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好きと言う気持ち

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美里は、惚れっぽいらしいので
最初の結婚に、どういう訳だか失敗して

郵便局でバイトしながら暮らしていると言うのだけれど

友梨絵の正直さから見ると、世知に長けた、と言うか

計算が見えて、好きになれなかった。


それは普通なのだけれども。


友梨絵が、他と違っているのだ。


出逢ったばかりの男に、暗い過去を
話してから、気持ちを確かめる女の子など
見た事が無かった。



1970年代にもそんな高校生はいなかったと思う。



それが、加藤が友梨絵に好意を持った理由だった。

できる限りの事をしてあげよう。



そんな気持ちで。




友梨絵は、夜のシフトにも入っていたりしたから

加藤は、その日、仕事の終わりに


ミニストップに寄ってみた。



緑のスーツで行くと、友梨絵は


「良く似合うね、郵便屋さん、って感じ」と
楽しそうに加藤に近寄った。

本当、すりすり、と言う感じで

犬のマーキングではなかろうか(笑)。



「わんこみたいだね」と、加藤が言うと



「アタシ、猫派なんだ。」と、友梨絵は
そういえば見た目は猫っぽいかもしれない。




「猫飼ってるの?」




「ううん、うち、お兄ちゃんが犬派だから。

かわいそうだもん、猫が。」と、優しい友梨絵。


「そっか。なんて名前、わんこ」と
尋ねると




「マドンナちゃんとミッキーちゃん!」と
友梨絵はにこにこ。




そっかぁ、と加藤は
マドンナなんて、ずいぶん古風な名前だなぁ(笑)と。


1980年代ならともかく。


そのあたりからタイムトラベルしてきたのかな(笑)なんて思ったり。



加藤は音楽好きだから、話しながら
マドンナの曲をいくつか思い出したりして
心の中で聞いていたり。


楽器の連なりとか、音の響きとかも
思い出して。


Borderline が好きで、CD買ったんだっけ。

なんとなく、夜のイメージがあって。



最初の頃はそんなに、セクシーなイメージでもなくて

割と好きだった。


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