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深町珠

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DAX

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*バイクと思い出 その6*

で...

グループのひとり、シンイチの兄貴がDAXを持っていて、
彼の家は割とフランクな家で(公務員だが。笑)。

このDAXを持ち出して良く、母校である小学校のグランド裏の空き地で
モトクロスごっこをして遊んだ。

当時は、そんなことをしても大人たちも「また悪さしとるな」ぐらいの感じで
今見たいにヒステリーババアが出て来たり、したり顔して
「お前らの為だ」と言いながら警察呼んだりする意地悪オヤジなんかも居なかった。


もちろん、教師たちもそうだったから
見つければ注意はしたものの、わざわざ事を荒立てて僕らの経歴を汚すような
事は避けた。
僕らもそんな思いやりが判っていたから、それ以上は何もしなかった。


まあ、思いやられていると判ればその思いをそうそう裏切れるものじゃないし
ただ、バイクに乗ってみたかっただけだから。


僕らは、田舎町でのびのびと遊んだ。



このシンイチは、割と芸術系のヤツで
流行っていた映画とかを見て、結構感化される癖もあった。


この頃、「小さな恋のメロディ」(ビージーズのアレだ)を見て

そんな恋への憧れだったか、クラスメートのフミコにラブレターを書く、
という快挙(暴挙?)に出た。

このフミコという子、特に美人でもなく可愛いという事もなく
ただただ、フツーの子だが

でも、髪だけは長かったので、シンちゃんは
映画を見て、髪の長い女の子にあこがれたのだろう、と皆は思った。


そのラブレターがどんなものか、僕らはとても興味があった。
当然、本人が見せてくれる筈もないが....

でも僕らは、シンちゃんの家に遊びに行った時。
ふざけて紙くずをなげっこしていて、偶然。

額縁にあたった。


額縁の裏から、落ちてきた封筒。


「なんだ、これ?」

開封済み。




君の瞳は誰も知らないカリブの海のさざなみのよう。
僕は...(以下、恥ずかしくて書けず)。(笑)


いや、笑っては悪いとは思ったが皆、大爆笑。

恋は盲目、とは良く言ったものだが....


ジャニス・イアンの「Love is blind」が流行ったのも丁度この頃だったと思う。
(笑)



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