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583系「はくつる」
[定時到着]
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[定時到着]
列車はスローダウンして、ゆっくりと終着駅へと向かう。
車窓の風景もちょっとした都市のそれで、コンクリートの構造物が目に付く
青森市街の様子である。
青森運転所東派出所が進行方向から向かって右側に見えるはずだが
7番寝台は海側のためなので見る事は出来ない。
赤い交流電機などが居並んでいるのだろうと思う。
6:58分、定刻到着。
揺動なく停止した。
乗客はにぎやかに降車してゆくが、弾んだ声の雰囲気は夏の臨時列車らしい。
これからのヴァケイション、に期待をしているのだろうか、
はしゃぐ子供の声もどこか楽しげ。
さっぱりと引き潮の渚のようにひと気の無くなった車内は
どこか寂しげにも見える。
清潔なイメージの緑の壁面に、軽金属のドア。
昭和の時代を伝えるモハネ583-79であるが、なぜかネームプレートではなく
ステッカーである。
プラットホームに降り立ってみると、閑散とした構内がいかにもターミナル駅である。
線路は岸壁まで続いており、かつての連絡船時代を思わせる。
ホーム先端にはまだ桟橋ゆきの階段が残っている。
既にテールライトを表示したクハネ583の先端、かつての貫通路の部分には
傷、汚れ、凹みなどが多数、長い旅路を思わせる。
青森-上野735.8km、何回往復してきたのだろう。
昼夜運用が大半であったのだというが...
1号車側が先頭、として回送運転の準備がなされている。
跨線橋からちょっと記念写真。
休み事無く、この後も寝台を解体して臨時「はつかり」仕業にゆくのだろう、
久しぶりの晴れ舞台となる「はくつる」仕業を終え、ひと息ついた、というところか。
四半世紀を越え未だ往時の雰囲気を伝える貴重な現役車両に
いつまでも走り続けてほしいと願いつつ
青森駅1番線を発車してゆく583系回送列車を見送り、さて、これからどこへ行こうか
などと考えながら津軽海峡を渡る風に吹かれていた夏の朝。
もう、秋を感じさせる8月半ばであった。
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列車はスローダウンして、ゆっくりと終着駅へと向かう。
車窓の風景もちょっとした都市のそれで、コンクリートの構造物が目に付く
青森市街の様子である。
青森運転所東派出所が進行方向から向かって右側に見えるはずだが
7番寝台は海側のためなので見る事は出来ない。
赤い交流電機などが居並んでいるのだろうと思う。
6:58分、定刻到着。
揺動なく停止した。
乗客はにぎやかに降車してゆくが、弾んだ声の雰囲気は夏の臨時列車らしい。
これからのヴァケイション、に期待をしているのだろうか、
はしゃぐ子供の声もどこか楽しげ。
さっぱりと引き潮の渚のようにひと気の無くなった車内は
どこか寂しげにも見える。
清潔なイメージの緑の壁面に、軽金属のドア。
昭和の時代を伝えるモハネ583-79であるが、なぜかネームプレートではなく
ステッカーである。
プラットホームに降り立ってみると、閑散とした構内がいかにもターミナル駅である。
線路は岸壁まで続いており、かつての連絡船時代を思わせる。
ホーム先端にはまだ桟橋ゆきの階段が残っている。
既にテールライトを表示したクハネ583の先端、かつての貫通路の部分には
傷、汚れ、凹みなどが多数、長い旅路を思わせる。
青森-上野735.8km、何回往復してきたのだろう。
昼夜運用が大半であったのだというが...
1号車側が先頭、として回送運転の準備がなされている。
跨線橋からちょっと記念写真。
休み事無く、この後も寝台を解体して臨時「はつかり」仕業にゆくのだろう、
久しぶりの晴れ舞台となる「はくつる」仕業を終え、ひと息ついた、というところか。
四半世紀を越え未だ往時の雰囲気を伝える貴重な現役車両に
いつまでも走り続けてほしいと願いつつ
青森駅1番線を発車してゆく583系回送列車を見送り、さて、これからどこへ行こうか
などと考えながら津軽海峡を渡る風に吹かれていた夏の朝。
もう、秋を感じさせる8月半ばであった。
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