タビスルムスメ

深町珠

文字の大きさ
上 下
290 / 361

いくわよー。

しおりを挟む
特急「ゆふDX」号、博多ゆきは
重厚に、久大本線を上っている。

賀来を過ぎると、川に沿い、高台を進む。

右手が山の手、左が川。


友里絵は「伯母ちゃん、居るかなぁ」

愛紗は「さあ・・・この列車は停まらないから、明日にでも行こうかなって」

菜由は「そだね」就職のハナシは、今はしないで置こう。
そういう親友らしい気遣いだった。

どのみち、答えは出ないのだけど・・・でも、愛紗は
タマちゃんとの接点で、大岡山に居るんじゃないかな、なんて菜由は思ったり。

なんたって、それがキッカケで石川と知り合えたのだから。

愛紗に恋しちゃった若い社員が、しつこく迫っていたのを

石川が「やめろ、嫌がってるだろ」と、追い払った。

その男らしさに感銘した菜由だったから。

菜由も、ずっと前はタマちゃんを気にしていたりしたのだし。




パティが微睡からめざめて、大きな青い瞳を開く

「ん・・・・?」と、まぶたをこすりこすり。

「アレ。・・・?なにしてんだろ、あたし」とあたりを見回して。

友里絵が「おはよ」と、にこにこ。



パティは、まだ思い出せない「えーと・・・・熊本から乗ってぇ。宮地で・・・ともちゃん
に会って。・・・。」

すこしリクラインさせてたシートから背中を起こして。
ブロンドの長い髪、ふわり。
首筋は、華奢で、意外と頭もちいさめ。


さかまゆちゃん、にっこり「ここにいるわよ」(^^)。


パティは「ああ、由布院に帰るんだっけ?」


友里絵は「そうそう。あたしがご飯に誘ったの!」


パティ思い出す。「あ!そーだった。KKRのご飯、美味しいから!」


ともちゃん「そうそう(^^)あたしらも泊まりだから」


友里絵「それで一緒にって。」

パティ「そうでしたー。寝ると忘れちゃう!」と、にこにこ。


ともちゃんは「ここにいるよー」と、にっこり。

列車が向之原に到着、2番線。乗降はなし。

単線なので、行き違いの停車と言う感じ。


山を下ってきたのは、赤い客車列車だった。

煉瓦色のディーゼル機関車、デッキの先にマンガのイラストで
「タウン シャトル」と書いてあって。

友里絵が「あーれ、なんだっけ・・・マンガ道場だっけ」

由香が「そうそう(^^)。なおみちゃんとか出てて。」


さかまゆちゃんは「奈緒美って聞くと、妹のことかと思うねー。」


パティは「いまは、バレーしてるのかな。元気に」

ともちゃん「もう帰りじゃない?17時前だし」

由香は「そーだねぇ。夜は危ないし」


さかまゆちゃん「熊本は大丈夫ですね。のんびりしてるし。夜が更けるのが
遅いの。朝も遅いし」


友里絵「どーして?おもしろい」

ともちゃんは「西にあるから、かな?東京より30分くらい遅いですね。」


由香は「なんか得した気分」


友里絵は「アメリカはどうなの?」

パティは「アメリカ、イッタコトアリマセーン」と、カタコトニホンゴのマネ。


みんな、笑う。

友里絵は「そうだった。なんか、そう見えちゃうんだよねー。」



愛紗は「乗務の荷物とか、国鉄小荷物ですか?」

さかまゆチャン「ハイ。特急だと、手荷物持たないでも荷物室に入れて
くれるんで。ついでに制服とか。」


菜由は「便利ー。いくらで?」


ともチャンは「はい。150円です。100kmまで」

友里絵は「あたしもそうすればよかった」


愛紗「そう。行き先を急に変えられないけど」


友里絵「あーなるほど、気まぐれ旅には向かないのか」









その頃・・・・熊本高校の体育館で。さかまゆちゃんの妹、奈緒美ちゃんは

バレーの練習を終えて。ボールを片付けたり。
ネットをしまったり。


でも、1年生だけがする、なーんていう所ではなくて。
みんなで楽しく。
2年生も3年生も。「一緒なら、楽しいもんね」と。

水銀ランプが、ぼぉっと白い。

ワックスの効いた、ニス塗りのフロアは
板張り。


モップでお掃除して。

白い体操着に、スパッツ。

大柄なので、ひときわ大きく見える。


「なおみちゃーん、終わりにしたら?」と
キャプテンの声。


さかまゆちゃんの下級生で、一緒に試合をした人、だったり。
なので・・・・奈緒美ちゃんをバレー部に引っ張ってきたヒト(^^)。


なおなおは「ハーイ」と、可愛くにこにこ。


笑顔は、お姉ちゃんに良く似ている(^^)。



バレーが、別に好きだったわけじゃないけど、でも
体動かすの、気持いいもん。

そんなふうに、なおなおは思ってる(^^)。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?

さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。 私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。 見た目は、まあ正直、好みなんだけど…… 「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」 そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。 「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」 はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。 こんなんじゃ絶対にフラれる! 仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの! 実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。 

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。

ねんごろ
恋愛
 主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。  その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……  毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。 ※他サイトで連載していた作品です

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜おしっこ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショートの詰め合わせ♡

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜アソコ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとエッチなショートショートつめあわせ♡

処理中です...