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2004/7
しおりを挟む日記 199x年...
[vs RZ]
そんな俺はこの頃、よく走りに行った。
仲間うちでコーナーに名前つけた奴も何人か居たが
まあ、そういう奴ってのはどっかしらキレてるんで
なんとなく予感があるから、特に驚きはしなかった。
そんな頃、友人のひとりが250のオートバイがほしいと言ったんで
RZ250Rを勧めたら、こいつが改造マニアなんで...
ご多分に漏れず、350ccに改造の上、チューニングまでして
まあ、ライトチューンだったが60psくらい、と言う代物。
もともとのRZ250が乾燥で140kgくらいのボディだったから
かなりのパフォーマンスだった。
140÷60=2.3
180÷90=2
概算でもRZVと対して変わらず、乗ってみてもそういう印象だった。
排気量が少ないが、エンジンが軽いからシャープで軽快なコーナリング。
こっちの方が面白いかな、とも思った。
ある日、一緒に走りに行こうと言う話になった。
まずはヒル・クライム。
タイト・コーナーの多い登りでも、速度が100を割るようなコーナーばかりだと
RZVにもアンダー・ステアの傾向が出にくい。
でも、RZも加速の鋭さとコーナー・ワークの軽さで
ほとんど互角、長い直線が続くと離される、と言う感じで
先行させるとちょっと適わない。
この日はヒルクライム、富士山に行ったのだが
ここは低速コーナーが多く、勾配もきつい。
先行させて後追いで様子を見ると、奴はコーナーリングが得意ではなくて
上半身だけをリーン・インさせてマシンまかせで曲がっている。
それでもかなり速いのは、RZのバランスが良いからだろう。
思い切ってアクセルを開けてもトルクが適当で
回転馬力の傾向が強いから綺麗にニュートラル・ステアで
コーナリング・スピードはどんどん高くなる。
俺はというと、ブラインド・コーナーばっかりのこのコースでは
先が見えず、アクセルを開けられずに
リア・ステアを使う領域にトルクを持ち込めない有様。
そうかと言ってただコーナリング・スピードだけを高めても
この頃はミシュランのA49だったが、ノーマルのバイアスタイアじゃあ
フロントのグリップ不足で思うように立ち上がれない。
パワー・バンドに持ち込んで立ち上がりにフルパワーを掛けようにも
ブラインド・コーナーでそれをやるほど無謀な性格ではない。
(それをやってしまう奴が公道では速い事が多いが、下手をすると
コーナーに名前をつける羽目になる)。
だから、奥まで突っ込んで舵当ててリアタイアを蹴り出し、
直線的に立ち上がっては居たが
この走りだと殆どギアは1stばかり。
つまりは、立ち上がりでタイアがパワーに負けてアンダーステア、
と言う事になってしまって、結局かなりヤバイ。
面白い事にRZVではテール振り出してズルズル、なんて状態には
ほとんどならず、普通にアクセル開けていくと
たいていは前輪のグリップが足らずに弱アンダーでアウトに孕んでゆく傾向
があるから、それを計算してラインをインよりに取らなくてはならず
そうすっとかなりターン・インが厳しい。
だから、フル・ブレーキしてひょいとハング・オフする反動でステア入れ、
同時にステップを外に押してアクセル当てて
シートにのっかりながら加速...
うまい事パワー・バンドに乗れば弱アンダーで
乗れなかったら立ち上がりが遅い。
こういう、かなりクリティカルなバランスでコーナーしていた。
前をどんどん逃げて行く、どう見てもあまりライディングが上手には見えない奴の
背中に腹立てて早い時期に全開なんかしようものなら
大アンダーステアする。
サスのセッティングをどういじってもダメだったのは
ま、当時のサス、セッティングといっても
プリロードとダンパーの堅さ、くらいだったからだろうと思う。
(今なら、フロントにグリップのいいラジアルを入れれば良いので
そうすればバイクまかせでかなり楽に走れるが)
この時も、立ち上がりライン重視でライディングし、
直線になると、フル・パワーで一気に追い抜き
ブラインドで追いつかれると言う、その繰り返しだった。
ブラインド・コーナーに平気で突っ込める奴の性格が羨ましかったが
事実、奴はバイクで何度も事故っているタイプだったから
俺は、どうしたって不利だった。
その事が嫌だったが
でも、フジさんのようにはなりたくなかった。
もとよりRZVはGPレプリカ、公道のブラインドなんかは
不得意なのだ。
コースの見通しさえ良くて、全開にできるポイントさえあれば勝てる。
そう思ったが、この富士山のコースじゃあ
最後までブラインドで
辛うじて登坂路線でパワーの差を見せてやるだけだった。
ヒル・クライムだって
コース幅があって見通しさえよかったら
350なんかはぶっちぎりで勝てる。
そう思ったが、それを実証できるコースはここじゃなかった。
なんとも、歯がゆい結果。
,,,,,今度は高速コースで走ろう。
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