旅と鉄路

[東京-西鹿児島１５００ｋｍロング・ラン〜寝台特急"はやぶさ"５列車〜(前編)]

[熱海を定時発車]

[熱海を定時発車]


しずしずと１５両編成は場内制限速度で進み
短いトンネルに入ると、伊東線の来宮駅が海側に見える。
電車留置線に湘南カラーの113系などの姿が見える。横須賀線カラーをスカ色などと
当時俗称したが、スカ色１１３系を見かける事がなくなった今、１１３系というと
湘南色というイメージになってしまったので少々残念に思う。

列車はすぐに丹那トンネルに進行。
難工事で有名になったこのトンネルをほんの数分で列車は抜けてしまうが
頭上、箱根山系の一部、丹那盆地を貫通しているこのトンネルであるが
難なく列車は駆け抜けるも、やや路盤が痛んでいるのか縦揺れを多く感じる。

無事、丹那トンネルを抜けると函南駅を通過。
ゆるいカーブのプラットホームは横目に、ブルー・トレインは快調に飛ばす。
ここの駅ホーム西端にはよく鉄道写真家が居るが、今日は夜とあってさすがに見かけない。

函南-三島間はカーヴが多く、鉄道写真を撮るには楽しいポイントが多い。
有名な竹倉は三島駅からほど近い、文字通り竹林の傍ら。
温泉もあるから立ち寄り湯も良い（笑）
...が、５列車はそのまま短くタイフォンを鳴らして三島駅も通過。
構内を右手に新幹線ホームを見上げて沼津へ。
三島-沼津間は緩い下りの直線路であり、かつては車両の高速試験が行われたような線区。
フリーラン領域のEF66は軽々と。そしてノッチ・オフ。
坂道を下りながら沼津駅場内進行へと備え、軽く制動。
緩い右カーヴ途中で下り線は分岐し、中央を５列車は場内進行。
かつては蒸気機関車の扇形庫とターンテーブルが見えた構内は、広大な空き地になっていた。
スレート葺きのまま、木柱のホームがとても懐かしく思えるが、この沼津駅は高架化が
予定されているために更新工事は行わない、との事である。
既に歴史的建造物にも見える木柱ホーム（笑）だが、高架化とは残念だ。
しかし、完成は３０年以上先との事であり、当分はこのままの様子。
御殿場線にD52の運行を復活させようとの運動もあるそうで、実現すれば楽しいし
その時には是非ともこの木柱、スレート葺きのホームから発着させたいと思う。
そお、木柱、スレート葺きホームを５列車は静かに通過、緩い右カーヴを抜けて西へと。
次の停車駅は富士駅。

もう聞き慣れて来たハイケンスのセレナーデのチャイムが鳴り、富士駅停車案内を流す。
.....が、乗り換え案内は流れない（笑）。

すでに２０時を過ぎ、車内にもアンニュイな夜行列車、というムードが漂う。

直線路をぐいぐいと加速してゆくEF66は、貫禄十分。
流石はかつてのレコードホルダー、底知れぬ加速力で一気に高速域へと突き進む。
長いストレートを飛ばし、付近に工場が増えてきたなと思うと列車はゆっくりと
減速、左カーヴ。
製紙業で有名な吉原駅を通過して、富士駅まではノッチ・オフ。
かなり飛ばしたせいか、手元の時計では早着気味のご様子。