67 / 86
Vicky
しおりを挟む
それには気づかずに、ミシェルは
そのスポーツカーに見とれていた。
小さなウィンドウ。
細い、ウッド・リムのステアリング、シフト・ノブ。
丸いメーターが7つの、メーターパネル。
黒い革張りのシート。
ボンネットが低く、前上がりに見えるサイドヴュー。
リア・ウインドウは、真っ直ぐに断ち切られていて。
「アルファ・ロメオみたい」
でも、それよりもシャープな感じがする。
ミシェルの後ろから、にこにこして眺めている紳士に気づき、振り向いた。
紳士は「やあ、いい車だ」
ミシェルは、その時までルグランの存在を忘れていたが。
「ルグランさん」と言うと、紳士は驚き
「よく知ってるね。この国ではあんまり・・・知っている人はいないけど。キミは?」
ミシェルは「あ、僕は・・・その、図書館で時々、お見かけするので・・・
ミシェルと言います。」
ルグランはまた、驚き「そうか。僕も、ミシェルなんだ。偶然だね。図書館に来るの?」
ミシェルは・・・言おうか、言うまいか。迷ったけれど。
木漏れ日の美しい、市民公園。
元は、ここは図書館だった。
風が、優しく吹きぬけていく。
思いを決して「あの、図書館にこのところ、土曜に行かないですね」と、ミシェル。
ルグランは「ああ、うん。仕事の都合でね。土曜に行かれなくて」
ミシェルは「それだけ?」と、少年らしく率直に。
ルグランは「そうだけど、何か?」ちょっとは、ルグランも・・・セシルの事が
気にはなっていた。
ミシェルは「図書館の・・・・カウンターの女の子が。」と、そこまで言ったけど。
ルグランが気遣って「かわいい子だね。セシルちゃん。君のガール・フレンドかい?」
ミシェルは、恥ずかしい。白い頬染めて「そんなんじゃありません」
ルグランは、その様子を見て・・・
「とってもいい子だね。誰にでも優しいし。君も、大切にしてあげて。」
ミシェルは、何をいいにきたんだろ、僕は。
そう思いながら
「セシルの名前を、どうして知っているの?」
ルグランは、微笑んで「ネーム・プレートに書いてあったから」
木漏れ日が、揺れる。
ミシェルは、意を決して「セシルが、淋しいみたいなんです。
ルグランさんに、会えないからって、思ってるみたい。
お時間のある時でいいですから。図書館に、行ってあげてください。」
ルグランは「・・・それだけでいいの?・・・そう。私もね。セシルちゃんに
会えないと淋しいって思っていたよ。それだけ。
でもね・・・君たちの思うような・・・その・・・恋とか。そういう気持じゃないんだね。
かわいいセシルちゃんが、可愛くしていてくれる。
それを見ているだけで、いいんだ。」
ルグラン自身、よくわからないのだけれど
でも、ミシェルの気持を考えると、そう言った方がいい。そう思った。
その時。
ふたりの前に、細い靴音。
エレガントなロング・スカート。
たっぷりしたブロンドをウェイヴにしたひと。
「ああ、ヴィッキー。」と、ルグランは笑顔で。
ヴィッキーは、綺麗なアルトで「こんにちは、ルグランさん。お友達?」
ミシェルは「はじめまして。ミシェルと言います」
ヴィッキーは、ころころと笑う。少女のようだとミシェルは、ちょっとときめく。
「ルグランさんと同じ名前」
ルグランも微笑み「偶然だね」
わたしの車、どうかした?とヴィッキー。
ルグランは、いや、とかぶりを振り「このボーイがね、かっこいい車だって」
ヴィッキーは笑顔になり「今度、乗せてあげる」と、言い
メタル・オーナメントのドア・ハンドルにキーを入れ、ドライバーズ・シートに収まると
かちゃり、と。ドアを閉じた。
ウィンドウ・レギュレータを回して、窓を開け「またね」と言って
イグニッションを入れた。
赤いランプがインストルメント・パネルに点灯し
セル・モータが回る。
電動ねじ回しのような、きゅるきゅる、と言う音がした。
ルグランは、かつて持っていたLotus super7のルーカス・スターターを連想した。
「いい音だ」
エンジンは、爆発的に掛かり
少し、ガソリンの匂いがした。
青紫の煙が、デュアル・エキゾーストから漂う。
「じゃね、ミシェルくん、また」と、ヴィッキーは笑って
クラッチを踏み、シフト・ノブを
かちゃり、と1速に入れて
静かに走り出した。
ふんわり、と
意外に柔らかなサスペンションが沈み
リア・タイアが回り始める。
コスミックの、アルミホイールがきらきらと輝いた。
オイルの匂いが少しして、ベレット1800GTは
エメラルド・グリーン・メタリックのボディを輝かせながら
坂道を下っていった。
「いいなあ、乗せてくれるって」と、ルグランは少年のような言葉で
ミシェルに語りかけた。
「はい!」と、ミシェルも、なんとなく楽しい気分になった。
ふたりのミシェルは、カストロール・オイルの燃える、その匂いと
ガソリンの匂いを残して、坂道を降りていった
ヴィッキーのベレット1800GTを、見送り・・。
すこし、風に吹かれていた。
ミシェルは「ルグランさんも、自動車がお好きなのですか」
ルグランは「はい。若い頃はね、Lotusを持っていたりしたね。」
ミシェルは「ロータスかー。かっこいいですね。どのロータスですか?」
ルグランは「super7」
ミシェルは心躍らせて「わぁ、7!レーシングカーみたいなの。すごいな」
ルグランはにこにこ「一度はね、凝るのもいいものだね。」
「そうですか?」と、ミシェル。
ルグランは頷き「まあ、立ち話もなんだから・・・時間はありますか?」と。
ミシェルは、モペッドを転がして行こうと思ったけれど、重い。
ルグランは「ああ、こうすれば自転車になる」と、ギア・レバーをFreeにした。
ミシェルは「なんだ、そうかー。」軽くなったモペッドを転がして。
ルグランと一緒に、川沿いの道から、少し入ったところの路地にある
ジャズ・クラブ。
昼間はカフェになっている、お店に入った。
「いらっしゃい・・・・ルグランさん!」と、色白、細面、髪はきれいなブロンドで
頬のところで断ち切られている。そんな、愛らしい女の子が
ルグランに駆け寄ってきた。
「やあ、マリエル。元気そうだね。」
マリエルはにこにこ。その微笑は、セシルの微笑みに似ているような
そんな気がした、ミシェルだった。
マリエルは、元気そうに頷き「学校もちゃんと行けてます。」
ルグランは「良かったねぇ」と、にこにこしながら「ああ、このボーイはね。私と同じ
ミシェルだ。自動車が好きなの。」
マリエルは「こんにちは、ミシェル。はじめまして。わたしはマリエル。ルグランさんに
お世話になっています。」
ミシェルも、こんにちは、と・・・挨拶した。
・・・・かわいい人だな・・・・。
と、思いながらも「めぐお姉さんと同じくらいの年かな」
とか、思ったり。
ルグランは、ミシェルと共に
窓際の丸いテーブルに掛けて。
誰もいないカフェは、まだ早い時間だから
静かに、ストリングスの音楽が流れている。
フランスの、イージー・リスニング。
レーモン・ルフェーブル、だろうか。
「何か、持ってきます」と、マリエル。
「はい」と、ルグラン。
ミシェルは・・・?「ここ、カフェだと・・・なにか頼まないと」
ルグランは「ああ、僕らはいいんだ。ヴィッキーの友達。ここはヴィッキーの店だから。」
ミシェルは「そうなんですか、では・・・。」と。ちょっと不思議な気持。
・・・・このルグランさんって、どういう人なんだろ?とか。
思ったりして。
カフェは、ジャズ・クラブらしく
どこかに芸術的な感じがする。
白い壁に、なにか、抽象のような絵が掛けられていたり。
グランドピアノがあったり。
天井から、細い線で灯りが吊るされている。
白いシェード。
モノ・トーンの室内。
ミシェルから見ても、落ち着いた雰囲気で
好ましかった。
そのスポーツカーに見とれていた。
小さなウィンドウ。
細い、ウッド・リムのステアリング、シフト・ノブ。
丸いメーターが7つの、メーターパネル。
黒い革張りのシート。
ボンネットが低く、前上がりに見えるサイドヴュー。
リア・ウインドウは、真っ直ぐに断ち切られていて。
「アルファ・ロメオみたい」
でも、それよりもシャープな感じがする。
ミシェルの後ろから、にこにこして眺めている紳士に気づき、振り向いた。
紳士は「やあ、いい車だ」
ミシェルは、その時までルグランの存在を忘れていたが。
「ルグランさん」と言うと、紳士は驚き
「よく知ってるね。この国ではあんまり・・・知っている人はいないけど。キミは?」
ミシェルは「あ、僕は・・・その、図書館で時々、お見かけするので・・・
ミシェルと言います。」
ルグランはまた、驚き「そうか。僕も、ミシェルなんだ。偶然だね。図書館に来るの?」
ミシェルは・・・言おうか、言うまいか。迷ったけれど。
木漏れ日の美しい、市民公園。
元は、ここは図書館だった。
風が、優しく吹きぬけていく。
思いを決して「あの、図書館にこのところ、土曜に行かないですね」と、ミシェル。
ルグランは「ああ、うん。仕事の都合でね。土曜に行かれなくて」
ミシェルは「それだけ?」と、少年らしく率直に。
ルグランは「そうだけど、何か?」ちょっとは、ルグランも・・・セシルの事が
気にはなっていた。
ミシェルは「図書館の・・・・カウンターの女の子が。」と、そこまで言ったけど。
ルグランが気遣って「かわいい子だね。セシルちゃん。君のガール・フレンドかい?」
ミシェルは、恥ずかしい。白い頬染めて「そんなんじゃありません」
ルグランは、その様子を見て・・・
「とってもいい子だね。誰にでも優しいし。君も、大切にしてあげて。」
ミシェルは、何をいいにきたんだろ、僕は。
そう思いながら
「セシルの名前を、どうして知っているの?」
ルグランは、微笑んで「ネーム・プレートに書いてあったから」
木漏れ日が、揺れる。
ミシェルは、意を決して「セシルが、淋しいみたいなんです。
ルグランさんに、会えないからって、思ってるみたい。
お時間のある時でいいですから。図書館に、行ってあげてください。」
ルグランは「・・・それだけでいいの?・・・そう。私もね。セシルちゃんに
会えないと淋しいって思っていたよ。それだけ。
でもね・・・君たちの思うような・・・その・・・恋とか。そういう気持じゃないんだね。
かわいいセシルちゃんが、可愛くしていてくれる。
それを見ているだけで、いいんだ。」
ルグラン自身、よくわからないのだけれど
でも、ミシェルの気持を考えると、そう言った方がいい。そう思った。
その時。
ふたりの前に、細い靴音。
エレガントなロング・スカート。
たっぷりしたブロンドをウェイヴにしたひと。
「ああ、ヴィッキー。」と、ルグランは笑顔で。
ヴィッキーは、綺麗なアルトで「こんにちは、ルグランさん。お友達?」
ミシェルは「はじめまして。ミシェルと言います」
ヴィッキーは、ころころと笑う。少女のようだとミシェルは、ちょっとときめく。
「ルグランさんと同じ名前」
ルグランも微笑み「偶然だね」
わたしの車、どうかした?とヴィッキー。
ルグランは、いや、とかぶりを振り「このボーイがね、かっこいい車だって」
ヴィッキーは笑顔になり「今度、乗せてあげる」と、言い
メタル・オーナメントのドア・ハンドルにキーを入れ、ドライバーズ・シートに収まると
かちゃり、と。ドアを閉じた。
ウィンドウ・レギュレータを回して、窓を開け「またね」と言って
イグニッションを入れた。
赤いランプがインストルメント・パネルに点灯し
セル・モータが回る。
電動ねじ回しのような、きゅるきゅる、と言う音がした。
ルグランは、かつて持っていたLotus super7のルーカス・スターターを連想した。
「いい音だ」
エンジンは、爆発的に掛かり
少し、ガソリンの匂いがした。
青紫の煙が、デュアル・エキゾーストから漂う。
「じゃね、ミシェルくん、また」と、ヴィッキーは笑って
クラッチを踏み、シフト・ノブを
かちゃり、と1速に入れて
静かに走り出した。
ふんわり、と
意外に柔らかなサスペンションが沈み
リア・タイアが回り始める。
コスミックの、アルミホイールがきらきらと輝いた。
オイルの匂いが少しして、ベレット1800GTは
エメラルド・グリーン・メタリックのボディを輝かせながら
坂道を下っていった。
「いいなあ、乗せてくれるって」と、ルグランは少年のような言葉で
ミシェルに語りかけた。
「はい!」と、ミシェルも、なんとなく楽しい気分になった。
ふたりのミシェルは、カストロール・オイルの燃える、その匂いと
ガソリンの匂いを残して、坂道を降りていった
ヴィッキーのベレット1800GTを、見送り・・。
すこし、風に吹かれていた。
ミシェルは「ルグランさんも、自動車がお好きなのですか」
ルグランは「はい。若い頃はね、Lotusを持っていたりしたね。」
ミシェルは「ロータスかー。かっこいいですね。どのロータスですか?」
ルグランは「super7」
ミシェルは心躍らせて「わぁ、7!レーシングカーみたいなの。すごいな」
ルグランはにこにこ「一度はね、凝るのもいいものだね。」
「そうですか?」と、ミシェル。
ルグランは頷き「まあ、立ち話もなんだから・・・時間はありますか?」と。
ミシェルは、モペッドを転がして行こうと思ったけれど、重い。
ルグランは「ああ、こうすれば自転車になる」と、ギア・レバーをFreeにした。
ミシェルは「なんだ、そうかー。」軽くなったモペッドを転がして。
ルグランと一緒に、川沿いの道から、少し入ったところの路地にある
ジャズ・クラブ。
昼間はカフェになっている、お店に入った。
「いらっしゃい・・・・ルグランさん!」と、色白、細面、髪はきれいなブロンドで
頬のところで断ち切られている。そんな、愛らしい女の子が
ルグランに駆け寄ってきた。
「やあ、マリエル。元気そうだね。」
マリエルはにこにこ。その微笑は、セシルの微笑みに似ているような
そんな気がした、ミシェルだった。
マリエルは、元気そうに頷き「学校もちゃんと行けてます。」
ルグランは「良かったねぇ」と、にこにこしながら「ああ、このボーイはね。私と同じ
ミシェルだ。自動車が好きなの。」
マリエルは「こんにちは、ミシェル。はじめまして。わたしはマリエル。ルグランさんに
お世話になっています。」
ミシェルも、こんにちは、と・・・挨拶した。
・・・・かわいい人だな・・・・。
と、思いながらも「めぐお姉さんと同じくらいの年かな」
とか、思ったり。
ルグランは、ミシェルと共に
窓際の丸いテーブルに掛けて。
誰もいないカフェは、まだ早い時間だから
静かに、ストリングスの音楽が流れている。
フランスの、イージー・リスニング。
レーモン・ルフェーブル、だろうか。
「何か、持ってきます」と、マリエル。
「はい」と、ルグラン。
ミシェルは・・・?「ここ、カフェだと・・・なにか頼まないと」
ルグランは「ああ、僕らはいいんだ。ヴィッキーの友達。ここはヴィッキーの店だから。」
ミシェルは「そうなんですか、では・・・。」と。ちょっと不思議な気持。
・・・・このルグランさんって、どういう人なんだろ?とか。
思ったりして。
カフェは、ジャズ・クラブらしく
どこかに芸術的な感じがする。
白い壁に、なにか、抽象のような絵が掛けられていたり。
グランドピアノがあったり。
天井から、細い線で灯りが吊るされている。
白いシェード。
モノ・トーンの室内。
ミシェルから見ても、落ち着いた雰囲気で
好ましかった。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
公爵令嬢は逃げ出すことにした【完結済】
佐原香奈
恋愛
公爵家の跡取りとして厳しい教育を受けるエリー。
異母妹のアリーはエリーとは逆に甘やかされて育てられていた。
幼い頃からの婚約者であるヘンリーはアリーに惚れている。
その事実を1番隣でいつも見ていた。
一度目の人生と同じ光景をまた繰り返す。
25歳の冬、たった1人で終わらせた人生の繰り返しに嫌気がさし、エリーは逃げ出すことにした。
これからもずっと続く苦痛を知っているのに、耐えることはできなかった。
何も持たず公爵家の門をくぐるエリーが向かった先にいたのは…
完結済ですが、気が向いた時に話を追加しています。
転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい
高木コン
ファンタジー
第一巻が発売されました!
レンタル実装されました。
初めて読もうとしてくれている方、読み返そうとしてくれている方、大変お待たせ致しました。
書籍化にあたり、内容に一部齟齬が生じておりますことをご了承ください。
改題で〝で〟が取れたとお知らせしましたが、さらに改題となりました。
〝で〟は抜かれたまま、〝お詫びチートで〟と〝転生幼女は〟が入れ替わっております。
初期:【お詫びチートで転生幼女は異世界でごーいんぐまいうぇい】
↓
旧:【お詫びチートで転生幼女は異世界ごーいんぐまいうぇい】
↓
最新:【転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい】
読者の皆様、混乱させてしまい大変申し訳ありません。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -
――神様達の見栄の張り合いに巻き込まれて異世界へ
どっちが仕事出来るとかどうでもいい!
お詫びにいっぱいチートを貰ってオタクの夢溢れる異世界で楽しむことに。
グータラ三十路干物女から幼女へ転生。
だが目覚めた時状況がおかしい!。
神に会ったなんて記憶はないし、場所は……「森!?」
記憶を取り戻しチート使いつつ権力は拒否!(希望)
過保護な周りに見守られ、お世話されたりしてあげたり……
自ら面倒事に突っ込んでいったり、巻き込まれたり、流されたりといろいろやらかしつつも我が道をひた走る!
異世界で好きに生きていいと神様達から言質ももらい、冒険者を楽しみながらごーいんぐまいうぇい!
____________________
1/6 hotに取り上げて頂きました!
ありがとうございます!
*お知らせは近況ボードにて。
*第一部完結済み。
異世界あるあるのよく有るチート物です。
携帯で書いていて、作者も携帯でヨコ読みで見ているため、改行など読みやすくするために頻繁に使っています。
逆に読みにくかったらごめんなさい。
ストーリーはゆっくりめです。
温かい目で見守っていただけると嬉しいです。
はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。
私の婚約者には、それはそれは大切な幼馴染がいる
下菊みこと
恋愛
絶対に浮気と言えるかは微妙だけど、他者から見てもこれはないわと断言できる婚約者の態度にいい加減決断をしたお話。もちろんざまぁ有り。
ロザリアの婚約者には大切な大切な幼馴染がいる。その幼馴染ばかりを優先する婚約者に、ロザリアはある決心をして証拠を固めていた。
小説家になろう様でも投稿しています。
ブラフマン~疑似転生~
臂りき
ファンタジー
プロメザラ城下、衛兵団小隊長カイムは圧政により腐敗の兆候を見せる街で秘密裏に悪徳組織の摘発のため日夜奮闘していた。
しかし、城内の内通者によってカイムの暗躍は腐敗の根源たる王子の知るところとなる。
あらぬ罪を着せられ、度重なる拷問を受けた末に瀕死状態のまま荒野に捨てられたカイムはただ骸となり朽ち果てる運命を強いられた。
死を目前にして、カイムに呼びかけたのは意思疎通のできる死肉喰(グールー)と、多層世界の危機に際して現出するという生命体<ネクロシグネチャー>だった。
二人の助力により見事「完全なる『死』」を迎えたカイムは、ネクロシグネチャーの技術によって抽出された、<エーテル体>となり、最適な適合者(ドナー)の用意を約束される。
一方、後にカイムの適合者となる男、厨和希(くりやかずき)は、半年前の「事故」により幼馴染を失った精神的ショックから立ち直れずにいた。
漫然と日々を過ごしていた和希の前に突如<ネクロシグネチャー>だと自称する不審な女が現れる。
彼女は和希に有無を言わせることなく、手に持つ謎の液体を彼に注入し、朦朧とする彼に対し意味深な情報を残して去っていく。
――幼馴染の死は「事故」ではない。何者かの手により確実に殺害された。
意識を取り戻したカイムは新たな肉体に尋常ならざる違和感を抱きつつ、記憶とは異なる世界に馴染もうと再び奮闘する。
「厨」の身体をカイムと共有しながらも意識の奥底に眠る和希は、かつて各国の猛者と渡り合ってきた一兵士カイムの力を借り、「復讐」の鬼と化すのだった。
~魔王の近況~
〈魔海域に位置する絶海の孤島レアマナフ。
幽閉された森の奥深く、朽ち果てた世界樹の残骸を前にして魔王サティスは跪き、神々に祈った。
——どうかすべての弱き者たちに等しく罰(ちから)をお与えください——〉
冒険がしたい創造スキル持ちの転生者
Gai
ファンタジー
死因がわからないまま神様に異世界に転生させられた久我蒼谷。
転生した世界はファンタジー好きの者なら心が躍る剣や魔法、冒険者ギルドにドラゴンが存在する世界。
そんな世界を転生した主人公が存分に楽しんでいく物語です。
祝書籍化!!
今月の下旬にアルファポリス文庫さんから冒険がしたい創造スキル持ちの転生者が単行本になって発売されました!
本日家に実物が届きましたが・・・本当に嬉しくて涙が出そうになりました。
ゼルートやゲイル達をみことあけみ様が書いてくれました!!
是非彼らの活躍を読んで頂けると幸いです。
異世界でゆるゆる生活を満喫す
葉月ゆな
ファンタジー
辺境伯家の三男坊。数か月前の高熱で前世は日本人だったこと、社会人でブラック企業に勤めていたことを思い出す。どうして亡くなったのかは記憶にない。ただもう前世のように働いて働いて夢も希望もなかった日々は送らない。
もふもふと魔法の世界で楽しく生きる、この生活を絶対死守するのだと誓っている。
家族に助けられ、面倒ごとは優秀な他人に任せる主人公。でも頼られるといやとはいえない。
ざまぁや成り上がりはなく、思いつくままに好きに行動する日常生活ゆるゆるファンタジーライフのご都合主義です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる