鉄道学校2年F組

深町珠

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干したお芋

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駅に戻ってみると・・・
「いっぱい、もらっちゃったー」と、れーみぃ。にこにこ。
もともと、まんまるな顔が、もっとまんまる(^〇^)


リサは「物乞いなんてするなよ」と、ちょっとからかう。

れーみぃは「みぎーや、ひだりーのー、だんなさまー。
あわれなわたしに、おめぐみをー。」

ゴザ敷いて、空き缶置いて。

Naomiは、機関区から戻ってきて「何やってんだ、あいつ」(^^)。


めぐは、空き缶にコインを入れて。ちゃりん。

拝む。目を閉じて。まじめーに。
前髪が俯くと、斜めに下がって
かわいらしい。

リサは「それも違うような・・・。」と、考えるポーズ。


れーみぃは「ありがとうございますー」と、ゴザに額を付けて。

めぐは「面をあげーい!」



駅のおばあちゃんたちが「おんもしろいねー。あんだら。劇団かいな?」


リサは「いえいえ。ちょっと、この子ヘンなので」

めぐは「面をあげーい!」

Naomiは「いつまでやってんの」と、めぐに。



おばあちゃんは、にこにこ。とことこ・・・と、待合室へと、



風さわやかな夏の北国。


れーみいは、ゴザを引き摺って・・・。

リサは「どこから持ってきたんだ、それ」


れーみぃは「あっち」と、指差した。

駅前の、角の空き地になぜか。


リサは「勝手にもってきちゃダメだよ」

れーみぃはにこにこ「あーい」

ゴザ引き摺って、元のところに戻した(^^;


時々、遠くから列車の音がする。

かたかたん、かたかたん・・・。

しゅー・・・・。
電気機関車が引く、客車列車だった。

傍らの側線に、まだ動態の蒸気機関車。

Naomiは、それを見て「待っててねー。きっと、走れるようにしてあげる」


自分たちの試みが成功すれば。保存機関車が増えるのだ。
全部、ではないものの。
国鉄の、赤字ローカル線の幾つかが
保存鉄道として残るのだ。



リサは、そんなNaomiを見て「何、考えてるの?」
言問い顔。砂混じりの道を歩きながら。

Naomiは「いや、あの、側線のSLね、走れるようになるといいな、って。」
マジメな顔で。

リサは、少し考えて。「うん、まずは・・・わたしたちが、成功しないと。」


れーみぃは「え、性交するの?!」

と、ニカっ、と笑って。ふたりの前に。


リサは「きーさーまーはー!待て、コラ!」と、
駆け出したれーみぃを追いかけた。


早い早い。
小柄でころころちゃんのれーみぃだけれども、なぜか早い。

めぐは「がんばれがんばれ、れーみぃ」


Naomiは笑って「なんで、れーみぃを応援するの?」

めぐは「かわいいもん」



Naomiは「そんなもんかいな」と。笑顔で

考えても仕方ないか。と。
じゃりじゃり・・・と。土の道を歩いて。工場へと戻った。


工場に、おばあちゃんが来ていて。
白い、バンが停まってた。

工場の入り口に、斜めに。
おばあちゃんは、畑の帰りかな。
野良着のまま、ひさし付き帽子だけ取って。

「おーおー。ばあちゃん、きたよ」
と、ニカっ、と笑う。

めぐは「おばあちゃん、ありがとー。」
れーみぃは、貰ったものを抱えて「いっぱい貰っちゃったー。」


おばあちゃんは「おー、こりゃ大漁だ。後で作ってやっから。」
乾物やら、お野菜やら。
お芋の干したのとか。

「干したお芋は食えっど」と。
さっきの石油缶のとこに行って「まだ、あったけーかな?」

石炭に掛けてあった灰を払って。

金網を、どっかからか持ってきて。
石油缶に渡して。

その上に、お芋を並べた。

ぱちぱちぱち・・・と。温まって。
お芋に、いい匂い。

あまーい。


「おいしそ」と、めぐ。にこにこ。

「ほんと」と、れーみぃ。

「スルメないかな」と、リサ。

「酒か?」と、Naomi。

ははは、と・・・。笑いながら。お三時。
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