろしい元婚約者のフィリアは、殺人未遂容疑で逮捕された。他に怪我人が出なかったから良かったものの、普通に考えて大事だからね。

ソラウ様が大きくため息をついた。

「５年か、、、。長過ぎる。後何秒で５年後なんだ？」

「ぼーっとしてれば、すぐですよ。」

私はぽんぽんとソラウ様の頭を叩いた。ソラウ様は私にしがみつく。

「我慢できない、、、。」

私は肩をすくめた。　　

「我慢してくださいな。元々あんな硬派だったんですから、できるはずですよ？」

「ぐううう、、、。」

ほんとに、かわいい人ですね。ソラウ様。私が大人になるまで、ちゃんと側にいてくださいね？


　　◇◇◇

５年後。

「た、誕生日、、２０歳なんだな？！アキ？！！」

血走った目で見ないでください！ソラウ様！！

「そうですが！！まだ私達を結婚はしていませんよ！！」

私はじりじりと後ずさりをした。そんな私をソラウ様は光の速さで捕まえた。

「もう、待てないーー！！！」

そう言ってソラウは私にキスをした。

初めてのキスは、２０歳の誕生日。そして、その先はー？まあ、それも同じ日になりそう、かもーー。