旅と鉄路

旅鉄8 [日豊本線上り第２列車 寝台特急"富士" 〜関門海峡にEF81は臨む〜 ]

[中津到着]

[中津到着]



中津駅は高架ホーム、地上駅のごく近代的な作りである。
１８：２５。そろそろ夕刻である。
「このくらいの時刻になると夜行列車っぽいですね」とK君。
いやいや、「夜行」というには２１時は過ぎてないとね、とS君は返す。
そう、どちらもどちら....イメージはひとそれぞれなのだが
「夜行」という言葉で「上野発、常磐線まわり...」を思い起こすのがS君だろうし、
同じ上野発なら「北斗星」あたりを連想しているのがK君タイプだろうと思う。
しかし、なぜか九州特急というのは、夜行寝台であってもそれほど淋しいムードにはならないから
不思議なもので、やはりそれは南の国故のものかな、などとも思える。





-----memo------
＊日照、気温の変化と気質の関連

よく言われるように「概年リズム」という性質が人間にはあるようで
時間生物学というジャンルでこれは専門的に理論体系が確立している、と聞く。
曰く、春に向かう時の生物は発展、世代継承、という生物の使命に従い
気分も明るく、行動的になるのだと言い、秋に向かう時には越冬に向かい
気分も沈み、鎮静的になるのだと言う。
これは、四季のはっきりとした地帯に棲む生物に顕著であり、自然環境に適応した
結果であるとも聞く。
転じて、温暖地で過ごす夕刻と、寒冷地で過ごす夕刻とは、感覚的に違い、
そこから醸し出される感情は、春夏へ向かう時と、秋冬へ向かう時、と言うような
違いが現れるのではないか、とも考えられる。

そしてまた、概日リズムは光に追随するものだから、強い日照の元で過ごした日の夕刻は
やはり活動的な気分になるのではないか、などとも考えられる。
これもまた、夏と冬、という季節の変化に適応した人間の性質であると言われている。

複雑玄妙な人間の感覚、それならばなお、夜間に眠りながら移動するという
不思議な状況は深い体験となって意識されるに違いない。


余談だが、気候とそこに暮らす人たちの基本的な気質にも関連があるとの
説もある事から考えると、やはり人間は自然と共に生き、暮らすものだと思う。
気候温暖で肥沃な大地、豊富な水産資源に恵まれたこの土地の人は
やはりどこか暖かで穏やかな、この地方の風土に似つかわしいようにも思える。

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