タビスルムスメ

深町珠

文字の大きさ
上 下
225 / 361

ふんにゃ

しおりを挟む
お店を出て、5人は・・・「折角だから、熊本城見ようか」と、菜由。

そだね、と由香。お城の石垣を見ながら、並木沿いの舗道を歩いている。

友里絵が「あ、毛虫!」と、指差して。

由香が「え、毛虫、どこどこ・・・と、上見て」

友里絵は「う・そ」(^^;

由香は「テメー、このやろ」と、小石を拾って。友里絵に投げる。

友里絵、避ける「へっへー、アテテミロ」

菜由は「ふつー逃げないか?」

由香は「だって、毛虫くらいじゃね」

真由美ちゃんは「居ますね、結構。大きいの」田舎の子は、平気(^^)。
両手で、20cmくらいの大きさを示す。


愛紗も「いるわね。そういうの。南の方は。」


菜由は「そういえばさ、お兄ちゃん明け公休の後は、夜勤じゃないの?」

真由美ちゃんは「今日の夕方で
勤務解放だったら、明日の夕方+8時間が休日になります。
つまり、明後日の朝からでないと勤務できないです。
夜勤をするなら、その後ですね」


友里絵「いいなぁ。やっぱ国鉄にしようよ、愛紗」



愛紗は「そうね、それ聞くと、そう思う」

バスも昔はそうだったのだが、人手不足で
A勤務+日勤、またはB勤務+日勤なんてのが当たり前になっていた。
(現在は、13時間勤務努力義務だが、路線のみである。)。


5人は、並木道と道路を渡って、玉砂利が敷いてある熊本城の中庭に入った。

入り口は、門がついている。
大きなお城の割りに、狭い。

井戸、のようなものがあり、蓋がしてある。


友里絵はその蓋を持って、中を見て「暗いねー」

由香は「そりゃそうだよ」

菜由は、看板を見て「なになに・・・・。これが、秘密のトンネルなんだって」

「大脱走!」と、友里絵は、トンネルを掘る仕草。

クワイ川マーチを口ずさむ。けど。

由香が「あ、それ!族がつけてたじゃん。バイクに。パラパラパラって」


友里絵が「オマエの発想は低俗だなー」

由香は「オマエに言われたくないわ」

菜由は「新しいパターンだな。これ」

愛紗は「大脱走って、マックイーンでしょ?」


友里絵「さすが。お嬢様組。違うねー言う事が。
かたや、暴走族のミュージックホーンだろ。
発想がなー。貧民」


由香「オマエもな」


友里絵「ははは」


真由美ちゃんは「・・・??」なんだかわからない。
どっちも知らないの。


菜由が「あ、映画にあったのね。ふるーい。大脱走って言う。
戦争の時の、捕虜が、トンネル掘って逃げるわけ。スティーブ・マックイーンって言う
スターが。」

真由美ちゃんは「あ!思い出しました。」


菜由は「それでね、由香が連想したのは・・・そのテーマ曲のメロディが出る
車のクラクションをね。付けるのが流行ったわけ。湘南の暴走族とかに」


由香「箱スカとかね、430とか」

真由美ちゃん「また、わからない単語」(^^;


友里絵「おにーちゃんに聞けば?」

真由美ちゃん「そうですね。おにーちゃんならよく知ってます!」


菜由は「明日はお兄ちゃんと一緒だもんね」

真由美ちゃんは、嬉しそうに「はい!」と、にこにこ。

愛紗は「お兄ちゃんのお話するとき、嬉しそうね」

真由美ちゃんは「そうですか?」と、ちょっと恥ずかしげに。


由香が「友里絵はお兄ちゃん代わりか」

友里絵は「あたし女だよ」

菜由は「言わなくてもわかるわい」

由香は「オマエなんか女じゃない!男だ!トミ子ー!」

友里絵は、ミミ動かす。

菜由「噂の刑事か」

愛紗「懐かしいなぁ。再放送してたね。夕方」




5人は、熊本城の入り口まで来たけれど、お金かかるので
止めて(^^)。

見てないのは友里絵と由香だけだったから。

また、玉砂利の中庭を、じゃくじゃく、歩く。


友里絵「死刑!」と、お尻突き出して。
こまわり君の顔マネ。

真由美ちゃんは「似てる似てるー」と。



菜由「がきデカか。いちおー・・・・刑事もの、なのか?」(^^;

真由美ちゃんは「そういえば・・友里絵さんって、こまわり君タイプかも」

由香は「はははは!確かに。ハチャメチャだし」

愛紗も「おそらく」

友里絵は「ははは」

菜由は「笑ってていいのか?」


友里絵は、おでこに手をあてて。「うちのカミさんがねぇ・・・」

由香「コロンボか」

友里絵は、足もとの凹みに引っかかるふりで、転ぶ。

由香「コロンダ」

真由美ちゃんは、楽しそうにくすくす。


電停のところまで来て。

愛紗は「じゃ、水前寺公園でも見ていこうか」

友里絵は「チーターぁ・・・!!」と、左手を伸ばして。
髪の毛を分けて。

「♪ぼろんわきーててーもーぉー・・・・ふんにゃ♪」

由香は「あ、水前寺か。でもいないよ」


菜由は「なはは」

真由美ちゃんは、まだ笑っている。


丁度、路面電車が来たので、乗る事にした。

坂道を登って・・・・少し行って、右に曲がって。
ビル街から少し離れて。



さっきの、FM放送局のスタジオが見える。
なにか、楽しそうにお話をしている。

午後2時半。
そろそろ、子供たちが学校から帰る時間で
黄色い帽子の小学生たちが、はしゃいで帰る姿が
路面電車の車窓からも見えたりもする。

結構な都会なのだけど、割と長閑な感じ。

友里絵は「真由美ちゃんは中学のころ、セーラー服だったの?」

真由美ちゃんは「はい。夏は白いのです。」

由香は「かわいかったろね」

真由美ちゃんは「いえ、そんな・・・に。髪をふたつに纏めてて」

菜由は「その頃から茶色っぽかったの?」

真由美ちゃんは「はい。割と・・細くて。そういう感じで。」

友里絵は「くるくるパーマにして。長いスカートで」


真由美ちゃん「いえいえ・・・そういうまんがみたいな人は
人吉にはいなかったです」


由香「マンガなんだ。へー。大岡山にはいたけど。」

由香「高校に入ってからじゃない?」


友里絵は「こんな風にしゃがんで」と、路面電車で
暴走族ふうにしゃがんだら。

電車が揺れて。ころりん。

「あー、いてぇ」


由香は「ははは」

真由美ちゃんは「大丈夫ですか?」でも、楽しそう。

菜由は「アホじゃのー。」と、呆れた顔。


水前寺の電停は、公園の前なので・・・。ただ、またもや道路の真ん中だから
渡るのが怖い。ちょっと。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お嬢様、お仕置の時間です。

moa
恋愛
私は御門 凛(みかど りん)、御門財閥の長女として産まれた。 両親は跡継ぎの息子が欲しかったようで女として産まれた私のことをよく思っていなかった。 私の世話は執事とメイド達がしてくれていた。 私が2歳になったとき、弟の御門 新(みかど あらた)が産まれた。 両親は念願の息子が産まれたことで私を執事とメイド達に渡し、新を連れて家を出ていってしまった。 新しい屋敷を建ててそこで暮らしているそうだが、必要な費用を送ってくれている以外は何も教えてくれてくれなかった。 私が小さい頃から執事としてずっと一緒にいる氷川 海(ひかわ かい)が身の回りの世話や勉強など色々してくれていた。 海は普段は優しくなんでもこなしてしまう完璧な執事。 しかし厳しいときは厳しくて怒らせるとすごく怖い。 海は執事としてずっと一緒にいると思っていたのにある日、私の中で何か特別な感情がある事に気付く。 しかし、愛を知らずに育ってきた私が愛と知るのは、まだ先の話。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?

さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。 私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。 見た目は、まあ正直、好みなんだけど…… 「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」 そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。 「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」 はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。 こんなんじゃ絶対にフラれる! 仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの! 実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。 

連れ子が中学生に成長して胸が膨らむ・・・1人での快感にも目覚て恥ずかしそうにベッドの上で寝る

マッキーの世界
大衆娯楽
連れ子が成長し、中学生になった。 思春期ということもあり、反抗的な態度をとられる。 だが、そんな反抗的な表情も妙に俺の心を捉えて離さない。 「ああ、抱きたい・・・」

[R18] 激しめエロつめあわせ♡

ねねこ
恋愛
短編のエロを色々と。 激しくて濃厚なの多め♡ 苦手な人はお気をつけくださいませ♡

俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。

ねんごろ
恋愛
 主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。  その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……  毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。 ※他サイトで連載していた作品です

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜おしっこ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショートの詰め合わせ♡

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜アソコ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとエッチなショートショートつめあわせ♡

処理中です...