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おまけ☆わんこで一途な年下騎士はむっつり絶倫でした
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「よし、じゃあ行こうかシャル。何もなければ次の街まで一日で着くらしいよ」
「そうね。天気も良いし、森を通らなければ魔獣と出くわす事もないと思うわ」
私とユーゴはそう言葉を交わすと、数日逗留した街を出た。
竜双樹の森を出て、もう幾日経ったのだろうか。
私もユーゴも初めての旅だったが、特に困難に遭う事もなく快適に旅を続けていた。今はいくつもの街を通り過ぎて、海の国に向かっている所だ。
これまで食料や日用品を買う以外使い道のなかった、国からの魔獣討伐報酬も沢山蓄えてあったし、薬師の作る程度の薬湯なら私も作れるので、それを売る事も出来る。
勿論、あまり高度な物を作ると魔女であると知れるので出来ないが。
野盗や魔獣の出る普通なら危険な道も、腕の立つユーゴがいるので心配ない。
「まぁでも、シャルの魔法の方が強いし、俺の出番なんてないんだけどね」
子供のように拗ねるユーゴに、
「それでもあなたが居てくれるだけで、心強いわよ」
そう言ったら、あっという間に機嫌を直して「もうシャル~可愛い事言ってくれるなあ」と抱き着いて来て、可笑しかった。
そんな風に和やかに旅は続いていて、何も問題はない。
そう、問題などないが、ただ、少し戸惑っている事はある。
それは……
「……んっ……駄目、もうユーゴ!まだ皆起きている時間よ、聞こえちゃうわ。それに昨日も、し、したばかりじゃない」
「だって、シャルが可愛すぎて我慢出来ないよ…大丈夫、なるべく静かに動くし、口塞いでおいてあげるから、ね?」
「そ、そういう事じゃ……んん」
熱っぽい目をしたユーゴに唇を塞がれながら圧し掛かられて、頑丈な筈のベッドが、ギシリと軋む。
特に問題なく次の街に着き、中程度の宿を取ったのだが、旅を始めてから戸惑っている事……というのがこれだ。
私もあの後色々調べて、世の中の愛し合う男女がこういう事をしているのはよく分かったが、それにしても頻度が多過ぎる気がしてならない。
今だって、宿に入ってすぐにベッドに押し倒されてしまったのだ。
こういう時のユーゴは普段とまるで違って、貪欲な獣のようで圧倒されてしまう。
でも……
「ああ、シャル、気持ちいいよ……大好き」
私の中に自身を埋めて、ユーゴが堪えきれないように吐息を漏らすと、背中がぞくりとした。
この事も戸惑いの一つだ。
ユーゴに敏感な所に触れられて、中に入ったまま動かれると……私も、その……昂りを感じるのだ。
初めての時にはなかったこの感覚にも、ユーゴが私を求める頻度にも、大いに戸惑っている。
「はぁ、んっ、ユーゴ……」
「シャルもここ……気持ちいい?」
「あっ、だめ、そこばっかりっ……」
私の変化には当然ユーゴも気付いていて、反応がいい所ばかり攻めたてる。
「可愛い、シャルナ。いっぱい可愛い顔見せて……」
「あっ、はぁ……」
ユーゴはいつも、私の顔を見たがる。
最初は恥ずかしくて嫌だったのだが、
「俺ので感じてるシャル、物凄く可愛い。ああ、もう堪らないよ。好き、好きだよ、愛してる」
……こんな風に、この上なく優しく愛おしそうに見つめられたら、私だって、胸がぎゅっとして堪らない気持ちになる。
「ユーゴ……私も好きよ。愛してるわ」
せり上がる想いに突き動かされるようにユーゴの首に腕を回すと、
「~~~~~~っ!シャル!」
急に動きの激しくなったユーゴに揺さぶられて、強烈な何かが駆け上って来る。
「あっ、ぁあっ!」
「う、くぅっ」
堪えきれないようにユーゴが呻いて、同時に私の中でも真っ白い光が弾けたような気がした。
「シャルナ、気持ち良かった?」
隣に寝転んだユーゴが、愛おしそうに私の髪を梳きながら言う。
事後のこの甘い空気には、まだ慣れない。
「……そういうのは言わなくても分かるでしょう」
特に最近の自分の乱れ具合を思い出すと、恥ずかしくて毛布を顔まで被ったら、
「もう可愛いなあ。でも隠さないでよ。シャルの顔ずっと見てたいんだから」
くすくす笑われて、やんわり毛布を剥がされてしまった。
「や、やめて。それより、その、思ってたんだけど……する回数が多いんじゃないの?こういう事ってこんなにするものなの?」
気を逸らそうと常々思っていた事を口にすると、ユーゴは急に焦り出した。
「えっ、シャルひょっとして嫌だった?ご、ごめん、俺、シャルが好き過ぎて傍にいるだけですぐ抱き締めたくなって……最近は気持ちよさそうにしてくれてるし嬉しくてつい、調子に乗ってた……シャルが嫌ならあの、もう少し我慢するから」
そしてハッとした表情で付け足す。
「ひ、ひょっとして、気持ちよさそうに見えたのも俺の勘違いだったりする?本当は良くなかったとか?」
「ふふっ」
大きな体を縮こまらせて、おろおろと狼狽える様が可愛くてつい笑ってしまったら、ユーゴは許しを請う子犬のように私を見上げた。
「シャル……?」
「別に嫌なわけじゃないわよ。それに、ユーゴの勘違いなんかじゃなくて……最近は私もその……気持ち、良いし」
最後の方は歯切れ悪く呟くと、ユーゴは感極まったように「んんんっ」とよく分からない声を上げながら抱き着いて来た。
「ああ、良かった!シャルもちゃんと感じてくれてたんだね。良かった、ほんとに。嬉しい」
「もう」
ちゅ、ちゅと、髪や頬に何度もキスして来るユーゴを、本当に子犬がじゃれついているみたいだと微笑ましく思っていたら、ふいに耳元で熱っぽく囁かれた。
「……じゃあ俺の、シャルの気持ちいい所にちゃんと届いてるって事だよね?そんなに小さくはないと思うけど、こういうのって相性があるらしいから、少し心配してたんだ」
ユーゴは言いながら私の耳たぶを軽く食み、片手で胸をまさぐり始める。
「ちょ、ちょっと。もう終わったでしょ。どうしてまた触ってるの……あっ」
敏感な所を摘ままれて思わず声を漏らすと、ユーゴは笑みを浮かべて言った。
「あれ?シャルこそ、どうしてそんな声が出ちゃうのかな」
「あなたがいやらしい触り方するからでしょ……!」
「ん?いやらしい触り方って?どういうの?教えてよ」
普段は、太陽みたいに明るくて人のいい笑顔しか見せないのに、今のユーゴは揶揄うような意地悪い顔で笑っている。
時々スイッチが入ったように、こんな風になるユーゴにも戸惑っているし、慣れない。
「ね、シャルナ。教えてってば。シャルの可愛い口から言ってみて欲しいな」
「……」
まるで自分が悪戯な子猫のおもちゃになってしまったような気がする。
だが、やられっ放しなのは癪だ。
そうだ。
確かこの前読んだ、閨の指南書に書いてあった……
ふと思い立って体を起こすと、私はユーゴの股間へ目をやった。
「っ……」
一度した後だというのに、そこはまた緩く勃ち上がりかけていた。いつもあまりはっきり見ないようにしているから、どきりと胸が跳ねる。
「なあに?ここ、見てみたかったの?いいよ、いくらでも見て、触ってよ。ほら」
楽しそうに見守っていたユーゴが、また悪戯っぽく笑って、私の手を取りそこに導く。
どきどきしながら触れると、それは別の生き物のように跳ねてどんどん固さを増して行った。
「ん、シャル……」
ユーゴの気持ちよさそうな顔に勢い付いて、私は意を決してそこに顔を寄せた。
「ん、えっ!?シャ、シャルっ!?」
恐る恐る、ユーゴの分身に舌を伸ばして、舐める。
ちょっとしょっぱい。
だけど、熱くて脈打っているそれもユーゴなのだと思うと愛おしくて、私は本に書いてあったように一生懸命それに奉仕した。
「うそみたい……どこでそんなの覚えたの。俺のをシャルが、うう、可愛い……」
ユーゴは時折『はっ』とか『う』と呻き声を漏らしながら、私の髪を優しく梳いていた。
「ねえ、それ咥えて欲しいな……」
「え、こ、これを?」
こんなに大きくて、とても口に入りきらないように思えるけど……
ちらりと見上げると、ユーゴは上気した顔で私をじっと見つめている。
「……だめ?」
うう……そんな目で見られたら、無理だと言えない。
「わ、分かったわ」
私はごくりと喉を鳴らすと、思い切って口の中にそれを入れた。
熱い。
それに口いっぱいで苦しい。
だけど、
「う、ぁっ……!」
堪えきれない吐息を漏らすユーゴが可愛い。
でもこの後どうしたら……?
歯を当てないようにするのが精一杯で、舌を動かす事も出来ずにいると、
「シャル、やっぱりもういいよ」
ユーゴが慌てたように私をやんわり引き剥がした。
「……満足出来なかった?」
どう考えても下手だっただろう。
少し自分に落胆しながらそう言うと、ユーゴは焦って私を抱き締めた。
「違うよ!満足に決まってる!じゃなくて、シャルの可愛い口で俺のを……されてると思うと、それだけでもう出ちゃいそうだったからだよ!」
「そうなの?」
ホッとしていたら、私を抱き締めていたユーゴの手が前に回って来て、あちこちまさぐり始めた。
「んっ」
思わず声を上げると、耳元で囁かれる。
「俺、どうせならシャルの中でいきたいよ……ねえ、いい?」
「……」
ああ、この声でそんな熱っぽく言われたら……
私の体にもまた、奥の方から熱が生まれて来るようだ。
こくん、と頷くと、ユーゴは「愛してる」と唇を塞いで来た。
「はぁ、はぁ……」
私の胸に密着しているユーゴの心臓が、全速力で駆けた時のようにどくどくしている。
でも、私の心臓も同じくらい跳ねていた。
今までの人生で感じた事のない、恍惚感と満足感。
この行為がこんなに気持ち良いものだなんて知らなかった。
余韻に浸っていると、荒い息のままユーゴが私に優しくキスして包み込むように抱き締めてくれる。
私もユーゴを抱き締め返しながら思う。
違う…この行為がこんなに良いのは、きっと相手がユーゴだから。
私の事をこの上なく大事に、愛してくれているユーゴだから、こんなにも私は満たされて喜びを感じられるのだ。
「ユーゴ、愛してるわ」
自然に口から出た言葉に、ユーゴが微笑む。
「俺も、愛してるよ、シャルナ」
そうして二人で抱き締めあって眠った次の朝。
私達が宿の食堂に降りて行くと、宿の女将が二人分の食事を並べながら話しかけて来た。
「お客さんたち、新婚さんかい?この辺には旅行で来たの?」
すぐにユーゴが、満面の笑みで食い気味に返す。
「そうです。俺達結婚したばかりで。海の国まで行くんですよ」
「あらそう、いいわねぇ」
まだ若い女将はそう言って微笑んだ後、少し声を落として済まなさそうにした。
「ごめんね。昨日私が居なかったから、ウチの朴念仁があんな部屋に通しちゃってね。新婚さんなら離れに部屋があったんだよ。そこなら誰に何を遠慮する事もなかったのにさ」
「っ……!?」
私は危うく口に含んでいたスープを吐き出しそうになるのを、すんでの所で抑えた。
とても、嫌な予感がする。
そんな私にお構いなく、
「今日も続けて泊まるなら部屋替えするから、言ってちょうだい。大丈夫、みんな新婚の頃はそうなんだからさ!気にしないで」
女将はそう言うと、さっさと席を離れて行った。
「あーじゃあ、女将さんの言う通り部屋替えて貰おうか?……シャルナ大丈夫?顔、真っ赤だよ?え?そ、そんなに急いで食べたら体に良くないんじゃない?シャルナ!?」
私はフードを頭から被ったまま、かつてない速さで朝食を平らげると席を立ち、言った。
「今日はもう出立しましょう。ユーゴも早く支度して。次の街へ行くわよ」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってシャル!?」
慌てて食事を詰め込むユーゴを後に、急いで部屋に戻ってドアを閉めると、私は頭を抱えてその場に蹲った。
「~~~~~~!!!!!」
そして、これから『そういうこと』になる時は、絶対に結界を張ってからにしよう、と決意したのだった。
(終わり)
※旅に出た後の一幕です。これにて本当に完結です!ここまで読んで下さり、またブクマなどリアクションして下さった方ありがとうございました🥰とても嬉しかったです💖✨
「そうね。天気も良いし、森を通らなければ魔獣と出くわす事もないと思うわ」
私とユーゴはそう言葉を交わすと、数日逗留した街を出た。
竜双樹の森を出て、もう幾日経ったのだろうか。
私もユーゴも初めての旅だったが、特に困難に遭う事もなく快適に旅を続けていた。今はいくつもの街を通り過ぎて、海の国に向かっている所だ。
これまで食料や日用品を買う以外使い道のなかった、国からの魔獣討伐報酬も沢山蓄えてあったし、薬師の作る程度の薬湯なら私も作れるので、それを売る事も出来る。
勿論、あまり高度な物を作ると魔女であると知れるので出来ないが。
野盗や魔獣の出る普通なら危険な道も、腕の立つユーゴがいるので心配ない。
「まぁでも、シャルの魔法の方が強いし、俺の出番なんてないんだけどね」
子供のように拗ねるユーゴに、
「それでもあなたが居てくれるだけで、心強いわよ」
そう言ったら、あっという間に機嫌を直して「もうシャル~可愛い事言ってくれるなあ」と抱き着いて来て、可笑しかった。
そんな風に和やかに旅は続いていて、何も問題はない。
そう、問題などないが、ただ、少し戸惑っている事はある。
それは……
「……んっ……駄目、もうユーゴ!まだ皆起きている時間よ、聞こえちゃうわ。それに昨日も、し、したばかりじゃない」
「だって、シャルが可愛すぎて我慢出来ないよ…大丈夫、なるべく静かに動くし、口塞いでおいてあげるから、ね?」
「そ、そういう事じゃ……んん」
熱っぽい目をしたユーゴに唇を塞がれながら圧し掛かられて、頑丈な筈のベッドが、ギシリと軋む。
特に問題なく次の街に着き、中程度の宿を取ったのだが、旅を始めてから戸惑っている事……というのがこれだ。
私もあの後色々調べて、世の中の愛し合う男女がこういう事をしているのはよく分かったが、それにしても頻度が多過ぎる気がしてならない。
今だって、宿に入ってすぐにベッドに押し倒されてしまったのだ。
こういう時のユーゴは普段とまるで違って、貪欲な獣のようで圧倒されてしまう。
でも……
「ああ、シャル、気持ちいいよ……大好き」
私の中に自身を埋めて、ユーゴが堪えきれないように吐息を漏らすと、背中がぞくりとした。
この事も戸惑いの一つだ。
ユーゴに敏感な所に触れられて、中に入ったまま動かれると……私も、その……昂りを感じるのだ。
初めての時にはなかったこの感覚にも、ユーゴが私を求める頻度にも、大いに戸惑っている。
「はぁ、んっ、ユーゴ……」
「シャルもここ……気持ちいい?」
「あっ、だめ、そこばっかりっ……」
私の変化には当然ユーゴも気付いていて、反応がいい所ばかり攻めたてる。
「可愛い、シャルナ。いっぱい可愛い顔見せて……」
「あっ、はぁ……」
ユーゴはいつも、私の顔を見たがる。
最初は恥ずかしくて嫌だったのだが、
「俺ので感じてるシャル、物凄く可愛い。ああ、もう堪らないよ。好き、好きだよ、愛してる」
……こんな風に、この上なく優しく愛おしそうに見つめられたら、私だって、胸がぎゅっとして堪らない気持ちになる。
「ユーゴ……私も好きよ。愛してるわ」
せり上がる想いに突き動かされるようにユーゴの首に腕を回すと、
「~~~~~~っ!シャル!」
急に動きの激しくなったユーゴに揺さぶられて、強烈な何かが駆け上って来る。
「あっ、ぁあっ!」
「う、くぅっ」
堪えきれないようにユーゴが呻いて、同時に私の中でも真っ白い光が弾けたような気がした。
「シャルナ、気持ち良かった?」
隣に寝転んだユーゴが、愛おしそうに私の髪を梳きながら言う。
事後のこの甘い空気には、まだ慣れない。
「……そういうのは言わなくても分かるでしょう」
特に最近の自分の乱れ具合を思い出すと、恥ずかしくて毛布を顔まで被ったら、
「もう可愛いなあ。でも隠さないでよ。シャルの顔ずっと見てたいんだから」
くすくす笑われて、やんわり毛布を剥がされてしまった。
「や、やめて。それより、その、思ってたんだけど……する回数が多いんじゃないの?こういう事ってこんなにするものなの?」
気を逸らそうと常々思っていた事を口にすると、ユーゴは急に焦り出した。
「えっ、シャルひょっとして嫌だった?ご、ごめん、俺、シャルが好き過ぎて傍にいるだけですぐ抱き締めたくなって……最近は気持ちよさそうにしてくれてるし嬉しくてつい、調子に乗ってた……シャルが嫌ならあの、もう少し我慢するから」
そしてハッとした表情で付け足す。
「ひ、ひょっとして、気持ちよさそうに見えたのも俺の勘違いだったりする?本当は良くなかったとか?」
「ふふっ」
大きな体を縮こまらせて、おろおろと狼狽える様が可愛くてつい笑ってしまったら、ユーゴは許しを請う子犬のように私を見上げた。
「シャル……?」
「別に嫌なわけじゃないわよ。それに、ユーゴの勘違いなんかじゃなくて……最近は私もその……気持ち、良いし」
最後の方は歯切れ悪く呟くと、ユーゴは感極まったように「んんんっ」とよく分からない声を上げながら抱き着いて来た。
「ああ、良かった!シャルもちゃんと感じてくれてたんだね。良かった、ほんとに。嬉しい」
「もう」
ちゅ、ちゅと、髪や頬に何度もキスして来るユーゴを、本当に子犬がじゃれついているみたいだと微笑ましく思っていたら、ふいに耳元で熱っぽく囁かれた。
「……じゃあ俺の、シャルの気持ちいい所にちゃんと届いてるって事だよね?そんなに小さくはないと思うけど、こういうのって相性があるらしいから、少し心配してたんだ」
ユーゴは言いながら私の耳たぶを軽く食み、片手で胸をまさぐり始める。
「ちょ、ちょっと。もう終わったでしょ。どうしてまた触ってるの……あっ」
敏感な所を摘ままれて思わず声を漏らすと、ユーゴは笑みを浮かべて言った。
「あれ?シャルこそ、どうしてそんな声が出ちゃうのかな」
「あなたがいやらしい触り方するからでしょ……!」
「ん?いやらしい触り方って?どういうの?教えてよ」
普段は、太陽みたいに明るくて人のいい笑顔しか見せないのに、今のユーゴは揶揄うような意地悪い顔で笑っている。
時々スイッチが入ったように、こんな風になるユーゴにも戸惑っているし、慣れない。
「ね、シャルナ。教えてってば。シャルの可愛い口から言ってみて欲しいな」
「……」
まるで自分が悪戯な子猫のおもちゃになってしまったような気がする。
だが、やられっ放しなのは癪だ。
そうだ。
確かこの前読んだ、閨の指南書に書いてあった……
ふと思い立って体を起こすと、私はユーゴの股間へ目をやった。
「っ……」
一度した後だというのに、そこはまた緩く勃ち上がりかけていた。いつもあまりはっきり見ないようにしているから、どきりと胸が跳ねる。
「なあに?ここ、見てみたかったの?いいよ、いくらでも見て、触ってよ。ほら」
楽しそうに見守っていたユーゴが、また悪戯っぽく笑って、私の手を取りそこに導く。
どきどきしながら触れると、それは別の生き物のように跳ねてどんどん固さを増して行った。
「ん、シャル……」
ユーゴの気持ちよさそうな顔に勢い付いて、私は意を決してそこに顔を寄せた。
「ん、えっ!?シャ、シャルっ!?」
恐る恐る、ユーゴの分身に舌を伸ばして、舐める。
ちょっとしょっぱい。
だけど、熱くて脈打っているそれもユーゴなのだと思うと愛おしくて、私は本に書いてあったように一生懸命それに奉仕した。
「うそみたい……どこでそんなの覚えたの。俺のをシャルが、うう、可愛い……」
ユーゴは時折『はっ』とか『う』と呻き声を漏らしながら、私の髪を優しく梳いていた。
「ねえ、それ咥えて欲しいな……」
「え、こ、これを?」
こんなに大きくて、とても口に入りきらないように思えるけど……
ちらりと見上げると、ユーゴは上気した顔で私をじっと見つめている。
「……だめ?」
うう……そんな目で見られたら、無理だと言えない。
「わ、分かったわ」
私はごくりと喉を鳴らすと、思い切って口の中にそれを入れた。
熱い。
それに口いっぱいで苦しい。
だけど、
「う、ぁっ……!」
堪えきれない吐息を漏らすユーゴが可愛い。
でもこの後どうしたら……?
歯を当てないようにするのが精一杯で、舌を動かす事も出来ずにいると、
「シャル、やっぱりもういいよ」
ユーゴが慌てたように私をやんわり引き剥がした。
「……満足出来なかった?」
どう考えても下手だっただろう。
少し自分に落胆しながらそう言うと、ユーゴは焦って私を抱き締めた。
「違うよ!満足に決まってる!じゃなくて、シャルの可愛い口で俺のを……されてると思うと、それだけでもう出ちゃいそうだったからだよ!」
「そうなの?」
ホッとしていたら、私を抱き締めていたユーゴの手が前に回って来て、あちこちまさぐり始めた。
「んっ」
思わず声を上げると、耳元で囁かれる。
「俺、どうせならシャルの中でいきたいよ……ねえ、いい?」
「……」
ああ、この声でそんな熱っぽく言われたら……
私の体にもまた、奥の方から熱が生まれて来るようだ。
こくん、と頷くと、ユーゴは「愛してる」と唇を塞いで来た。
「はぁ、はぁ……」
私の胸に密着しているユーゴの心臓が、全速力で駆けた時のようにどくどくしている。
でも、私の心臓も同じくらい跳ねていた。
今までの人生で感じた事のない、恍惚感と満足感。
この行為がこんなに気持ち良いものだなんて知らなかった。
余韻に浸っていると、荒い息のままユーゴが私に優しくキスして包み込むように抱き締めてくれる。
私もユーゴを抱き締め返しながら思う。
違う…この行為がこんなに良いのは、きっと相手がユーゴだから。
私の事をこの上なく大事に、愛してくれているユーゴだから、こんなにも私は満たされて喜びを感じられるのだ。
「ユーゴ、愛してるわ」
自然に口から出た言葉に、ユーゴが微笑む。
「俺も、愛してるよ、シャルナ」
そうして二人で抱き締めあって眠った次の朝。
私達が宿の食堂に降りて行くと、宿の女将が二人分の食事を並べながら話しかけて来た。
「お客さんたち、新婚さんかい?この辺には旅行で来たの?」
すぐにユーゴが、満面の笑みで食い気味に返す。
「そうです。俺達結婚したばかりで。海の国まで行くんですよ」
「あらそう、いいわねぇ」
まだ若い女将はそう言って微笑んだ後、少し声を落として済まなさそうにした。
「ごめんね。昨日私が居なかったから、ウチの朴念仁があんな部屋に通しちゃってね。新婚さんなら離れに部屋があったんだよ。そこなら誰に何を遠慮する事もなかったのにさ」
「っ……!?」
私は危うく口に含んでいたスープを吐き出しそうになるのを、すんでの所で抑えた。
とても、嫌な予感がする。
そんな私にお構いなく、
「今日も続けて泊まるなら部屋替えするから、言ってちょうだい。大丈夫、みんな新婚の頃はそうなんだからさ!気にしないで」
女将はそう言うと、さっさと席を離れて行った。
「あーじゃあ、女将さんの言う通り部屋替えて貰おうか?……シャルナ大丈夫?顔、真っ赤だよ?え?そ、そんなに急いで食べたら体に良くないんじゃない?シャルナ!?」
私はフードを頭から被ったまま、かつてない速さで朝食を平らげると席を立ち、言った。
「今日はもう出立しましょう。ユーゴも早く支度して。次の街へ行くわよ」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってシャル!?」
慌てて食事を詰め込むユーゴを後に、急いで部屋に戻ってドアを閉めると、私は頭を抱えてその場に蹲った。
「~~~~~~!!!!!」
そして、これから『そういうこと』になる時は、絶対に結界を張ってからにしよう、と決意したのだった。
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※旅に出た後の一幕です。これにて本当に完結です!ここまで読んで下さり、またブクマなどリアクションして下さった方ありがとうございました🥰とても嬉しかったです💖✨
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