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14 アイザイアに送ったラブレター

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「アイザイア、、、。」

私を助けたのは、10日前のアイザイア。

大男ではない、
昔からよく知るアイザイアだ。

ライトは魔法で吹きとばされ
地面の上で気を失っている。

「間に合ったか、、、。
 大丈夫か、ミィナ。」

アイザイア(過去)が私の名前を呼んだ。

「なぜ、私のことが分かるの、、、?
 私、見た目、ミィナと違うよね、、、?」

アイザイア(過去)は私のことを
まっすぐに見て言った。

「ミィナなら、 
 見た目が変わったって
 ミィナだってちゃんとわかるよ。」

そう言うとアイザイアは
私のことをお姫様抱っこした。

「うわっ。」

思わず声がでる。

珍しい。
いつもは荷物のように持ち上げるのに。

顔近いな。
昔からよく見てきたアイザイア(過去)の顔。

「家に帰るぞ。」

「うん。」

アイザイア(過去)は呪文を唱えた。

「トランスポート!!」

強い風が吹く。
ふわっと体が浮く感覚。

「ねえ、アイザイア。私がアイザイアに渡したラブレターの内容、覚えてる?」

「え・・・?
 なんの話、、、?」

ええ?! 

   ◇◇◇


瞬間移動魔法で家についた瞬間
アイザイア(過去)は私を放り投げた。

「な、な、なんの話をしてるんだ?!
 ラブレター?!」

アイザイア(過去)はしどろもどろになっている。

「7年前、17歳の時、、、!
 私、ちゃんとアイザイアに
 好きですって書いたラブレター送ったよ?!」

もうこうなったら全部言うしかない。

アイザイア(過去)は高速で首を振った。

「もらってない!
 そんなものもらってない!!」

「でもちゃんと、ソフィアにアイザイアに渡してもらうように頼んだもん!!」

何度もちゃんと、
念押ししたよ!

「ソフィアが、
 ミィナからもらったラブレターを
 俺に渡さなかったんだ!

 俺は絶対にもらってない!」

「確かに、、、。 
 ソフィアならしそう、、、。」

振られたことが悲しすぎて
そこまで頭が回らなかった。

「大体、学生の時、、、
 ミィナは俺のこと異性として
 見れないって
 言ってただろ?!」

アイザイア(過去)は大声で言った。

「は、はぁぁ?!
 一言もそんなこと言ってませんけど!
 そんなこと、
 だれが言ってたのよ!」

アイザイア(過去)は俯いて答えた。

「ソフィア・・・。」

私はアイザイア(過去)と顔を見合わせた。

「なぁ、ミィナ。」

「うん。」

「俺は、この時間のミィナに
 ちゃんと告白するからな、、、。」

私はアイザイアの手を取った。

「私も、
 10日後に戻ったら
 ちゃんとアイザイアに本当の気持ちを伝えるから!!」

  ◇◇◇



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