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カフェ
しおりを挟むたのしく学習しながら(笑)
ふたりは、カフェに。
シトロエンを、店の前にパーキングして。
木格子のドアは、開け放たれている。
黒板みたいな看板が、頭上に。
優雅な筆記文字で、cafe rulie と。
「るぅりぃ...?」と書いてあるのかな、と、友里恵は首を傾げて。
長い髪と細い首、ちいさい頭。小鳥みたいにかわいいな、と
輝彦は思う。
「うん、そうも読めるね。フランス読みなら。ローマ字だと瑠璃恵、かな」
と、輝彦は楽しそうに。
「あたしと似てるねー。」(笑)と、元気な友里恵は
弾むように、レンガの階段を下りていく。
正面に、ちいさいテーブルがあって。
右手にグランドピアノ
奥にキッチン、その手前にテーブル。
趣のあるジャズ・クラブっぽいけれど
今は生演奏はあんまりしていない。
代わりに、奥にあるステレオで
レコードを掛けている。
「わぁ、ステキ!」って、友里恵は
グランドピアノの傍へ。
奥から、いらっしゃい、と顔を出したのは
由布子。
時々店に出ているひと、だけれども
本業は英語の翻訳、とかをしているらしい。
すっきり日本的美人で、ストレートの黒髪は、ミディアム。
無地のさっぱりとした服が好きらしい。
「ひさしぶり」と、輝彦が言うと
「元気にしてらした?」と言う由布子。
輝彦よりちょっと、年上に見える。
「あ、この子はね、バイト仲間だった...友里恵ちゃん。、こちらは、沢口由布子さん...だっけ(笑)」と
紹介するあたり、お店に来た、って言うか
旧いお友達のところに来た、感じ。
「はじめまして。加賀野、友里恵です。さっき卒業式でした。」と
制服のままじゃなくて、おしゃれして来たかったなー、と
お店の白壁を見回して(笑)
かわいいのね、友里恵ちゃん。、と由布子が言うと
友里恵はエヘ、と、舌を出した。
「また、今度は随分かわいいガールフレンドね。」と由布子が言うと
誰も客がいないことをいい事に、グランドピアノを適当に弾いていた、友里恵は
「フィアンセでーす。」なんて、にこにこして言うので、由布子は
「ほんとにかわいいのね。」と、にこにこ。
どういう事か、だいたい理解したようで
旧い友達は有難いと輝彦は思った。(笑)
「そんなに古いお友達、なの?」
友里恵は、スパゲティ・カルボナーラを
頂きながら
由布子と、楽しくおしゃべり。
「そう!だいたい、そうね。わたしが
友里恵ちゃんくらいの頃からかな。」
そーなんだ、と、楽しそうな友里恵。
ふたりが和やかなのを見ながら
輝彦は、プレーン・オムレットと
エスプレッソ。
ここの名物だ。
「じゃあ、おふたりは恋人だったとか?」と
友里恵は、もちろん冗談で。
由布子は、笑顔で「そんな事ないのよ。」とかぶりを振った。
そう、長い年月。いろいろあったけど
それはなかったな。と
不思議な感慨を輝彦は憶えた。
「あ、でも。時々かわいい女の子つれて。
やっぱりかわいい子が好きなのねって、思ったけど」と
由布子は、いたずらっぽく。
「浮気はダメです、旦那様。」と、友里恵は
時代劇みたいな口調で(笑)。
「あら、ヤキモチしないの?」由布子は楽しそう。
「だってぇ、フィアンセだもーん。それに、
アタシと出会う前じゃ、仕方ないよ。年上だし」
友里恵は、どこまで本気なんだか分からない(笑)。
「あっさりしてるのね、わたしだったら
過去にまでヤキモチ焼いちゃう」と、由布子も楽しそう。
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