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経営

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それは、バイトだからそう思うので

経営となると、若い友里恵には少し荷が重過ぎるなと

輝彦は思う。


だいたい、古株のパート主婦の万引き(笑)

が更にひどくなるだろう。
弁当や、冷凍食品などをわざと多く注文し、賞味期限が近いものを

廃棄として、自宅に持ち帰るのだ。
それで、コンビニチェーン本部の者が監査し

発注を本部で行うようになっていた。から、

犯行は薄々発覚していたのである。


それを知って、友里恵に

この店を買い取る事を提案したのかもしれない。


ならば、この話は破棄すべきだと

輝彦は思う。
もしかすると、前店主の自殺も

それが関連しているのではないだろう?かと

輝彦は、探偵の虫が動き出すのを感じた(笑)

しかし、友里恵のために
周りの男は動かないのだろうか?

父や兄は、輝彦自身をどう考えているのだろう。
普通なら、33歳の男に17歳の娘が仲良くしていると聞けば
嫌悪するのではないだろうか。

「お父さん、さ、こないだ店に来たよね」と輝彦は尋ねた。

「ああ、あれ。あたしが話すから、家で。でもね、心配したけど
あの人なら大丈夫だ、悪い人じゃあないよ、って。おとーさんもおにーちゃんも」


それは、妙に信用されたものだと輝彦は思う。

「そっか。」とだけ答える。

このまま、友里恵の気持ちが変わらなければ、僕は
土着して生きていくのかな。

そんな風にも輝彦は思う。それもそれで悪くないような気もする。

ただ...この店はいずれ潰れるだろうから。
ここを引き受けるのは避けたほうがいいな。


それは、いつか友里恵に告げたほうがいいだろう。



そう思いながら、楽しい日々は過ぎた。
クリスマスが来たりして、皆で店を飾りつけたり。
サンタさんの格好をして、ケーキを売ったり。

学芸会のようで楽しいな、と輝彦も思う。

そういうお店でやっていけたらいいのだけど。


ふと気になったのは、前店主の自殺の原因で
いろいろ調べてみると、不可解に
バイトの大学生と恋愛してしまった事が
やっぱり原因らしかった。

そういう秘密を共有していたので、悪玉のパート主婦たちを
解雇できなかったらしい。


呪われてるのかな、やっぱり(笑)

そういえば、自分が友里恵に惹かれる、と言うよりは
友里恵が懐いてくるので情が移った、と言う感じ。

好みでいうと、JKよりは
もう少し落着いた大人の方がいい、と輝彦は思ったりもしたが
それはそれで、拒否する理由でもないし
無邪気に信頼している子を裏切ることもできない。




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