357 / 418
正義と暴力
しおりを挟む
伊原は、してやったりと思った。
幼い頃からのそれは生活習慣だ。
小柄だから、力では勝てないので
狡い事を考えたりした。
それも、国や教育の制度が悪いので
1960年代ならば、皆の為に悪い事は
しない、と言う正義を
教育した。
だから、体の大きいものは番長にはなったが
体の小さいものを守った。
それは、人類の歴史に沿ったものだ。
群れの者を、皆で守って
助け合う。
それは生き物の正義だ。
だが、日本経済を外国人の侵略に
開け放してしまったので
例えば、ライバル会社に勤めていれば
敵、なんて言う
変な理屈がまかり通ってしまって
番長になっても、地域の皆を守らなくていい
なんていう変な事が正義になってしまう(笑)。
そんな事はないのだが(笑)。
教育から道徳が失せてしまったので
伊原の世代は正義を知らない。
学校で教えないのだ。
なので、伊原のように
誰かを妬んだ時、攻撃してもいいと
思ってしまう。
それは、間違いだ。
攻撃されたら自分が困るから、してはいけないのに
された記憶がないので、わからないだけ、である。
だが伊原は、それを身を持って知る。
伊原は、自分の白いトヨタMark2で
工場から出た。
632、と言うナンバーだった。
みみっちい男らしく、いつものように
前を走っている車との車間距離を詰めた。
そのくらいなら、痛い目に合わないと
甘えていたのだが
それも正義を知らない男の浅はかさ、である。
前を走っていた銀色のブルーバードの
ドライバーは、いきなり車を止めて
ドアを開け、下りてきた。
無言で、窓を開けていた伊原の目に
何か液体を掛けた。
とても熱く、酸っぱい臭いのする液体。
そのまま、ブルーバードのドライバーは
立ち去る。
伊原は、目と顔に焼けるような痛みを
感じ、救急車を呼ぼうにも
目が見えなかった。
立ち往生している伊原。
通り掛かったドライバーは、皆
迷惑そうにクラクションを鳴らして
通り過ぎていく。
伊原は、通り掛かったパトカーに保護されたが
発見された時、伊原は失明していた。
警察の取り調べでも嘘をついて
ごまかそうとした伊原。
「いきなり、液体を掛けられたのです。」
液体は塩酸で、工場なら手に入る程度の
濃度だった。
しかし発見が遅かったので、伊原の目の
角膜は溶けてしまい
使い物にならなかった。
警官は静かに「速度はどのくらいで、
車間距離はどの程度?」と問う。
車間距離があれば、前の車が止まったら
逃げられる。
だから、停止して回避しなかった伊原は
車間距離を極端に詰めていたと判断したのだ。
「30kmくらいで、10mくらい」伊原は
でたらめを言った。
本当は1mもなかった。
それで、前のドライバーは怒ったのだ。
警官は冷たく「10mは少ないですね、15mは取らないと」
と言うと、伊原は感情的になり
「そんな事してる奴いないだろ!」と言う。
爆発性転換障害、いわゆるヒステリーである(笑)。
警官は冷静に「そうすると、あなたは普段から安全車間距離を取っていないのですか?」
伊原は、自分から嘘であると
露見させてしまった(笑)。
「伊原さんの被害は被害として受け取ります」警官は冷静に言ったが
自分から挑発して怪我を負っても
自業自得であるので(笑)
警察の捜査もそれなり、だ。
被害は別にして、挑発も
暴行罪、強要罪として扱われるのが
普通である(笑)。
更に、道交法違反、車間距離不保持、
安全運転義務違反。
伊原の責任も問われる。
そういう伊原にしてしまったのは
教育が正義を教えなかったからである。
幼い頃からのそれは生活習慣だ。
小柄だから、力では勝てないので
狡い事を考えたりした。
それも、国や教育の制度が悪いので
1960年代ならば、皆の為に悪い事は
しない、と言う正義を
教育した。
だから、体の大きいものは番長にはなったが
体の小さいものを守った。
それは、人類の歴史に沿ったものだ。
群れの者を、皆で守って
助け合う。
それは生き物の正義だ。
だが、日本経済を外国人の侵略に
開け放してしまったので
例えば、ライバル会社に勤めていれば
敵、なんて言う
変な理屈がまかり通ってしまって
番長になっても、地域の皆を守らなくていい
なんていう変な事が正義になってしまう(笑)。
そんな事はないのだが(笑)。
教育から道徳が失せてしまったので
伊原の世代は正義を知らない。
学校で教えないのだ。
なので、伊原のように
誰かを妬んだ時、攻撃してもいいと
思ってしまう。
それは、間違いだ。
攻撃されたら自分が困るから、してはいけないのに
された記憶がないので、わからないだけ、である。
だが伊原は、それを身を持って知る。
伊原は、自分の白いトヨタMark2で
工場から出た。
632、と言うナンバーだった。
みみっちい男らしく、いつものように
前を走っている車との車間距離を詰めた。
そのくらいなら、痛い目に合わないと
甘えていたのだが
それも正義を知らない男の浅はかさ、である。
前を走っていた銀色のブルーバードの
ドライバーは、いきなり車を止めて
ドアを開け、下りてきた。
無言で、窓を開けていた伊原の目に
何か液体を掛けた。
とても熱く、酸っぱい臭いのする液体。
そのまま、ブルーバードのドライバーは
立ち去る。
伊原は、目と顔に焼けるような痛みを
感じ、救急車を呼ぼうにも
目が見えなかった。
立ち往生している伊原。
通り掛かったドライバーは、皆
迷惑そうにクラクションを鳴らして
通り過ぎていく。
伊原は、通り掛かったパトカーに保護されたが
発見された時、伊原は失明していた。
警察の取り調べでも嘘をついて
ごまかそうとした伊原。
「いきなり、液体を掛けられたのです。」
液体は塩酸で、工場なら手に入る程度の
濃度だった。
しかし発見が遅かったので、伊原の目の
角膜は溶けてしまい
使い物にならなかった。
警官は静かに「速度はどのくらいで、
車間距離はどの程度?」と問う。
車間距離があれば、前の車が止まったら
逃げられる。
だから、停止して回避しなかった伊原は
車間距離を極端に詰めていたと判断したのだ。
「30kmくらいで、10mくらい」伊原は
でたらめを言った。
本当は1mもなかった。
それで、前のドライバーは怒ったのだ。
警官は冷たく「10mは少ないですね、15mは取らないと」
と言うと、伊原は感情的になり
「そんな事してる奴いないだろ!」と言う。
爆発性転換障害、いわゆるヒステリーである(笑)。
警官は冷静に「そうすると、あなたは普段から安全車間距離を取っていないのですか?」
伊原は、自分から嘘であると
露見させてしまった(笑)。
「伊原さんの被害は被害として受け取ります」警官は冷静に言ったが
自分から挑発して怪我を負っても
自業自得であるので(笑)
警察の捜査もそれなり、だ。
被害は別にして、挑発も
暴行罪、強要罪として扱われるのが
普通である(笑)。
更に、道交法違反、車間距離不保持、
安全運転義務違反。
伊原の責任も問われる。
そういう伊原にしてしまったのは
教育が正義を教えなかったからである。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
会社でのハラスメント・・・ その一斉メール必要ですか?
無責任
経済・企業
こんな事ありますよね。ハラスメントなんて本当に嫌
現代社会において普通に使われているメール。
それを使った悪質な行為。
それに対する戦いの記録である。
まぁ、フィクションですが・・・。
首を切り落とせ
大門美博
経済・企業
日本一のメガバンクで世界でも有数の銀行である川菱東海銀行に勤める山本優輝が、派閥争いや個々の役員たちの思惑、旧財閥の闇に立ち向かう!
第一章から第七章まで書く予定です。
惨虐描写はございません
基本的に一週間に一回ほどの投稿をします。
この小説に登場する人物、団体は現実のものとは関係ありません。
アマノジャクに突っ走れ!!!
ゆっこ!
経済・企業
時は2039年。所は以前、大陸国家があった場所。人類に反旗を翻した量子コンピューターの集合体…通称、人造神。ヤツの操る異形獣共と戦うため、俺は百数十億の借金を背負って、かつて中国と呼ばれた場所へと戦いに赴いた。
いわゆるローン持ちのグランドスプリンター(強化歩兵)ってぇヤツだ。
それで今現在、俺は片足になったストームシューター(飛行猟兵)のお嬢ちゃんを背負って、異形獣と追い駆けっこと洒落込んでいる訳だ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
鳴瀬ゆず子の社外秘備忘録 〜掃除のおばさんは見た~
羽瀬川璃紗
経済・企業
清掃員:鳴瀬ゆず子(68)が目の当たりにした、色んな職場の裏事情や騒動の記録。
※この物語はフィクションです。登場する団体・人物は架空のものであり、実在のものとは何の関係もありません。
※ストーリー展開上、個人情報や機密の漏洩など就業規則違反の描写がありますが、正当化や教唆の意図はありません。
注意事項はタイトル欄併記。続き物もありますが、基本的に1話完結、どの話からお読み頂いても大丈夫です。
25年1月限定で毎週金曜22時更新。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる