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年末の大仕事は一人でできる?
しおりを挟む「つまり、
私に仕事を
手伝ってほしいってこと?」
そろそろ、
そういう時期だと思った。
アイナは
口に手を当てて
ふふ、と
笑う。
王子レンは、
元々器用なタイプではなく
仕事を要領良くこなすことが
すこぶる苦手である。
アイナは昔から、
レンの仕事をこっそり手伝ってきた。
特に年終わりの時期は、
レンが貯めに貯めた書類が
山積みになってしまうため、
アイナ無しでは
仕事を終わらせることが
できない状況になる。
「はい。
なんとか、
今年だけでも手伝ってほしいと、、。」
王子の友人であり
右腕のユーリが言う。
ユーリなど、
騎士団の人間は
基本的に書類整理の仕事はない。
普段やっていない仕事を
彼が手伝うのは難しいだろう。
もう、
頼るところがないと言うわけだ。
「ほーんと、
レンは見栄っ張りねぇ。」
アイナは
クッキーを頬張りながら言う。
私に頼らなくなって、
ほんとうに困ったならば
兄に助けを求めるとか、
そもそもの
仕事量を減らしてもらうとか
対策はあるだろうに。
あの男は、油断をしている。
婚約破棄をしても、
自分を
まだ好いているであろうアイナなら
二つ返事で手伝ってくれると。
ほんとに甘いわ。
「どういたしますか?」
この上なく楽しそうな顔のユーリ。
「どうしようかしらね。」
この状況は、
確かに愉快ね。
「アイナ様が、
無下もなく断ったと、
レンに伝えましょうか?」
貴方、レンの友人じゃなかったっけ?
まあ、いいけど。
「それも、
シンプルで素敵ね。
それでも良いのだけども。
私に一つ考えがあるわ。」
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