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11 5年間の両片想い

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メルと出会ってから5年の月日が経った。

俺達は相変わらず、お昼休憩には一緒にお菓子を食べお茶を飲んでいた。

「本当に、メルのお菓子は美味しいし、メルは最強にかわいいね。」

メルの前世の話を聞いてから、彼女を愛しいと思う気持ちがますます高まっていた。メルが傷ついた言葉を全部忘れさせてあげたくて、俺は今日もメルを褒め称える。

「な!!かわいいって、なによ?!」

そうやって照れるところも、可愛すぎて苦しい。

「別に、メルを愛してる、なんて言ってないさ。メルが世界で一番可愛いのは事実なんだから仕方ないだろ?」 

紛れもない事実だ。

さあ、お昼休憩もそろそろ終わりだ。寂しいが仕事に戻らなくては。

「そしたら、晩ごはんの時にまた来るよ。」

最近は、メルに誘われて晩御飯と朝ごはんを一緒に食べるようなっていた。これぞ幸せの極み。

「ねえ。アレックス。」

メルが俺の名前を呼んだ。少し震えた高い声。メルは緊張した顔で俺を呼んだ。

「なんだい?メル。」

まだ隠してることがあるのかい?なんでも言ってくれ。全部受け止めたいと思うから。

メルは顔を真っ赤にして言った。

「私に愛してるって言ってよ?」

俺はぐっと拳を握りしめて、必死で気持ちを抑えた。本当は今にも飛び跳ねて踊り出したい気持ちだった。

だけど、今くらいは最高にカッコつけたいから。5年越しの想いを君に伝えられるその瞬間くらいはね。

「やっと、言えるね。メル。
 
 君を世界で一番、愛してるよ。」
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