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speed,speed,speed...
しおりを挟むそんな瞬間こそ、生きていると実感する。
男とは、そうした生き物なのだろう。
どこまでも走り続け、追い続ける生き物なのだ。
そして、止まった時、その時は.....
全てのものが終わりを告げる時だ。
そう思う、だから走り続けるのだし、走るための機械は何よりも美しい..
僕は、傍らのマシーンに視線を移した。
コンクリートのガレージ。
月光に鈍く光るアルミナムのボディ。
マウントニーのステアリング。
ルーカス・スリーポイントのヘッドライト。
低く、真っ直ぐに...ひたすら軽く。
コーリン・チャプマンの設計意図が見て取れる機械である。
異常なほどの執念でレーシング・マシンの製作に携わってきた彼。
彼も、やはり男としての業で、この美しい機械に魅せられたひとり、なのだろうか。
.......だとすると........
僕は、ふと思った。
バックヤード・ビルダーから始まった彼が、F1の舞台に立つ。
そして、いつまでもマシンを作り続けたい、と思う。
自然な感情だろう。
しかし、あらぬ事で嫌疑を掛けられた。
その時、考えることは......?
南アで発見され、失踪。そして...日本に。
その理由は.....?
僕は、なんとなく”感じた”。
直感的に。
それは、彼と同じようにマシーンが好きな男としての共感だったのかもしれない.....
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