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〜24系25形"はくつる"12列車〜 2002/12
[津軽海峡は暗く...]
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[津軽海峡は暗く...]
青森を出発した列車は野辺地までぐるりと陸奥湾沿岸を走行する。
夜間であるとほとんどビュー・ポイントはないが、昼間であれば
のどかな漁村の風景に旅情を感じられるようなポイントでもある。
12列車は停車しないが、浅虫温泉は青森近郊の気軽な保養地として
市民に親しまれている存在であり、夏季などは海水浴場として
賑わいをみせる市民的リゾート地である。
もちろん、陸奥湾の漁場に近いので水生生物なども沢山棲んでいるから
ちょっと潜れば貝類や魚類、ヒトデやウニの類などを手に取るように観察する事が出来る程
豊かな自然に恵まれている津軽海峡に面したここ、浅虫温泉。
かつては浅虫駅という名称だったが、「温泉」をつけるのが流行っている頃
この駅も「温泉」が付記された駅名と変わった。
次の停車駅は野辺地。
東北本線はこのあたりから内陸部へと方向転換をし一路上野へと向かう。
----[弁当あれこれ]--------
旅の楽しみの一つに駅弁があるが、最近ではTVの旅行番組やデパートの駅弁フェアなどでも
宣伝されて特に旅行好きな方の楽しみとも言えなくなってきたが
やはりご当地に赴いてそこの地産品をその場で頂くのが駅弁としての美味しさも増すし
より印象も深まると思う。
海産物であれば海の香りと共に、ご当地のお国言葉を聞きながら食する事がより美味
しさも増すだろうし、駅弁ならばやはり列車に揺られて車窓風景を楽しみながら..が良いだろう。
風味と言うように風も味のうちである。
新幹線では少々速度が早すぎるから景色を楽しむには気忙しいし、この点やはり
蒸気機関車牽引の普通列車が一番だろうな、と夢想したりもするが
今となっては叶わぬ望みである。
電気機関車牽引とはいえ、この12列車も客車列車であるし
帰省時期でもない上り列車と相成って今日の乗客は当地の方がほとんどの様子。
雰囲気としては上々だが...
駅弁を味わうには消毒の匂いがややお邪魔かな。
青森駅の名物弁当といえば「海峡弁当」と、「帆立釜飯」が有名であるが
海峡弁当はおかずを小分けにした幕の内弁当といった風情のお弁当で
幅広い年代に人気のあるごくオーソドックスな構成がで地味ではあるが飽きの来ない味として
よく売れているようだ。
青森駅では駅構内のキヨスクであるとか、昔ながらの駅弁売りの屋台で売られていて
この日もよく売れていたようだった。
帆立釜飯は、陸奥湾の名産帆立を炊き込み飯風のご飯の上に山海の珍味と共に
綺麗に盛り付けた見栄えのする駅弁で、上ふたが透明のプラスチックであるから
アピール度も満点。
山くらげ、姫竹の子、トビコなどと一緒に大きめの帆立貝が醤油味に煮〆られて盛られている。
食してみればはらり、と崩れる程に柔らかく、帆立らしい濃厚なだしの味はご飯に
しっかりとしみている。
貝柱のなんとも歯切れの良い繊維の歯応えを味わい、いかにも東北らしい塩気の
効き具合の漬物をかじりつつ炊き込みのご飯を釜を抱えて頂くと言う雰囲気は
いかにも豪快な青森らしいイメージである。
姫竹の子というのは、細い竹の子であり十和田、八甲田山麓などではごく普通に
自生している種の竹の、若芽であるが、普通の孟宗竹の竹の子よりもアクが少なく
柔らかな穂先は野趣にあふれるというよりは淡い蒼さでそこはかとなく春、というイメージである。
地場のお土産品として水煮の物が売られているが、機会があったら採りたてのものを
頂いて見るとより旅情を感じられると思う。
八甲田山系の温泉、たとえばJR東北バスで行ける範囲では蔦温泉旅館など
十和田、八甲田グリーンライン周辺の温泉宿でもこのような山海の珍味あふれる夕食を
頂けるから時間に余裕のある方は訪れてみるのも一考か、とも思う。
-----*-----------
青森を出発した列車は野辺地までぐるりと陸奥湾沿岸を走行する。
夜間であるとほとんどビュー・ポイントはないが、昼間であれば
のどかな漁村の風景に旅情を感じられるようなポイントでもある。
12列車は停車しないが、浅虫温泉は青森近郊の気軽な保養地として
市民に親しまれている存在であり、夏季などは海水浴場として
賑わいをみせる市民的リゾート地である。
もちろん、陸奥湾の漁場に近いので水生生物なども沢山棲んでいるから
ちょっと潜れば貝類や魚類、ヒトデやウニの類などを手に取るように観察する事が出来る程
豊かな自然に恵まれている津軽海峡に面したここ、浅虫温泉。
かつては浅虫駅という名称だったが、「温泉」をつけるのが流行っている頃
この駅も「温泉」が付記された駅名と変わった。
次の停車駅は野辺地。
東北本線はこのあたりから内陸部へと方向転換をし一路上野へと向かう。
----[弁当あれこれ]--------
旅の楽しみの一つに駅弁があるが、最近ではTVの旅行番組やデパートの駅弁フェアなどでも
宣伝されて特に旅行好きな方の楽しみとも言えなくなってきたが
やはりご当地に赴いてそこの地産品をその場で頂くのが駅弁としての美味しさも増すし
より印象も深まると思う。
海産物であれば海の香りと共に、ご当地のお国言葉を聞きながら食する事がより美味
しさも増すだろうし、駅弁ならばやはり列車に揺られて車窓風景を楽しみながら..が良いだろう。
風味と言うように風も味のうちである。
新幹線では少々速度が早すぎるから景色を楽しむには気忙しいし、この点やはり
蒸気機関車牽引の普通列車が一番だろうな、と夢想したりもするが
今となっては叶わぬ望みである。
電気機関車牽引とはいえ、この12列車も客車列車であるし
帰省時期でもない上り列車と相成って今日の乗客は当地の方がほとんどの様子。
雰囲気としては上々だが...
駅弁を味わうには消毒の匂いがややお邪魔かな。
青森駅の名物弁当といえば「海峡弁当」と、「帆立釜飯」が有名であるが
海峡弁当はおかずを小分けにした幕の内弁当といった風情のお弁当で
幅広い年代に人気のあるごくオーソドックスな構成がで地味ではあるが飽きの来ない味として
よく売れているようだ。
青森駅では駅構内のキヨスクであるとか、昔ながらの駅弁売りの屋台で売られていて
この日もよく売れていたようだった。
帆立釜飯は、陸奥湾の名産帆立を炊き込み飯風のご飯の上に山海の珍味と共に
綺麗に盛り付けた見栄えのする駅弁で、上ふたが透明のプラスチックであるから
アピール度も満点。
山くらげ、姫竹の子、トビコなどと一緒に大きめの帆立貝が醤油味に煮〆られて盛られている。
食してみればはらり、と崩れる程に柔らかく、帆立らしい濃厚なだしの味はご飯に
しっかりとしみている。
貝柱のなんとも歯切れの良い繊維の歯応えを味わい、いかにも東北らしい塩気の
効き具合の漬物をかじりつつ炊き込みのご飯を釜を抱えて頂くと言う雰囲気は
いかにも豪快な青森らしいイメージである。
姫竹の子というのは、細い竹の子であり十和田、八甲田山麓などではごく普通に
自生している種の竹の、若芽であるが、普通の孟宗竹の竹の子よりもアクが少なく
柔らかな穂先は野趣にあふれるというよりは淡い蒼さでそこはかとなく春、というイメージである。
地場のお土産品として水煮の物が売られているが、機会があったら採りたてのものを
頂いて見るとより旅情を感じられると思う。
八甲田山系の温泉、たとえばJR東北バスで行ける範囲では蔦温泉旅館など
十和田、八甲田グリーンライン周辺の温泉宿でもこのような山海の珍味あふれる夕食を
頂けるから時間に余裕のある方は訪れてみるのも一考か、とも思う。
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