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7.元婚約者だろ?!
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探偵部に帰ると、ミリアが笑顔で出迎えてくれた。
「おかえり~!!どうだった??」
「ばっちりだよ!」
「これでDNA鑑定ができる。」
ミリアは嬉しそうに頷いた後、私とラメルの顔を交互に見た。
「なに?」
「なんか、二人の間の空気が軽くなったなぁって!!」
「そうかなぁ。」
「そうだよ。」
ラメルはそっぽを向いて言った。
「別に変わらん。」
「素直じゃないんだから。ねぇ、なんかあったんでしょ?!」
ミリアはやはり鋭いのかもしれない。
DNA鑑定の結果、ミィナとカリトリアが同一人物であることが証明された。そして、いよいよ私達はミィナ逮捕に向かうこととなったのだ。
◇◇◇
「出てきなさい!!ミィナ!」
ギルバードの屋敷の前、国軍を引き連れた私は叫んだ。
「しつこいぞ、エマ。お前にはもううんざりだと言っただろう?」
そう言いながらドアを開けたギルバードは私の後ろに控える国軍を見て、表情を変えた。
「どういうことだ?」
「残念ね。ギルバード。貴方の愛する妻は詐欺犯罪者よ。出てきなさい!ミィナ!」
私の声が聞こえて慌てたのか、ミィナが反対の窓から外に出ようとしていた。だが、そこにはすでに国軍が待っていて、ミィナを取り押さえる。
「離しなさいよ!!」
国軍の兵に取り押さえられたミィナは私を睨みつけて叫んだ。
「ミィナ、いえ。カリトリア。」
「なぜ、、その名前を、、、?」
「全てお見通しよ。5億デルトルの行方をし白状してもらうから。」
逮捕されたカリトリアは騙し取った5億デルトルをどこに隠したのか未だ口を割っていなかった。
「うふふふふ!あはははは!」
「なぜ笑うの?」
「馬鹿ねっ!そんなお金、全部使っちゃったわよ!もうどこにもないわ!」
「そんなことだろうと思った。」
私は肩をすくめると、ギルバードに向き直った。
「ギルバード、貴方にはミィナに請求されている5億デルトルを払う義務があるわ。」
「な!?なぜだ!?!僕は何もしてないじゃないか!!」
「でも、貴方の妻の罪だもの。ギルバードに支払いの義務が発生するのよ。」
サイラス国では犯罪者本人が支払えない賠償金や借金をパートナーが肩代わりする法律がある。
「そんな?!エマ!君は僕の元婚約者だろう?!僕を救ってくれよ!!」
そう言ってギルバードはみっともなく私にすがりついてきた。ギルバードの力が強く腕を振り払うことができない。
「エマに触れるな。」
探偵部として私に着いてきていたラメルがギルバードの腕をねじり上げた。
「痛いぞ!!離せ!!」
ああ、みっともないわ。なんで私はこんな男を一瞬でも好きになったんだろ。やっぱり私はラメルの言う通り、男を見る目がないんだわ。
「私には、どうすることもできないわ。だからあの女には関わるなって言ったじゃない。」
「冷たい女め!!」
「そんなことないわ。一つ優しくアドバイスしてあげる。今すぐに、貴方がミィナと離婚したら、ギルバードの負担額は半額になるわよ。」
離婚した場合、ギルバードが持つ財産の半分はミィナのものとなるが、残り半分は守られるのだ。
「離婚するに決まってるだろ!!元からこの女のことを、鬱陶しいと思っていたんだ!!」
ギルバードはミィナを指さして叫んだ。
「私だって、あんたみたいな男、金が無かったら絶対に結婚しなかったわ!!」
私は言い争う二人を見て、口元を押さえた。あーあ。ざまあみろだわ。
結局、ミィナことカリトリアは再逮捕され、次はより厳重な牢屋に閉じ込められることとなった。残念ながらギルバードはミィナに騙されていたということで、財産の取り上げは免れてしまった。だが、新品調査の中で、ギルバードが麻薬取引に手を出していたことが発覚。ミィナと共に牢屋に入れられることとなったのだった。
◇◇◇
「おかえり~!!どうだった??」
「ばっちりだよ!」
「これでDNA鑑定ができる。」
ミリアは嬉しそうに頷いた後、私とラメルの顔を交互に見た。
「なに?」
「なんか、二人の間の空気が軽くなったなぁって!!」
「そうかなぁ。」
「そうだよ。」
ラメルはそっぽを向いて言った。
「別に変わらん。」
「素直じゃないんだから。ねぇ、なんかあったんでしょ?!」
ミリアはやはり鋭いのかもしれない。
DNA鑑定の結果、ミィナとカリトリアが同一人物であることが証明された。そして、いよいよ私達はミィナ逮捕に向かうこととなったのだ。
◇◇◇
「出てきなさい!!ミィナ!」
ギルバードの屋敷の前、国軍を引き連れた私は叫んだ。
「しつこいぞ、エマ。お前にはもううんざりだと言っただろう?」
そう言いながらドアを開けたギルバードは私の後ろに控える国軍を見て、表情を変えた。
「どういうことだ?」
「残念ね。ギルバード。貴方の愛する妻は詐欺犯罪者よ。出てきなさい!ミィナ!」
私の声が聞こえて慌てたのか、ミィナが反対の窓から外に出ようとしていた。だが、そこにはすでに国軍が待っていて、ミィナを取り押さえる。
「離しなさいよ!!」
国軍の兵に取り押さえられたミィナは私を睨みつけて叫んだ。
「ミィナ、いえ。カリトリア。」
「なぜ、、その名前を、、、?」
「全てお見通しよ。5億デルトルの行方をし白状してもらうから。」
逮捕されたカリトリアは騙し取った5億デルトルをどこに隠したのか未だ口を割っていなかった。
「うふふふふ!あはははは!」
「なぜ笑うの?」
「馬鹿ねっ!そんなお金、全部使っちゃったわよ!もうどこにもないわ!」
「そんなことだろうと思った。」
私は肩をすくめると、ギルバードに向き直った。
「ギルバード、貴方にはミィナに請求されている5億デルトルを払う義務があるわ。」
「な!?なぜだ!?!僕は何もしてないじゃないか!!」
「でも、貴方の妻の罪だもの。ギルバードに支払いの義務が発生するのよ。」
サイラス国では犯罪者本人が支払えない賠償金や借金をパートナーが肩代わりする法律がある。
「そんな?!エマ!君は僕の元婚約者だろう?!僕を救ってくれよ!!」
そう言ってギルバードはみっともなく私にすがりついてきた。ギルバードの力が強く腕を振り払うことができない。
「エマに触れるな。」
探偵部として私に着いてきていたラメルがギルバードの腕をねじり上げた。
「痛いぞ!!離せ!!」
ああ、みっともないわ。なんで私はこんな男を一瞬でも好きになったんだろ。やっぱり私はラメルの言う通り、男を見る目がないんだわ。
「私には、どうすることもできないわ。だからあの女には関わるなって言ったじゃない。」
「冷たい女め!!」
「そんなことないわ。一つ優しくアドバイスしてあげる。今すぐに、貴方がミィナと離婚したら、ギルバードの負担額は半額になるわよ。」
離婚した場合、ギルバードが持つ財産の半分はミィナのものとなるが、残り半分は守られるのだ。
「離婚するに決まってるだろ!!元からこの女のことを、鬱陶しいと思っていたんだ!!」
ギルバードはミィナを指さして叫んだ。
「私だって、あんたみたいな男、金が無かったら絶対に結婚しなかったわ!!」
私は言い争う二人を見て、口元を押さえた。あーあ。ざまあみろだわ。
結局、ミィナことカリトリアは再逮捕され、次はより厳重な牢屋に閉じ込められることとなった。残念ながらギルバードはミィナに騙されていたということで、財産の取り上げは免れてしまった。だが、新品調査の中で、ギルバードが麻薬取引に手を出していたことが発覚。ミィナと共に牢屋に入れられることとなったのだった。
◇◇◇
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