恋人は’77年型

深町珠

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愛の記憶

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愛を思い出して。

そう考えたわたしは、とりあえず独裁者で有名な
ある人物の周辺をリサーチした。

すでにセキュリティカメラもあり、その映像を転送して
機会を伺った。


本人を発見したら、座標を確認し、レーザーを発射。
そうすれば、彼の意識に
一時的に過去の記憶、生まれたばかりの頃や、初めて愛された頃の記憶が
次元を越えて蘇るはず。

記憶は、4次元。
ただ、思い出せないだけなのだ。




という、フェルディナンドの説なんだけど。
(笑)


とりあえず実験。




機会を伺って.....

数日待った。


当人は現れず、独裁者の息子、どこでもそうだけど
親の七光り、アホっぽい彼が現れたので、試しに撃ってみた。


spark!!!!!!!



当たったようだ。



衝撃に驚いたようだが、別にどう、と言う変化も見えないようだ。


「おかしいな」フェルディナントがつぶやく。



モニター映像をわたしは凝視。


何か、怒ってるみたい。
錯乱して、側近を罵倒してる。


どういうこと....?
音声を上げてみると。







母親をスラングで罵倒しているように聞こえる。


よくわからないけど。




「そうか.....彼は生まれてすぐ母親が亡くなったんだった。」フェルディナンドは、歴史をコンピューターで調べて。

生まれてからずっと、愛されてないと思い込んでいるのね....?


ちょっと不憫に思うけど、そういう彼に思い出す愛はない、と自身で思い込んでいる。


それで自棄で侵略するの?



病巣、心のそれは
意外に幼稚なものなのね。




フェルディナンドは、少し考えてから
例の神経回路改造システムを、レーザーガンにつないだ。



強制的に、彼の記憶をリセットしてしまおうと言う考えらしい。



古い精神医学療法にも
似た方法はある。
麻酔で睡眠させ、無意識の記憶を引き出し、そこに新しい意識を与える、と言う方法。


映画「時計じかけのオレンジ」で粗暴犯の矯正に使われたり。

カルト宗教の洗脳にも使われたような、ひとつ間違えると危険な方法。



でも、レーザーなら。


フェルディナンドは、そう考えた。


Bang!!!!!!




また、ショックを受けて
二代目の独裁者は、おもちゃみたいに倒れた(笑)。

本人もどうして倒れたかわからない様子で、でも
側近が、手を差し延べると
ありがとう、などと
礼を柔和に述べるので

側近が気味悪そうにしている。
その様子がおかしかった。


「効果はあるようだな」フェルディナンドは会心の笑み。



それで、二代目の精神改造は出来た....けど。


問題の原子力計画の方は
まだまだ問題が多い。

この国だけではないし、どこかの国にもし、核武装を企む人が現れたら。


その都度、狙撃(笑)する訳にもいかない。
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