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番外編 酔っ払い心くん④
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心をソファに座らせて、キャップを取ったミネラルウォーターを差し出す。たかが水なのに、心は嬉しそうにそれを受け取って、ごくごくといつもよりほんの少しだけ豪快に喉に流し込んだ。
「ぷはっ……お水、ありがとうございますっ」
「どういたしまして。体調は?本当に大丈夫?」
「はい!」
元気いっぱいに返事する心を愛らしく思いつつも、複雑な感情を胸に抱えていた俺は、心の隣に腰を下ろして、ニコニコした可愛い顔を覗き込んだ。
「心、今日はもう仕方がないけど、これからは紛らわしいものがあるときは、間違わないように気をつけるんだよ?」
こんな状態の心にお説教なんかして効果があるかはわからないが、それでも言わずにはいられなかった。未成年が飲酒してしまったことも問題だが、もう一つ心配事があるからだ。
心はまだ高校生だけど、例えば大学生になったら、サークルなどの飲み会だのなんだので、そこまで深い関係じゃない人と席を共にすることもあるだろう。そのうちの誰かが心に対して邪な気持ちを持っていたとして、そいつの前でこんな無防備な状態になったら……想像しただけでも肝が冷える。人がみんな、戸塚くんのように理性ある人とは限らないのだから。
「分かった?」
真面目な顔でそう言うと、心は表情を一変させて、しょぼんと眉を下げた。
「……ごめんなさい」
「謝らないで良いよ。ただ心配だったんだ。あ、でも、雅斗さんには謝ろうな?責任負わせる可能性もあったわけだし」
まぁ、心のことだから、酔いが覚めたら、土下座する勢いで謝るだろうけど。
でも一応ちゃんと言っておかないと。俺は心の恋人ではあるけど、根本的には保護者代理なのだから。
「……はい」
しゅんとうなだれる心。酔っ払っててもちゃんと反省できる良い子には、これ以上の説教は必要ないだろう。
俺は出来るだけ優しい表情をつくって、心に微笑みかけた。
「うん。じゃあ、真面目な話は終わりな」
「……もう怒ってない?」
「最初から怒ってないよ。言ったろ?心配だっただけだって」
「……じゃあ、そっち行っていい……?」
伺うように上目遣いをしてくる心に、俺は手を広げた。
心をソファに座らせて、キャップを取ったミネラルウォーターを差し出す。たかが水なのに、心は嬉しそうにそれを受け取って、ごくごくといつもよりほんの少しだけ豪快に喉に流し込んだ。
「ぷはっ……お水、ありがとうございますっ」
「どういたしまして。体調は?本当に大丈夫?」
「はい!」
元気いっぱいに返事する心を愛らしく思いつつも、複雑な感情を胸に抱えていた俺は、心の隣に腰を下ろして、ニコニコした可愛い顔を覗き込んだ。
「心、今日はもう仕方がないけど、これからは紛らわしいものがあるときは、間違わないように気をつけるんだよ?」
こんな状態の心にお説教なんかして効果があるかはわからないが、それでも言わずにはいられなかった。未成年が飲酒してしまったことも問題だが、もう一つ心配事があるからだ。
心はまだ高校生だけど、例えば大学生になったら、サークルなどの飲み会だのなんだので、そこまで深い関係じゃない人と席を共にすることもあるだろう。そのうちの誰かが心に対して邪な気持ちを持っていたとして、そいつの前でこんな無防備な状態になったら……想像しただけでも肝が冷える。人がみんな、戸塚くんのように理性ある人とは限らないのだから。
「分かった?」
真面目な顔でそう言うと、心は表情を一変させて、しょぼんと眉を下げた。
「……ごめんなさい」
「謝らないで良いよ。ただ心配だったんだ。あ、でも、雅斗さんには謝ろうな?責任負わせる可能性もあったわけだし」
まぁ、心のことだから、酔いが覚めたら、土下座する勢いで謝るだろうけど。
でも一応ちゃんと言っておかないと。俺は心の恋人ではあるけど、根本的には保護者代理なのだから。
「……はい」
しゅんとうなだれる心。酔っ払っててもちゃんと反省できる良い子には、これ以上の説教は必要ないだろう。
俺は出来るだけ優しい表情をつくって、心に微笑みかけた。
「うん。じゃあ、真面目な話は終わりな」
「……もう怒ってない?」
「最初から怒ってないよ。言ったろ?心配だっただけだって」
「……じゃあ、そっち行っていい……?」
伺うように上目遣いをしてくる心に、俺は手を広げた。
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