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戻りました
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その瞬間、私の視界がブレた。
視界が戻ると、私の目の前には瑞貴がいた。瑞貴も目をぱちぱちさせて自分の両手を見つめたり顔を触ったりしている。
私はすぐ立ち上がってクローゼットの鏡に自分を映した。
ちゃんと、いつもの凛の体だった。やった!
「戻った!!」
「……ああ、そうだね」
いきなり、原因も戻る方法も分からないまま戻ってしまったから、瑞貴も戸惑っているみたいだ。でもとにかく、早く戻れて良かった!
「良かった!結局何だったのか全然分からないけど、良かったー!」
心が軽くなって、その場でぴょんぴょん跳ねて喜びを表現していると、瑞貴の声がかかる。
「ねえ凛ちゃん」
「ん?」
「今すぐ、さっきの続き、しよ」
瑞貴は下半身を隠しもしないで丸出しのまま、微笑んで私を見つめていた。
はっ、そういえばさっきズボンもパンツもずり下げたままだった。そしてさっきのキスで股間がまた元気になってしまったんだった。
「ちょ、ちょっと!下隠したら?」
「えー。もう散々見られたし、したし、これからもっと色々するわけだし。別にいいよ」
「ほんとにするの!?」
「うん……お願い。凛ちゃんも俺の体にいたから分かるでしょ。それに俺もさっき凛ちゃんの体にいる時、ほんとはすごく気分が昂っちゃってて、濡れてる、と思う。だから、今度は俺の体で凛ちゃんを気持ちよくしてあげたいんだ」
言われてみれば、確かに私の股間もジンジンとしていた。パンツも濡れてる。
「え、でも、ゴム……とか無いし」
「あるよ」
あるの!?
「大分前から用意してたんだ」
瑞貴は言いながら立ち上がって、机のカギの付いた引き出しを開けた。
「ほら、たくさんあるから、安心してよ」
何箱買ってるんだ。どれだけするつもりなんだ。
思わず口元がひくついたけど、もう、いいかな、と思った。なんだか瑞貴がいじらしくなっちゃったのだ。
「分かった……あの、痛くないようにしてね……」
「うん、もちろん。凛ちゃんの体のことはよく分かってるから大丈夫」
ん?
どういうこと?
と聞こうとしたけど、もう次の瞬間には抱き締められて、いつもの軽いキスとは全然違う深いキスをされていた。
「っん」
ちゅく、ちゅる、とお互いの舌が絡んで気持ちいい。瑞貴の手が性急に私の胸をまさぐって、スカートのホックを外していく。
パサリとスカートが落ちて、下半身がパンツ一枚になった。
「ね、ベッドに行こ」
瑞貴がそう言って私の手を引っ張って、二人でベッドに転がる。上着を脱がそうとしてきたので、私が自分で脱いだら、ブラとパンツは瑞貴に素早く脱がされた。
ちなみに瑞貴は早くも全裸になっていた。この1日でかなり見慣れてしまった下半身のものは、さっきよりもギンギンに硬く太くなって、おへそに付きそうなほど反り返っていた。
さっきまでのあの感覚を覚えているから、きっと今すごくじんじんしてて、触ったらビリッて気持ちよくなっちゃうんだろうなあ、なんて考えてしまった。
「凛ちゃん、好きだよ」
そう言って瑞貴がぎゅっと抱き締めてくれる。
「私も好き」
裸で抱き合っていると、すごく暖かくて心地良かった。瑞貴がまたキスをしてきて、私の胸や股間を触って来る。
その触り方は、妙に的確に気持ちいいポイントを押さえていて、さっきの言葉を思い出してしまった。
「ねえ、ひょっとして私の体でオナニーした?」
ぴく、と瑞貴の動きが止まる。
「……シテナイヨ?」
やったな、こいつ。
「いつしたの!」
思わずキッと睨むと、瑞貴は気まずそうに目を逸らしながらぼそぼそと言った。
「……凛ちゃんが、朝おしっこが出ないってメッセージしてきて、オナニーして貰ったあと、我慢できずについ、してしまいました……」
「もー!!」
ほんとに、あんなに淡白っぽかったのが嘘みたいに、エロエロじゃん!
「ごめん、でもそれのおかげで凛ちゃんのどこが気持ちいいか、よく分かったよ?もし、それがなかったら俺、初めてだし、凛ちゃんのこと気持ち良くしてあげられなかったと思うんだ。ね、だから許して?今から気持ち良くできるように頑張るから。ね?」
「もう……いいよ、分かったって」
瑞貴が慈悲を乞うような顔で手を合わせてきたから、ちょっと可哀そうになってしまった。
私も大概だ。
きっと、瑞貴と体が入れ替わる、なんてことがなくて、前のままの私だったら許せなかったかもしれない。
でも、瑞貴の体に入って、瑞貴がどんなに私に欲望をぶつけないように頑張ってたか知ったら、それだけでもう何でも許せる気がしたのだ。
「もう怒ってないから……続きしよ?」
そう言って瑞貴にぎゅっと抱き着いたら、
「凛ちゃんー!」
急に野獣になって乗っかって来た。
「あっちょっと!」
「ごめん、もう限界」
はあはあ言いながら私の胸を揉んだり舐めたりしたかと思うと、股間にも手を伸ばしてくちゅくちゅと掻き回して来た。
少し荒々しかったけど、ちゃんと気持ち良くて、私の気持ちいい所が分かったっていうのはほんとだな、と頭の片隅で思いながら、私は快感に身を委ねた。
「凛ちゃん、もう入れていい?」
しばらくして瑞貴が顔を上げて言った。
「……うん、いいよ」
瑞貴の綺麗な顔、熱に浮かされたみたいに赤くて、欲が滲んだ目してる。
きっと、私も同じ顔してると思う。
瑞貴がゴムの箱から袋を一つ取り出して、意外にスムーズに装着していた。
「なんか慣れてない?」思わず聞くと「凛ちゃんとする時をシミュレーションしてたくさん練習したから」と言う瑞貴に、なんかもう呆れとか色々と通り越して、感心した。
冷静に考えたら、私とのえっちに対する執念が強すぎて引くところだが、今は瑞貴のことが可愛いと思ってしまう。
「入れるね」
少し緊張した顔で、瑞貴が自分のものを私の濡れた入口に押し当てる。
ぐっと圧迫感と熱さ、引き攣れる感じがして、それが入って来る。
「くっ……」
瑞貴は苦しそうな、切なそうな顔をして声を漏らしていた。なんか、可愛くて胸がきゅんとしてしまった。
思わず「気持ちいい?」と聞くと、
「あっ、くぅ、うん、気持ちいいよ……」
とかすれた声で言う。
瑞貴の体に入ってた私を攻めてた時は、余裕たっぷりで悪戯な小悪魔みたいな顔をしていたくせに、今の瑞貴にはそんな余裕なんて全然ないみたいだった。
それが何だか可笑しくて、可愛い。
瑞貴の腰がゆるゆるとぎこちなく動いて、私も少しづつ気持ち良さを感じ始めた。
さっきまで瑞貴の体だったせいか、瑞貴が感じる気持ち良さまで伝わってくるような気がして、よけいに高まってしまう。
「あ、あんっ」
ゆるゆると動いていた瑞貴のものが、中のどこかに当たった時、ものすごく気持ち良くて思わず声をあげた。
瑞貴も気付いて、
「ここ、気持ちいいの?」
と、また同じ場所らしいところをぐりぐりと擦って来る。
「ああん、そこ気持ちい、いっ」
「へえ……ここかぁ。ん、なんかこりこりしてる……」
瑞貴はそこを重点的に攻め始めた。
「あっ、やああ、いいっ!」
男の子としてイった時みたいに、何かが高まって爆発しそうになってくる。これ、きっと。
「あっああ!イッちゃう!イッちゃうよぉ、みずきー!」
「……!りんちゃんっ、おれも……!」
瑞貴が腰を思いきり激しく動かし始め、私の快感が一気にはじけた。
「あああっあっ!」
ぴくんぴくんとお腹の奥が痙攣しているみたいになり、ものすごい気持ち良さが波になって何度も寄せてくる。
いつの間にか、瑞貴もはあはあ荒い息で、私の上に覆いかぶさって止まっていた。
「はあはあ……凛ちゃん、イけたんだね、良かった……」
「みずき……も?」
「うん。めちゃくちゃ気持ち良かった……凛ちゃんとやっと繋がれて、ものすごく嬉しいよ。嬉し過ぎて泣きそう」
瑞貴の目はほんとに少し潤んでいた。それを見ると私もじいんとして、涙が出そうになった。
「私も瑞貴と繋がれて嬉しいよ。好き……大好き、瑞貴」
「凛ちゃん……!俺も、凛ちゃんが大好き」
私たちはぎゅっと抱き合って、いつもみたいな軽いキスをかわして笑った。
そのあと裸のままでくっついていたけど、瑞貴が
「裸でこんなことしてたら、またしたくなるから」と言うので、二人で服を着てベッドに座って話した。
「でも、なんで私たち入れ替わってたんだろうねえ」
そこは結局分からないままだ。原因も、なぜ急に元に戻れたのかも。
「……何が理由だったにしろ、俺は感謝してるよ。だってそのおかげで凛ちゃんと結ばれたしね」
「まあそれはそうなんだけど、原因が分からないとまた入れ替わったら困るっていうか」
「もう、入れ替わることはないよ」
また、瑞貴は確信めいたことを呟く。まるで自分は理由がちゃんと分かっているみたいに。
「何か知ってるの?」
と聞いたけど、瑞貴は曖昧に笑うだけだった。
「ねえそういえば、うちに来た時にはこんなこと、出来ないからね」
ふと思いついてそう言う。うちは夕方、母も杏もいるし。
ふふっと笑って瑞貴が答える。
「分かってるよ。凛ちゃんちでは、さすがにこういうことはしないよ……
凛ちゃんちの家族って、ノックなしにいきなりドア開けてくるしね」
ふ、と顔を逸らしてぼそっと言う。
「あれは気まずかった……」
ん?
何か不穏なこと呟きませんでしたか?
すごーーく嫌な予感がするんだが。
「え、ちょっとまさか」
「いや、大丈夫。決定的なところは見られてないよ。ちょっと、一瞬程度のことだから、凛ちゃんは何も心配しなくていいからね」
にこっと笑って言われるが、何も安心できない。
「やだーー!もう家に帰れないじゃん!」
思わず頭を抱えると、瑞貴が嬉しそうに言う。
「いいよ、ここにいくらでもいてくれて。もう一緒に住んじゃおうか?」
「ばかー!そんなの無理じゃん!」
そう叫んだら、
「凛ちゃん、確かにまだ今は無理かもしれないけど、俺は凛ちゃんとそのうち一緒に住みたいし、ずっと一緒にいたいから、そのために頑張ってるからね」
瑞貴が急に真剣な顔で言ってきた。
「え、そ、そうなの?」
「うん。だから将来俺と結婚してね、凛ちゃん。絶対浮気しないでね」
そう言う瑞貴の顔はにっこり笑っていたけど、目にどことなく獰猛な色が浮かんでいた。
……あれ?瑞貴ってこんな独占欲みたいなのあったっけ?
まあ、いいか!
瑞貴のこと大好きだし、私のこと大事にしてくれるしね。
「もちろんだよ。瑞貴だって浮気なんかしないでね?」
私が言うと、瑞貴は笑った。
「俺が凛ちゃん以外の女なんかに目を向けるわけないから、安心してよ。心配なら俺のスマホだって全部見せるし、隠し事なんてぜったいしないよ。だから凛ちゃんも俺に全部見せて欲しいな」
「ん?……うん?」
なんだこの流れ?
また、私の知らない瑞貴の顔が出てきたような気がしないでもないけど、まあなんだかんだこれからも私たちは仲良くやっていくのだった。
(終わり)
******
2023/4追記:今回の入れ替わりは瑞貴が原因なんですが、その辺書こうと思いながら時が経ちすぎちゃいました( ;∀;)最後ちょっとヤンデレっぽくなっちゃったのは作者の性癖です(;^ω^)ヤンデレ大好き……
これからもこの二人は仲良くラブラブしていきます。
ここまで読んで頂き本当にありがとうございました♡あと女装のおまけ話で終わりです。
視界が戻ると、私の目の前には瑞貴がいた。瑞貴も目をぱちぱちさせて自分の両手を見つめたり顔を触ったりしている。
私はすぐ立ち上がってクローゼットの鏡に自分を映した。
ちゃんと、いつもの凛の体だった。やった!
「戻った!!」
「……ああ、そうだね」
いきなり、原因も戻る方法も分からないまま戻ってしまったから、瑞貴も戸惑っているみたいだ。でもとにかく、早く戻れて良かった!
「良かった!結局何だったのか全然分からないけど、良かったー!」
心が軽くなって、その場でぴょんぴょん跳ねて喜びを表現していると、瑞貴の声がかかる。
「ねえ凛ちゃん」
「ん?」
「今すぐ、さっきの続き、しよ」
瑞貴は下半身を隠しもしないで丸出しのまま、微笑んで私を見つめていた。
はっ、そういえばさっきズボンもパンツもずり下げたままだった。そしてさっきのキスで股間がまた元気になってしまったんだった。
「ちょ、ちょっと!下隠したら?」
「えー。もう散々見られたし、したし、これからもっと色々するわけだし。別にいいよ」
「ほんとにするの!?」
「うん……お願い。凛ちゃんも俺の体にいたから分かるでしょ。それに俺もさっき凛ちゃんの体にいる時、ほんとはすごく気分が昂っちゃってて、濡れてる、と思う。だから、今度は俺の体で凛ちゃんを気持ちよくしてあげたいんだ」
言われてみれば、確かに私の股間もジンジンとしていた。パンツも濡れてる。
「え、でも、ゴム……とか無いし」
「あるよ」
あるの!?
「大分前から用意してたんだ」
瑞貴は言いながら立ち上がって、机のカギの付いた引き出しを開けた。
「ほら、たくさんあるから、安心してよ」
何箱買ってるんだ。どれだけするつもりなんだ。
思わず口元がひくついたけど、もう、いいかな、と思った。なんだか瑞貴がいじらしくなっちゃったのだ。
「分かった……あの、痛くないようにしてね……」
「うん、もちろん。凛ちゃんの体のことはよく分かってるから大丈夫」
ん?
どういうこと?
と聞こうとしたけど、もう次の瞬間には抱き締められて、いつもの軽いキスとは全然違う深いキスをされていた。
「っん」
ちゅく、ちゅる、とお互いの舌が絡んで気持ちいい。瑞貴の手が性急に私の胸をまさぐって、スカートのホックを外していく。
パサリとスカートが落ちて、下半身がパンツ一枚になった。
「ね、ベッドに行こ」
瑞貴がそう言って私の手を引っ張って、二人でベッドに転がる。上着を脱がそうとしてきたので、私が自分で脱いだら、ブラとパンツは瑞貴に素早く脱がされた。
ちなみに瑞貴は早くも全裸になっていた。この1日でかなり見慣れてしまった下半身のものは、さっきよりもギンギンに硬く太くなって、おへそに付きそうなほど反り返っていた。
さっきまでのあの感覚を覚えているから、きっと今すごくじんじんしてて、触ったらビリッて気持ちよくなっちゃうんだろうなあ、なんて考えてしまった。
「凛ちゃん、好きだよ」
そう言って瑞貴がぎゅっと抱き締めてくれる。
「私も好き」
裸で抱き合っていると、すごく暖かくて心地良かった。瑞貴がまたキスをしてきて、私の胸や股間を触って来る。
その触り方は、妙に的確に気持ちいいポイントを押さえていて、さっきの言葉を思い出してしまった。
「ねえ、ひょっとして私の体でオナニーした?」
ぴく、と瑞貴の動きが止まる。
「……シテナイヨ?」
やったな、こいつ。
「いつしたの!」
思わずキッと睨むと、瑞貴は気まずそうに目を逸らしながらぼそぼそと言った。
「……凛ちゃんが、朝おしっこが出ないってメッセージしてきて、オナニーして貰ったあと、我慢できずについ、してしまいました……」
「もー!!」
ほんとに、あんなに淡白っぽかったのが嘘みたいに、エロエロじゃん!
「ごめん、でもそれのおかげで凛ちゃんのどこが気持ちいいか、よく分かったよ?もし、それがなかったら俺、初めてだし、凛ちゃんのこと気持ち良くしてあげられなかったと思うんだ。ね、だから許して?今から気持ち良くできるように頑張るから。ね?」
「もう……いいよ、分かったって」
瑞貴が慈悲を乞うような顔で手を合わせてきたから、ちょっと可哀そうになってしまった。
私も大概だ。
きっと、瑞貴と体が入れ替わる、なんてことがなくて、前のままの私だったら許せなかったかもしれない。
でも、瑞貴の体に入って、瑞貴がどんなに私に欲望をぶつけないように頑張ってたか知ったら、それだけでもう何でも許せる気がしたのだ。
「もう怒ってないから……続きしよ?」
そう言って瑞貴にぎゅっと抱き着いたら、
「凛ちゃんー!」
急に野獣になって乗っかって来た。
「あっちょっと!」
「ごめん、もう限界」
はあはあ言いながら私の胸を揉んだり舐めたりしたかと思うと、股間にも手を伸ばしてくちゅくちゅと掻き回して来た。
少し荒々しかったけど、ちゃんと気持ち良くて、私の気持ちいい所が分かったっていうのはほんとだな、と頭の片隅で思いながら、私は快感に身を委ねた。
「凛ちゃん、もう入れていい?」
しばらくして瑞貴が顔を上げて言った。
「……うん、いいよ」
瑞貴の綺麗な顔、熱に浮かされたみたいに赤くて、欲が滲んだ目してる。
きっと、私も同じ顔してると思う。
瑞貴がゴムの箱から袋を一つ取り出して、意外にスムーズに装着していた。
「なんか慣れてない?」思わず聞くと「凛ちゃんとする時をシミュレーションしてたくさん練習したから」と言う瑞貴に、なんかもう呆れとか色々と通り越して、感心した。
冷静に考えたら、私とのえっちに対する執念が強すぎて引くところだが、今は瑞貴のことが可愛いと思ってしまう。
「入れるね」
少し緊張した顔で、瑞貴が自分のものを私の濡れた入口に押し当てる。
ぐっと圧迫感と熱さ、引き攣れる感じがして、それが入って来る。
「くっ……」
瑞貴は苦しそうな、切なそうな顔をして声を漏らしていた。なんか、可愛くて胸がきゅんとしてしまった。
思わず「気持ちいい?」と聞くと、
「あっ、くぅ、うん、気持ちいいよ……」
とかすれた声で言う。
瑞貴の体に入ってた私を攻めてた時は、余裕たっぷりで悪戯な小悪魔みたいな顔をしていたくせに、今の瑞貴にはそんな余裕なんて全然ないみたいだった。
それが何だか可笑しくて、可愛い。
瑞貴の腰がゆるゆるとぎこちなく動いて、私も少しづつ気持ち良さを感じ始めた。
さっきまで瑞貴の体だったせいか、瑞貴が感じる気持ち良さまで伝わってくるような気がして、よけいに高まってしまう。
「あ、あんっ」
ゆるゆると動いていた瑞貴のものが、中のどこかに当たった時、ものすごく気持ち良くて思わず声をあげた。
瑞貴も気付いて、
「ここ、気持ちいいの?」
と、また同じ場所らしいところをぐりぐりと擦って来る。
「ああん、そこ気持ちい、いっ」
「へえ……ここかぁ。ん、なんかこりこりしてる……」
瑞貴はそこを重点的に攻め始めた。
「あっ、やああ、いいっ!」
男の子としてイった時みたいに、何かが高まって爆発しそうになってくる。これ、きっと。
「あっああ!イッちゃう!イッちゃうよぉ、みずきー!」
「……!りんちゃんっ、おれも……!」
瑞貴が腰を思いきり激しく動かし始め、私の快感が一気にはじけた。
「あああっあっ!」
ぴくんぴくんとお腹の奥が痙攣しているみたいになり、ものすごい気持ち良さが波になって何度も寄せてくる。
いつの間にか、瑞貴もはあはあ荒い息で、私の上に覆いかぶさって止まっていた。
「はあはあ……凛ちゃん、イけたんだね、良かった……」
「みずき……も?」
「うん。めちゃくちゃ気持ち良かった……凛ちゃんとやっと繋がれて、ものすごく嬉しいよ。嬉し過ぎて泣きそう」
瑞貴の目はほんとに少し潤んでいた。それを見ると私もじいんとして、涙が出そうになった。
「私も瑞貴と繋がれて嬉しいよ。好き……大好き、瑞貴」
「凛ちゃん……!俺も、凛ちゃんが大好き」
私たちはぎゅっと抱き合って、いつもみたいな軽いキスをかわして笑った。
そのあと裸のままでくっついていたけど、瑞貴が
「裸でこんなことしてたら、またしたくなるから」と言うので、二人で服を着てベッドに座って話した。
「でも、なんで私たち入れ替わってたんだろうねえ」
そこは結局分からないままだ。原因も、なぜ急に元に戻れたのかも。
「……何が理由だったにしろ、俺は感謝してるよ。だってそのおかげで凛ちゃんと結ばれたしね」
「まあそれはそうなんだけど、原因が分からないとまた入れ替わったら困るっていうか」
「もう、入れ替わることはないよ」
また、瑞貴は確信めいたことを呟く。まるで自分は理由がちゃんと分かっているみたいに。
「何か知ってるの?」
と聞いたけど、瑞貴は曖昧に笑うだけだった。
「ねえそういえば、うちに来た時にはこんなこと、出来ないからね」
ふと思いついてそう言う。うちは夕方、母も杏もいるし。
ふふっと笑って瑞貴が答える。
「分かってるよ。凛ちゃんちでは、さすがにこういうことはしないよ……
凛ちゃんちの家族って、ノックなしにいきなりドア開けてくるしね」
ふ、と顔を逸らしてぼそっと言う。
「あれは気まずかった……」
ん?
何か不穏なこと呟きませんでしたか?
すごーーく嫌な予感がするんだが。
「え、ちょっとまさか」
「いや、大丈夫。決定的なところは見られてないよ。ちょっと、一瞬程度のことだから、凛ちゃんは何も心配しなくていいからね」
にこっと笑って言われるが、何も安心できない。
「やだーー!もう家に帰れないじゃん!」
思わず頭を抱えると、瑞貴が嬉しそうに言う。
「いいよ、ここにいくらでもいてくれて。もう一緒に住んじゃおうか?」
「ばかー!そんなの無理じゃん!」
そう叫んだら、
「凛ちゃん、確かにまだ今は無理かもしれないけど、俺は凛ちゃんとそのうち一緒に住みたいし、ずっと一緒にいたいから、そのために頑張ってるからね」
瑞貴が急に真剣な顔で言ってきた。
「え、そ、そうなの?」
「うん。だから将来俺と結婚してね、凛ちゃん。絶対浮気しないでね」
そう言う瑞貴の顔はにっこり笑っていたけど、目にどことなく獰猛な色が浮かんでいた。
……あれ?瑞貴ってこんな独占欲みたいなのあったっけ?
まあ、いいか!
瑞貴のこと大好きだし、私のこと大事にしてくれるしね。
「もちろんだよ。瑞貴だって浮気なんかしないでね?」
私が言うと、瑞貴は笑った。
「俺が凛ちゃん以外の女なんかに目を向けるわけないから、安心してよ。心配なら俺のスマホだって全部見せるし、隠し事なんてぜったいしないよ。だから凛ちゃんも俺に全部見せて欲しいな」
「ん?……うん?」
なんだこの流れ?
また、私の知らない瑞貴の顔が出てきたような気がしないでもないけど、まあなんだかんだこれからも私たちは仲良くやっていくのだった。
(終わり)
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2023/4追記:今回の入れ替わりは瑞貴が原因なんですが、その辺書こうと思いながら時が経ちすぎちゃいました( ;∀;)最後ちょっとヤンデレっぽくなっちゃったのは作者の性癖です(;^ω^)ヤンデレ大好き……
これからもこの二人は仲良くラブラブしていきます。
ここまで読んで頂き本当にありがとうございました♡あと女装のおまけ話で終わりです。
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