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ハッピーホワイトデー
いちいち口説いてくるの、やめて
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本来アメリカにはホワイトデーの習慣は無い。しかし今はネットで他国の文化についても調べられる。カザネと付き合うようになってから、日本の文化や風習について調べるようになったブライアンは
「3月14日はホワイトデーって言って、バレンタインのお返しをする日なんだろ? ちょうど学校も休みだし、バレンタインのお礼を兼ねてデートしようよ」
と学校でカザネを誘った。
「バレンタインのお礼って……確かに私もチョコをあげたけど、ブライアンのほうがたくさんくれたのに」
デートは嬉しいけど、お礼と言う形なら受け取れないとカザネは遠慮したが
「ものはそうかもしれないけど、カザネからは形の無い贈り物をたくさんもらったし」
「形の無い贈り物って?」
なんだか素敵なフレーズに、カザネは無防備に首を傾げた。しかしブライアンは意地悪な笑顔で
「学校で言っていいの? カザネのはじめて、たくさんもらったこと」
「そういう意味か! いいわけない~! 言わないで~!」
カザネは真っ赤になって慌てたが、もちろん冗談なので
「心配しなくても誰にも言わないよ。それでデートのお返事は?」
「……とても行きたいです。ホワイトデーじゃなくても」
照れ笑いで自分を見上げるカザネに、ブライアンは
「って、なんで抱きしめるの!? 学校だよ!? 人も居るのに!」
とつぜん抱きしめられたカザネはあわあわと抵抗した。しかしブライアンは彼女を抱きしめたまま見下ろして
「人前でもハグくらいは良くないか? どうせ付き合っていることはバレているんだし、他のカップルだってやっているんだし」
「ブライアンは注目度が違うからダメだよ……。人前で抱きしめられるなんて、恥ずかしくて死んでしまう……」
「俺のハニーはシャイだね。そういうところも好きだけど、触る機会が減るのは残念だな」
ブライアンは残念がりつつも、カザネの意向を尊重してくれた。
ホワイトデー当日。いつものようにブライアンが車でマクガン家に迎えに来てくれた。庭で待っていたカザネは、おばさんの勧めで小花柄のシャツワンピースとカーディガンを着ていた。カザネには珍しい、見るからに女の子らしい恰好を見たブライアンは
「へぇ? 今日は一段と可愛いな。俺のためにオシャレしてくれたの?」
「うん……だってデートだから、ちょっとは可愛いと思って欲しくて」
カザネは例によって変じゃないか、張り切りすぎじゃないかと心配していたが、
「ちょっとどころか、すごく可愛いと思っているけど? 前のお前も好きだったけどさ。色気ゼロだった子が自分と付き合うことで、徐々に色づいて来るのってグッと来るね」
妖しく頬を撫でて来るブライアンに
「昼間からそういう雰囲気はやめて!?」
カザネは恥ずかしさに後ずさったが、ブライアンはかえって面白そうに顔を近づけると
「そういう雰囲気って言われても分からないな。今どういうムードだとカザネは感じたの?」
「やめてぇぇ。恋愛初心者なんだよぉぉ。手加減してぇぇ」
ついでに言えば、ここはホームステイ先の庭なので気まずさが半端なかった。カザネの本気の『待った』を汲んだブライアンは明るく笑うと
「分かった、分かった。容赦してやるから車に乗りな」
カザネを車に乗せて目的地に向かった。
「3月14日はホワイトデーって言って、バレンタインのお返しをする日なんだろ? ちょうど学校も休みだし、バレンタインのお礼を兼ねてデートしようよ」
と学校でカザネを誘った。
「バレンタインのお礼って……確かに私もチョコをあげたけど、ブライアンのほうがたくさんくれたのに」
デートは嬉しいけど、お礼と言う形なら受け取れないとカザネは遠慮したが
「ものはそうかもしれないけど、カザネからは形の無い贈り物をたくさんもらったし」
「形の無い贈り物って?」
なんだか素敵なフレーズに、カザネは無防備に首を傾げた。しかしブライアンは意地悪な笑顔で
「学校で言っていいの? カザネのはじめて、たくさんもらったこと」
「そういう意味か! いいわけない~! 言わないで~!」
カザネは真っ赤になって慌てたが、もちろん冗談なので
「心配しなくても誰にも言わないよ。それでデートのお返事は?」
「……とても行きたいです。ホワイトデーじゃなくても」
照れ笑いで自分を見上げるカザネに、ブライアンは
「って、なんで抱きしめるの!? 学校だよ!? 人も居るのに!」
とつぜん抱きしめられたカザネはあわあわと抵抗した。しかしブライアンは彼女を抱きしめたまま見下ろして
「人前でもハグくらいは良くないか? どうせ付き合っていることはバレているんだし、他のカップルだってやっているんだし」
「ブライアンは注目度が違うからダメだよ……。人前で抱きしめられるなんて、恥ずかしくて死んでしまう……」
「俺のハニーはシャイだね。そういうところも好きだけど、触る機会が減るのは残念だな」
ブライアンは残念がりつつも、カザネの意向を尊重してくれた。
ホワイトデー当日。いつものようにブライアンが車でマクガン家に迎えに来てくれた。庭で待っていたカザネは、おばさんの勧めで小花柄のシャツワンピースとカーディガンを着ていた。カザネには珍しい、見るからに女の子らしい恰好を見たブライアンは
「へぇ? 今日は一段と可愛いな。俺のためにオシャレしてくれたの?」
「うん……だってデートだから、ちょっとは可愛いと思って欲しくて」
カザネは例によって変じゃないか、張り切りすぎじゃないかと心配していたが、
「ちょっとどころか、すごく可愛いと思っているけど? 前のお前も好きだったけどさ。色気ゼロだった子が自分と付き合うことで、徐々に色づいて来るのってグッと来るね」
妖しく頬を撫でて来るブライアンに
「昼間からそういう雰囲気はやめて!?」
カザネは恥ずかしさに後ずさったが、ブライアンはかえって面白そうに顔を近づけると
「そういう雰囲気って言われても分からないな。今どういうムードだとカザネは感じたの?」
「やめてぇぇ。恋愛初心者なんだよぉぉ。手加減してぇぇ」
ついでに言えば、ここはホームステイ先の庭なので気まずさが半端なかった。カザネの本気の『待った』を汲んだブライアンは明るく笑うと
「分かった、分かった。容赦してやるから車に乗りな」
カザネを車に乗せて目的地に向かった。
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