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2.いい加減にしないと婚約破棄よ!

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「いい加減にしてよ!!いつまでミィナと遊んでる気なの?私の結婚式の準備を手伝ってよ!!」

「ああ、もう。そうやって僕を怒るのはやめてくれよ。最近のエマは怒ってばかりだ。」

「貴方が他の女を拾ってきたからでしょう?!信じられないわ!!それって浮気と同じだし、本当に最低の行為よ?!」

「ミィナに酷く当たるエマこそ最低だよ!!君には人の心が無いのかい?」

「人の心がないのは貴方でしょっ、、!!ゴホッゴホッ。」

怒りのあまり怒鳴りすぎて咳がでた。私は冷たい目をしているギルバードを見つめた。私はギルバードのどこが好きだったっけ、、、。

ギルバードは私が追っていた事件の関係者だった。犯人に襲われ第二の被害者になりそうだったギルバードを救ったことで、彼に一目惚れされた。

私はもう28歳。国軍探偵部にいる同世代ののメンバーが次々結婚していくので、焦っていたのかもしれない。私はギルバードの求婚を大喜びで承諾し、勢い余って大好きだった探偵の仕事を辞めた。

「婚約破棄よ!!」

「え?」

「ミィナをこれ以上この家に置いておくなら婚約破棄するから!!それが嫌なら、早くミィナを追い出してよ!!」

「出ていくのは君だよ。エマ。」

ギルバードは意地悪に笑った。

「僕も君と婚約破棄したいと思っていたんだ。言う手間が省けてラッキーだよ。ミィナおいで。」

「は~い!!ギルバード様ぁ!」

部屋で話を聞いていたのだろう。ミィナはすぐに部屋から出てくるとギルバードと手を絡めた。

「君みたいな女、こっちからお断りだね。元々気が強くて一緒にいて疲れると前から思っていたんだ。」

「わ、私だって、貴方みたいな顔しか取り柄が無いような男はうんざりだって思ってたわ!!」

「ふふふっ。」

「何が可笑しいのよ?!」

「可哀想なエマ。必死じゃないの。」

ミィナの言葉にプチンと何かが切れる音がした。なぜ私はこんな女に馬鹿にされなきゃいけないの?

「でていってやるわよ!こんなとこ!!!」

私はそう叫んで、ギルバードの家から飛び出した。玄関を出るときに、ギルバードとミィナがキスをしているのが見えて、吐きそうになった。

「今に見てなさい!!言っとくけど、私はサイラス国一の探偵。貴方の正体を突き止めて地獄に落としてやるわ!この泥棒猫!」


  ◇◇◇
 
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