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2nd Floor

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「セシルさん、きょうは二階をお願いできますか」と、主任さんが

にこやかに言う。



「はい。」と、セシルはお返事したけれど

なんとなく浮かない表情。



クリスタさんは「どうしたのですか、セシルさん?」

いつも、一階のカウンターは忙しいので

みんな、二階に回ると喜ぶのに。



二階は、資料と古雑誌なので

あまり人が来ないから、楽なのだ。

静かだし、本も読める。





クリスタさんは、なんとなく気づく。「・・・・あ、ルグランさんが来ないかと

気になさってるのかしら。」



セシルはお返事。「いいえ、なんでもないです。ごめんなさい。

わたし、ヘンでした?」と、二階に向かう螺旋階段を昇っていった。





セシルは思う。「わたし、何を考えているのだろう?」



別に、期待はしていない。

そう思っているのだけれども。

でも・・・・なんとなくブルー。



ルグランは、このところ図書館にいつもの土曜日、来なくなっていた。

セシルは学生なので、土曜か日曜しか図書館で働けない。



他の曜日に来ているのだろうことは、なんとなくセシルは感じていたけれど

なんとなく、淋しい。



別に、会ったとしても会話を交わすことはほとんどなくて



カウンターごしに本の貸し出し、返却をするだけ。



でも、その一瞬がなんとなく素敵に思えているセシルは

ルグランの前では、可愛らしい女の子でいたいと、そんな風に思っていて。



お父さんより年は上なルグラン。なぜか、その微笑に惹かれるセシル。



ミシェルへの気持とはまた、違った。

温かい気持。



その気持になりたいのだけれど、ルグランさんに会えないと

そういう気持になれない。



それで、二階に行ってしまうと会えないのかな、なんて

セシルは思ったのだった。





「・・・・・。」クリスタさんは、なんとなく二階に昇って。

天使さんとは言っても、飛んでは行かずに

ちゃんと階段を昇って。



でも、天使さんだから質量がない。

軽やかに。





「セシルさん」と、クリスタさんは声を掛けて。





セシルは古書を分類していた。移動キャリアに乗せて。



セシルは振り向く。いつものようなまるい、微笑みではなくて。



クリスタさんは「セシルさん、もし、よかったらでいいですけれど

一階と代わって頂けますか?」

理由は告げない。

かえって、その方がいいと思った。



セシルは笑顔になって「はい!」と、少し大きな声になったので

肩を竦めて小声で「・・・でも、いいんですか?」

ショート・ボブのまるい髪。かわいらしく揺れる。



クリスタさんは、緩いウェーヴの髪がさらりとゆれ「ごめんなさい、忙しいのに」と。



セシルはかぶりを振り「ううん、わたし、一階が好き。ありがとう、クリスタさんっ。」





古書を置き去りにして。



一階に下りていった。駆け下りては行かなかったけれど

急ぎ足。



楽しそう。





クリスタさんは微笑んで「・・・かわいい方ね。セシルさん。」





後ろ姿を見送って、古書の分類を引き継いだ



ルグランも、このところ仕事の都合で

土曜日に図書館に行かなくなって。



セシルの愛らしい微笑みに出会えない事を

ちょっと淋しく思っていた。



セシル、と言う名前も知らないのだけれども

いつも、図書館に行くと

そこにあった微笑みを、いつのまにか探していたりしていた。





とはいえ、既に初老の域のルグランは

まさか、その可愛らしい娘の裸体を想像する、などと言う

年齢ではない。





そういうものは、生物的な欠乏感から来るもので

種を残す機能がそれを命令している。



加齢によって、そんな命令も無くなっている。





ただ、可愛らしいものを愛でたいと言う心は

年齢を問わず、変わりはない。





そういう気持でセシルの微笑みを、遠くから見ていた。





少年の頃、可愛い娘を見ていたような

そんな気持に、いつしか戻っていたようで。



心に年齢はないのだろう。







ルグランは優しい紳士だから、若い娘にも慕われる事がある。

クラブのピアノ弾きと言う職業の関係で、若い娘の歌い手が

ルグランを慕ったり。



そんなことも時々あったな、などとルグランは回想する。





甘え、と言うのだろうか

ルグランに擦り寄るようにする若い娘も居たりして。

おそらく淋しいのだろうな。と思ったりする事もあった。



そういう娘の中には、自らの気持を

恋と間違えているタイプも、居たりはしたから



セシルにはそんな思いをさせたくないな、と思うと

ルグランは、会えないのも却っていいのかもしれないと

思ったりした。



ルグランは、自宅でくつろぎながら。

なんとなく回想していた。



ルグランの家は、この町の山手の方にある。

坂道にある静かな場所で、木々に隠れるように

家がいくつか。



そのひとつが、彼の家だ。



丘なので、遠くに渚が見える。



図書館も見える。



二階のベランダから、遠い渚を眺めるのもルグランのお気に入りである。





「・・・・あの娘は。」と、ルグランは、セシルの微笑みを

思い出し、同時に



以前、似たような微笑みを投げかけてくれた娘、マリエルの事を

連想した。





ルグランのような仕事は、時々暇な事がある。



そんな時は、いろいろなアルバイトをしたりするが

マリエルに出会ったのは、小さなお店を手伝った時の事。



簡単なスナックや、サンドイッチなどもテイクアウトするお店だった。



朝早くは、客も少ない。



ルグランはピアノ弾きだから、明け方は大体仕事明けで。

その時も、クラブの仕事が終わったくらいの時間帯。



クラブとの契約切れで、次の仕事場を探している時だった。





マリエルは小柄で、大人しく優しく、やや病弱な感じの娘。

短めの髪は、まっすぐに頬のあたりで断ち切られていて。

前髪は、眉のあたりでこれも。



ちょっと幼い雰囲気で。



いつも眠そうに、朝、店にやってくるのだった。





ルグランを見ると、にこやかに挨拶する。

「おはようございます」。



育ちの良い子だな、とルグランは思い、微笑む。





そのうちに、音楽の話などするようになると

マリエルは楽しそうだった。「わたし、ピアニストになりたい。」





ルグランはいわゆるカクテル・ピアノ弾きだが、ピアニストとは

ちょっと違う。



けれど、その事をルグランは告げなかった。



でも、音楽が好きな同士、どことなく話は合う。



マリエルは、古いポピュラーから、クラシックまで

よく聞いているようだった。





親しい友達、年の離れた。



そんな感じが続いていたけれど

段々、マリエルは静かになって。あまり語らずに

なにかを求めているような、そんな感じになった。



ある朝の事。マリエルは「少し、熱っぽいみたい。」と

口調が砕けていて。



ルグランは、小柄なマリエルを見た。



仰ぐようにルグランを見て、おでこに手を当てているので



ルグランは、娘にするようにマリエルの掌に触れた。



柔らかく、愛らしい手だった。



それに感動していると、マリエルはルグランの懐に

するり、と入り込み、ため息をついた。



可愛らしい娘。そう思ったルグランだったが

女の子、を意識させた。



そんな風に感じるとは、ルグランは意外だった。



抱きとめなければ倒れてしまうので、優しく受け止めると

マリエルは瞳を閉じ、ルグランの胸に控えめに触れた。

体は硬くして、ルグランから離している辺りが

初々しく、可愛らしく感じられる未経験な少女。



その事に、ルグランは衝撃を受けた・・・・。







そう回想すると、ルグランはセシルに対しても

同じ事が起こると困るな、と思ったりもした。



そうならないとは言い切れない。


マリエルは、淋しかったのだろうとルグランは思う。

可愛い娘だから、青年がマリエルに恋する事も

時々あったりしたけれど。



なぜか、マリエルはその誘いを受けなかった。

そのたびに、ルグランにその話をして「どうしたらいいでしょう」なんて

聞いたり。



お父さんのかわり。そんな印象をルグランは持っていた。



それなら、と

ルグランは、その役を演じる事にしていた時に

こんな事が起きたので



ルグランもちょっと、驚いた。



誰かに甘えたかったのだろう、そんな風にルグランは思ったから

それからも、マリエルに優しくしていてあげた。



「ピアニストになりたいのなら、芸術の学校へ行った方がいいね。」と

ルグランは、その存在を教えた。

ルグラン自身は、そういうアカデミーに属した事はないけれど。

音楽の仲間に、音大を出た人も何人か居たので

奨学金がある事等を教えた。



ピアノなら、才能が認められれば

学費は免除される。そんな学校もあった。

オーケストラなどを抱えているような、そういう団体が

持っている学校だったり。



ルグランの仲間にも、そういう所を出た者が居たり。

そんな話をマリエルにした。



マリエルが、どの程度ピアノが弾けるのかはルグランは知らないけれど

「とりあえず、受けてみたら?試験」



と、マリエルに言うと「ありがとう!うれしい」



と、この頃のマリエルは、ずっと年上、お父さんくらいのルグランを

友達と言うか言葉で会話するようになっていた。



それは、お店に他の店員がいない時だけだったから

マリエルなりの、親しさの表現だったのだろうと

ルグランは思った。





恋人が欲しかったのだろうけど、青年はなんとなく怖いのだろうな、と

ルグランは理解した。



ただ、甘えられて、わがままも言えて。

そういう存在がいいのかな。





どんな女の子も、だんだん大人になると

お父さんに甘える訳にもいかない。



でも、マリエルにはどうやら

お父さんがいないらしい事も、ルグランにはなんとなく感じられた。





お店は、早朝暇だったから

マリエルは、サンドイッチを作ってルグランに薦めたり

「わたし、お料理好きなんです」なんて

にこにこしていたり。

可愛らしい娘だった。



それは、ルグランにとってひとときの幸せだった。







回想しているルグランの心には、音楽が流れている。

そのときは、ラフマニノフの2番だったろうか。

後に、バリー・マニロウがヒットさせた事で

ルグランも何度か弾いた事があった。





そんな、優しい気持ちでマリエルの事を回想した。





少しづつ、仲の良い親子のような感じになっていったけれど

冬が来て、春が来る頃・・・。





マリエルは、音楽学校に進む事になっていて

楽しい春になると思っていた。





ルグランの知り合いの伝で、働きながら音楽学校に通わせてくれると言う

歌手、ヴィッキーがいて、マリエルを気に入ってくれて。



「この子なら、いいわ。」と。





ヴィッキーが持っているジャズ・クラブ、昼はカフェをしていて

そこで使ってくれる、との事。







だから、マリエルにとっては楽しい春の筈なのに、どこか・・・。







「あたし、このお店にいたい」と、マリエルは変な事を言い出した。





ルグランも、この春からそろそろ仕事に戻ろうかと思っていた所である。

いくつか、話は来ていた。





このお店も、古くなったので持ち主が売却したいと

そんな意向だった。





仲良くなったアルバイト仲間も、皆散り散りになる。

マリエルも18歳になる。バイト仲間たちも進学したり、就職したり・・・・。

そんな別れの時期だった。





ルグランは微笑んで「ここに居たくても・・・お店がなくなってしまうね。」







マリエルは悲しそうに「ルグランさんも行ってしまうんですね。」





ルグランは「でも、マリエルさんも音楽学校に行かないと・・・。」

試験は合格したと言う事である。



マリエルは「学校より、ここに居たいの。」



意外にわがままな所もあるんだな、と

ルグランは可愛いマリエルに微笑んで「お店が無くなってしまうのでは、仕方ないよ」





マリエルは「ここのお店のオーナーになれば、無くさないで済むそうです。」



働きながらお金を貯めて、いつかここのオーナーになれると言う、そういう考えらしい。





でも・・・暇な店だし。

大抵、そういう夢を持っても一生雇われマスターで終わる。



そんなに儲かるものでもないのだ。





マリエルの意図が分からないルグランだったので



「お店は、いつか持てるよ。ミュージシャンになれば、ヴィッキーみたいに」





と。





マリエルは泣きそうになったけれど、堪えて。その話は止めた。







ルグランは、その日の朝のバイトを終えた所、店に出てきた

マスターに「ルグランさん、考えてくれてますか?」





と、聞かれた「何をです?」と、ルグランは返答。







「このお店のマスターになると言うお話です。マリエルさんがそう言っていました。」







ルグランは、マリエルの意図が掴めなかった。





それに、店の経営は素人である。



「それは、ちょっと私には無理です」と言うと、マスターは



「ルグランさんのご希望と伺っていました」と。











ルグランは回想する。それは、マリエルが恋に恋していたのだろう、と。











ルグランは、このところ

図書館で、セシルに出会えなかった。



「タイミングが悪いのかな。」と、最初は思っていたルグランだったが





数週間、出会えないと・・・。





ちょっと、気になるルグランだった。





「もう、アルバイトを辞めてしまったのだろうか」



「どこか、具合が悪いのだろうか」



「引っ越してしまったのか」



等々。





それは、恋愛のようなものとも

少し違うような気もする。



若者が、少女に恋するような。





でも



心の奥底は、どこか似ている気持なのかもしれないな、と

ルグランは思う。







カクテルピアニストのルグランは、夜、仕事で



リクエストが無い時に、いろいろな曲を弾くけれど



この日は「to love again」を弾いていたり。



クラシックの名曲がモチーフになっている、映画音楽だ。







その曲を弾きながら、ルグラン自身は



「わたしは、何を感じているのだろう、あの娘に」と

セシルのまるい、微笑みを思い出すのだった。





曲は、「tonight」に変わる。



これも、ミュージカルの名曲で

しっとりとした、恋愛の歌だった。



カーメン・キャバレロのように、装飾音をつけて。



それは、いつものルグランのタッチとは、かなり異なったものだったりするので





ヴォーカルの女の子が、微笑んでいた。





「ルグランさんは、愛しい方がいらっしゃるのね」と。









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