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6話.貴方は、誰にも愛されていないわ。
しおりを挟む「信じてくれ!!
俺は誰も殺していない!!
誰か信じてくれ!!」
処刑台にかけられてもなお、
レナードは叫んでいた。
「レナード!!」
ジョージに縄で括られ、
私は処刑場にやってきた。
あまりに私が暴れるので、
ジョージが兵に命じたのだ。
周りには私が、
錯乱状態だと伝えているらしい。
「良い景色だ。」
ジョージは
目を細めて呟いた。
「ソフィー!!!」
レナードはソフィを見つけて
叫んだ。
「なぁ、ソフィ。
君はまだ
あいつを好きだというのかい。
次にあそこに処刑台に立つのは
君だよ?」
私は身をよじった。
「なんと言われたって、
私は貴方を
愛さないわ!!」
ジョージは
私を思い切り蹴り上げた。
「嫌な女だ。」
私はジョージを睨みつけた。
「貴方は、
レナードを見下してばかりだわ。」
「あんな奴、
見下して当然だろ!!
何も努力しない、
人に媚を売ってばかりのあいつに
僕は絶対に負けない!」
私はにやりと笑った。
「貴方は本当に馬鹿よ。
ジョージ。
貴方はレナードの凄さを、
まだ分かっていないわ。
まだ彼は終わってないわよ!!」
ジョージは
地面に思い切り剣を突き刺した。
「これ以上何か言うと、
手元が狂ってお前を殺すぞ、
ソフィ!!」
ジョージは
近衛兵に命じた。
「さあ、
レナードを殺せ!!」
そう、ジョージが命じたとき、
「待ってください!ジョージ様!!」
「レナード様が王を殺すなんて、
なにかの間違いです!」
「レナード様を殺さないでください!!」
やってきたのは、
城下町の民衆達だった。
ざっと数えても、
1000人はいる。
民衆は
自らの身を顧みず、
レナードの前に立ち塞がった。
「これは、、、。」
ジョージは
言葉を失って立ち尽くした。
「誰かが何を言ったわけじゃないわ。
ただみんな、レナードの危機を聞いて
駆けつけただけ。
ここでレナードを一方的に殺したら、
貴方の評判は
大きく落ちるでしょうね。
新国王様?」
ジョージは大きく舌打ちをした。
チッ。
「面倒だ。
今日のところは引き上げるぞ!!」
その日の夜、
瀕死の重傷であった国王ガイアンは
目を覚ました。
ガイアンの口から
すべての真実は明らかになった。
すぐさまレナードは解放され、
ジョージは殺人未遂罪で
投獄されたのだった。
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「レナードー!!!」
「ソフィーー!!」
俺、レナードは
ソフィを抱きしめて
ぐるぐると回った。
「会いたかったよ。
ソフィ。
あぁ、ソフィ。」
俺は、
込み上げてくるものを
なんとかこらえる。
「レナード、泣いてる??」
ソフィは
俺の顔を覗き込んで笑った。
「泣いてないやい!」
顔を見られたくなくて、
俺はソフィを抱きしめた。
「泣き虫皇太子様だね。」
ソフィは
優しく、俺の頭を撫でてくれた。
「良い報告があるのよ、レナード。」
「なんだい?」
「私達に、子供ができたのよ。
レナード。」
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