上 下
22 / 38

ヤンデレとクズ

しおりを挟む
ヤバい。こいつ、重たくなってブロックした、長文メッセのやつだよぉ!
こいつには下の名前しか教えてなかったし、もうあれで縁が切れたと思ったのに。
なんでこんなとこにいんのぉ!?

自分でもさーっと血の気が引くのが分かった。

だってこいつ、ヤベェんだもん。愛が重すぎてさ。

初めてヤった直後から急にベッタベタしてくんなあ、とは思ってたけど、まあちんこデカくて気持ち良かったし、それからも雄大と会えなかった時はヤってたんだけどさ。

毎回会うたびに花束だの、高そうな服とかプレゼントくれて、ヤりながら『湊くん、湊くんっ、可愛いよ、愛してるよ、大好きだよ』って連発してて。
最後の方なんか、寝落ちた俺の髪の毛、こっそり切って持って帰ろうとしてたしさ。

ブロックで絶対、怒ってるでしょ。ガチで何されるか分かんなくて怖いよぉ!

「ああ、でももう過ぎた事はいいよ。だってこうやってまた会えたんだからね。良かった、気が乗らなかったけど一応今夜参加しておいて。まさかここで湊くんと会えるなんて思わなかったよ。やっぱり俺たち運命で結ばれてるんだよ、もう絶対離さないから。上に部屋あるからそこで愛を確かめよう、ねっ?」

ひ、ひぇえええ。目がキマってるってば。やばいやばい。

「い、いいいい行かない。ブロックしたのはゴメンだけど、俺、もう付き合ってるやつ、いるんだって。だからムリ!もうアズマくんとは出来ないし、会えないよ。ゴメンね、俺のことは忘れちゃって!」

そう言って手を離させようとしたけど、力、つっよ!
全然、振りほどけないんだけど。
それどころか、今の言葉で墓穴を掘っちゃったぽい。

「・・・付き合ってる奴?」
「うわっ、いって、痛い痛い!アズマくん、そんな引っ張らないでってばぁ!」

顔色が変わったアズマに無理やり会場から連れ出されて、そのままエレベーターホールに引っ張って行かれる。
部屋になんか連れ込まれたら、絶対、監禁凌辱コースじゃん。

「そんなの許さないよ湊くん、そんな奴より俺の方が湊くんの事、愛してるって証明してあげる。すぐに分かって貰えなくても何年掛けたっていい。大丈夫、俺、お金はあるから何不自由ない生活をさせてあげるよ」
「ひぃ」

完全に目の据わったアズマに、さすがにマジでゾッとした。
雄大にも二度と会えないかもしんない。

「いやだぁ!離してよアズマくん!俺は、俺は雄大以外のやつとはもうヤんない!俺が思わせぶりだったのは、ホントに悪かったよ。自分勝手にブロックしちゃったのも謝る!ごめんなさい!だから、お願いもう離して」
「大丈夫、すぐに俺の事が一番だって思うようになるから。そんな奴の事なんて忘れさせてあげるからね」

ダメだ、やっぱ話、通じない。
エレベーター前で揉み合ってる内に、下からエレベーターが上がって来てポーンと音が鳴る。

「ほら、行くよ」
「やっ、やだぁああ!」

扉が開くのを絶望的な気持ちで見てたら、中に乗ってた奴とばちっと目が合った。

―――え。

「ゆ、雄大ぃ!?」

なんで、こんな所に雄大がいるの?

一瞬、呆然としたけどすぐに我に返って、必死で雄大に助けを求めた。

「たっ、助けて雄大!俺、こいつに拉致られそうになってんの!」
「――――湊、お前何だってこんなクソ乱交パーティなんかに参加してんだ。まだ躾が足んねぇの?このクソビッチが」

エレベーターから降りた雄大は、俺を助ける素振りもなく、冷たーい目でこっちを睨んだ。

なんでここにいんの?とかなんで乱交パーティって知ってんの?とか色々疑問は浮かんだけど、それより誤解解かなきゃ!

「違うよぉ!友達にどうしても着いて来てくれって言われて来たら、こんなんだったんだよぉ!乱交パーティなんて知ってたら絶対来てなかったってば!あっ、ちょ、やめてアズマぁ!?」

話してる途中なのに、雄大を無視したアズマにエレベーターの中に引っ張られた所で、やっと雄大はアズマの腕を掴んで止めた。

「おい、お前。俺のペットを勝手に連れて行こうとすんじゃねーよ。俺はこいつと話があるんだ。消えろ」
「・・・はぁ?お前、誰だ。湊くんをペット扱いなんて、どういうつもり?離せよ」

チャンス!

アズマが雄大に気を取られた隙に、渾身の力を振り絞ったら何とか掴まれた手首を外せた。

「あっ、湊くんっ」

急いでアズマから離れて雄大の後ろに避難する。

「いってぇ~。じんじんするぅ・・・とにかく雄大、助けて!俺、誓ってそんなつもりで来たわけじゃないから!お前としかヤだし、今だって全力で抵抗してたの見ただろ!」
「湊くん!戻って来なよっ、嘘だよね?そんなペット扱いされてもそいつの方がいいなんて!?俺なら一生君の事死ぬほど大事にするし、君のお願い事ならなんでも叶えてあげる!湊くんの大好きな所もいっぱい可愛がってあげる!ほら、俺のちん○大好きだったでしょ!?奥突いてあげたら可愛い声でいっぱい啼いてくれたじゃない。湊くんの事、世界で一番愛してるのは俺だよ!お願いだから俺と一緒に来てっ!」

うわっ、何でそんなことまで雄大の前で言うんだよぉ!?

そりゃ、あの時は盛り上がったし、気持ち良くてついそんなこと言っちゃったかもしんないけどさぁ、あんなのえっち盛り上げるためのリップサービスみたいなもんじゃん。

恐る恐る雄大を見上げると、ほらぁっ!やっぱり、めちゃくちゃ怒ってるっ。

「・・・ふーん・・・そうかよ」

雄大はそう呟いて俺のこと殺しそうな目で見てたけど、はぁ、と溜息を付くと、喚くアズマに向き直った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?

こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。 自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。 ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?

同一攻主によるR18短編集

BL
同一攻め主人公(♂)によるR18短編集。 エロばっかりの切り取りです。ヤリチンなのでとっかえひっかえ。 モラル無しですのでご注意下さい。 不定期更新です。

膀胱を虐められる男の子の話

煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ 男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話 膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)

男3人とセックスしないと帰宅できないDCの話

ルシーアンナ
BL
パパの言いつけを守らないと帰れない男子。 5話だけセリフのみです。

嫌がる繊細くんを連続絶頂させる話

てけてとん
BL
同じクラスの人気者な繊細くんの弱みにつけこんで何度も絶頂させる話です。結構鬼畜です。長すぎたので2話に分割しています。

クソザコ乳首くんの出張アクメ

BL
おさわりOK♡の家事代行サービスで働くようになった、ベロキス大好きむっつりヤンキー系ツン男子のクソザコ乳首くんが、出張先のどすけべおぢさんの家で乳首穴開き体操着でセクハラ責めされ、とことんクソザコアクメさせられる話。他腋嗅ぎ、マイクロビキニなど。フィクションとしてライトにお楽しみください。 ネタの一部はお友達からご提供いただきました。ありがとうございました! pixiv/ムーンライトノベルズにも同作品を投稿しています。 なにかありましたら(web拍手)  http://bit.ly/38kXFb0 Twitter垢・拍手返信はこちらから https://twitter.com/show1write

玉縛り玩具ランブル!?~中イキしないと解けない紐~

猫丸
BL
目覚めたら真っ白な部屋で拘束されていた。 こ、これはもしや『セックスしないと出られない部屋』!? ……は?違うの?『中イキしないと解けない紐』!? はぁぁぁぁぁ!?だから、俺のちんこ、しらない男とまとめて縛られてるの!? どちらが先に中イキできるのか『玉ちゃん(主人公)・丸ちゃん(彼氏)vs対馬くん・その彼氏』の熱い戦いの火蓋が切って落とされた!!!! えー、司会進行は『ウサギマスク』がお送りいたします。 ===== ワンライならぬ1.5hライで、お題が「玉縛り」だった時に書いた作品を加筆修正しました。 ゴリッゴリの特殊性癖な上に、ふざけているので「なんでもこーい」な方のみ、自己責任でお願いいたします。 一応ハッピーエンド。10,000字くらいの中に登場人物5人もいるので、「二人のちんこがまとめて縛られてるんだなー」位で、体勢とかもなんとなくふわっとイメージしてお楽しみいただけると嬉しいです。

処理中です...