旅と鉄路

〜寝台特急"あけぼの" ２０２１列車〜

[夜行列車の今後]

[夜行列車の今後]

現実には夜行寝台特急列車は年々、減少の傾向を示している。
全体としては、の但し書きが付くが。

と、いうのは、西へ向かうブルー・トレインは減少傾向であるが
東、北海道行きの列車は繁忙期など臨時列車の運転が必要な
ほどの需要が存在しているからである。

主に北海道へのレジャー客主体の旅客は例年通り好調である。
観光地イメージの差、であろうか、
九州ブルートレインのアコモデーション設備が旧態依然としているからであろうか。

最も、九州へは博多まで新幹線が到達しており、北海道へは
未達だから直接の比較にはならないと考える方が自然だろう。



東京-九州間でも例えば東海道本線１列車「富士」などは
東京１６：４０->大分９：４６と
所要時間は北海道ブルー・トレイン「北斗星」あたりと
それほど変わりなく、この点だけを見た場合
乗客の利便性という意味合いでは同等である。

また、観光資源という観点では
九州には阿蘇、草千里、由布院、別府、耶馬溪等と
大分近傍にも魅力的な観光地は多数存在し、
やや渋好みというイメージはあるにせよ
観光資源という点では北海道に引けは取らないと考えられる。

列車設備の点では「富士」はかなり不利で、改造Ｂ個室寝台
「ソロ」がほぼ連日１００％乗車であるところから見ても
「北斗星」のような個室化、グレードアップサービスを行えば
潜在需要の掘り起こしが可能なのではないかとも考えられる。






さて、このような観点から「あけぼの」の将来は？と考える。



まず、沿線の観光資源という点では問題なし、と考えられる。
日本海側の沿線には景勝地が多数存在するし、十和田、
八甲田なども大館駅下車の方が盛岡経由より速達である。


車両グレードの点はややマイナス点ではあるが
九州ブルートレイン等と互角かやや勝るという程度であるから
まあ及第点としよう。

残る所要時間の問題であるが、これには少々改善の要あり、である。

高崎、上越、羽越本線、奥羽本線ルートという大回り運行
であるから上野２１：４１->青森１０：２１という所要時間である。
この列車、今後の需要拡大を目指すならば「北斗星」編成の
転用などでイメージアップを図った方が良いのではないか
とも思える。
食堂車の連結、個室寝台車の増結等の措置を図り
「ショートカット”トワイライト”」的なレジャー列車としたら
どうだろう、と思う。
この乗車日は５月の終わりの週末だったが
ゴールデンウィークでもないのにＢ個室寝台は若者たちの
熱気にあふれていたことからもそのように思える。



付属編成を五能線経由とし、「サンセットあけぼの」（言語統一すれば"日の入り日の出"
...ヘンですね）
なんてレジャー列車を走らせるのも楽しいと思う。
ゆったりと日本海の日没を楽しみながらディナー、豪華な寝台個室でおやすみなさい..
こんなツアーがあったら行ってみたい。
トワイライトエクスプレスは大阪発だから、関東圏在住の筆者としてはやや縁遠く
こんな列車が東京発着であったら楽しいと思う。
青森から夕方、夜行に乗って...旅の終わりの想い出に日本海の夕暮れと美味しいごはん..
なんて（＾＾）。