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9 結婚、かあ、、。

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過去の私と友達になるには
どうしたらいいか。

それは私が一番よく知っている。

ライトとミィナ(過去)の後ろを
こっそりとついていく。

『バイバイ!ライト!!』

過去の私がライトに向かって手を振った。

『また明日ね!ミィナ!』

ライトは慣れた手つきで
ミィナ(過去)の手を取ると
手の甲に軽くキスをした。

『もうっ。』

見ていられなくて私は頭を抱えた。

ライトへの恨みより先に
恥ずかしさが襲ってくる。

『さっきの話、考えておいてね。』

ライトはミィナ(過去)にウィンクをした。

『う、うん!』

ミィナ(過去)はあいまいな顔で笑った。

10日前のこの日、
私はライトに
結婚をほのめかされたんだ。

『そうしたら、気を付けて帰るんだよ』

その場を立ち去るライトに手を振る。

ライトの姿が見えなくなると
ミィナ(過去)はふう、
と大きく息を吐いた。

そう、この日まだ私は
ライトと婚約するかどうか
迷っていたんだ。

この日の午後に起こるある出来事が原因で
ミィナ(過去)はライトと婚約することを決める。

それまでに、
なんとかミィナ(過去)を
説得しなくちゃ、、、!



   ◇◇◇



「パドレン校長先生!」

私はミィナ(過去)に声をかけた。

突然声をかけたにも関わらず
ミィナ(過去)は
機嫌よく振り返った。

「なあに?」

そうそう、
私は校長先生と呼ばれるのが
とても好きだ。

実際には校長として
なんにも役割を
果たせてないんだけどね。

「あ、あの!!
 私、
 魔法を使えるようになりたいの!

 先生、もしもコツがあれば
 教えてくれないかな!」

ミィナ(過去)は両手で口を押えた。

普段、私は校長の肩書もあるから
魔法を使えないことは
できるだけ隠していた。

「私に、できることなら 
 なんでもするよ!」

ミィナ(過去)は力強く言った。

ごめんね、自分。
貴方が魔法を使えないことは
知っているんだけど、、、。

「ありがとう!
 見ててね!!」

私の超魔法を見ろ!!
私は両手を前にかざす。

「ちちんぷいぷい、ぷい!!」

私の右手から
ポンっと
一本のタンポポが出現した。

ミィナ(過去)は呆気に取られて
私を見ている。

「そ、その力
 私と一緒だよ!!!」

「え?そうなの?!」

嘘っぽい演技になっていませんように。

ミィナ(過去)は
何も考えていないであろう
馬鹿っぽい顔でタンポポを手に取った。

「私と同じ感じで
 魔法が使えない人に初めて会ったよ!!

 ねえ、少しお話しよ?」

ミィナ(過去)は私に言った。

ほらね、アイザイア。
私ちょろいじゃん。

「もちろん!!
 沢山、話そ!!

 私はミミ!よろしくね!」


   ◇◇◇

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