Lotus7&I

深町珠

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speed,speed,speed...

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そんな瞬間こそ、生きていると実感する。
男とは、そうした生き物なのだろう。
どこまでも走り続け、追い続ける生き物なのだ。


そして、止まった時、その時は.....



全てのものが終わりを告げる時だ。
そう思う、だから走り続けるのだし、走るための機械は何よりも美しい..

僕は、傍らのマシーンに視線を移した。


コンクリートのガレージ。
月光に鈍く光るアルミナムのボディ。
マウントニーのステアリング。
ルーカス・スリーポイントのヘッドライト。


低く、真っ直ぐに...ひたすら軽く。


コーリン・チャプマンの設計意図が見て取れる機械である。



異常なほどの執念でレーシング・マシンの製作に携わってきた彼。
彼も、やはり男としての業で、この美しい機械に魅せられたひとり、なのだろうか。




.......だとすると........


僕は、ふと思った。


バックヤード・ビルダーから始まった彼が、F1の舞台に立つ。
そして、いつまでもマシンを作り続けたい、と思う。
自然な感情だろう。
しかし、あらぬ事で嫌疑を掛けられた。

その時、考えることは......?


南アで発見され、失踪。そして...日本に。


その理由は.....?

僕は、なんとなく”感じた”。
直感的に。


それは、彼と同じようにマシーンが好きな男としての共感だったのかもしれない.....






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