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3話.ジョージから逃げて!!
しおりを挟む「そうか、
ソフィと婚約か、、!
おめでとう、レナード。」
父であるガイアンは
そう言ってにっこり笑った。
俺、レナードは
朝起きてすぐ、
王宮にある王の部屋にやってきた。
父親にソフィと婚約することを
報告したかったのだ。
幼い頃に母を亡くしている
俺にとって、
父は国王である以上に
本当に大切な家族である。
「お前たちは本当に
昔から仲が、良かったもんな。
ジョージにはもう伝えたのか?」
ガイアンは俺に尋ねた。
「これからだよ。
父さんの次に伝えにいこうと
思ってたんだ。」
「そうか。」
父はそう言うと
少し黙った。
「どうしたんだ?」
「いいや。
なんでもないさ。
ただ、ジョージに伝えるのは
もう少し段階が進んでからのほうが
いいんじゃないか?
今はジョージも忙しいしな。」
「まぁ、それもそうか。
父さんがそう言うなら、
もう少し後にするよ。」
ガイアンはうんうんと頷いた。
「それがいいよ。
なぁ、レナード。」
「うん?」
「昨日も言ったが、
ジョージのことを
支えてやってくれよ。
あいつは、
本当に優秀だが、
脆いところがあると思うんだ。」
ガイアンが真剣な眼差しで言った。
「分かった。」
俺は頷いた。
ジョージの弱いところなど
俺には見たことがないが、
父が言うならきっとそうなのだろう。
「ジョージのことを支えるよ。」
------------------------------------
「ソフィなら、
まだ帰ってきてませんよ。」
ソフィの母であり、
俺たち双子の乳母であったカナノが
俺にそう言った。
「あれ?
俺の部屋にいなかったから、
ここに帰って来てると
思ったんだけどな。」
城下町にあるソフィの家に来たのだが、
まだソフィは帰ってきてないらしい。
「ソフィが帰ってきたら、
王宮に来てと伝えてくれ。」
「わかりました。」
カナノがにっこりと笑った。
「レナード様が呼んでいたと
伝えておきますね。」
カナノは
俺とジョージを見分けられる
数少ない人間の一人である。
「頼んだ。」
だが、
その日の夜になっても
ソフィは俺の部屋に帰って来なかった。
王宮の中をあちこち探したが、
ソフィはいない。
「あ、ジョージ!!
ソフィ見なかったか?」
隣の部屋から出て来たジョージに
尋ねた。
「見てないな。」
ジョージはそう短く言って、
立ち去って行った。
「冷たいやつ。」
昔はソフィとジョージも
仲が良かったと思うんだが、
最近は、めっきり話す回数が
減っているように感じる。
とにかく、
ソフィを探さなければ。
だが、どんなに探しても
ソフィの姿は見当たらなかった。
「どこにいるんだ?
ソフィ!」
俺はベットに寝転がり
ソフィの名を呼ぶ。
ベットから、
微かにソフィの匂いがする。
「ソフィ、、!」
その時、
「レナード、、、!」
どこからか、微かに
ソフィの声がした。
「ソフィ??
ソフィ!
どこだ!」
俺はあたりを見渡した。
「レナード!
私はここ!
私はジョージの部屋にいるわ!」
「今行く!!」
部屋を出て、
ジョージの部屋を開けようとするも、
鍵がかかっていて
開けることができない。
「くそっ。」
俺はなんとか鍵を開けようと
ドアノブをガチャガチャと
動かした。
「そこで何をしてるんだ?」
後ろから
声をかけられる。
「ジョージ、実はソフィが、、!」
振り返るとそこには
ナイフを持ったジョージが立っていた。
「なんでお前、
ナイフなんか持ってんだよ、、?」
ジョージは目を細めた。
「お前には関係ないよ。」
ジョージ、お前
そんな怖い顔してたかよ?
俺は背筋が凍るのを感じた。
「なぁ、
ちょっと部屋に入れてくれないか?
探したいものがあってな、、。」
俺はジョージの一挙一動を
注意深く見ながら言った。
「それはできないな。」
ジョージは
ドアに体を預けて、
そう答えた。
「ならお前から鍵を奪い取って
中に入るまでだよ。」
俺は思い切り、
ジョージを蹴り上げようとした。
だが、
ジョージにかわされてしまう。
「レナード!!
ジョージから逃げて!!!」
部屋の中から、
ソフィの叫び声がした。
ジョージのナイフが、
レナードを思い切り切りつけた。
「死ね!!」
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