306 / 418
木綿のハンカチーフ
しおりを挟む
放送日、加藤はアマチュア無線の機械の
電源をしばらくぶりに入れて
ラジオを聞いた。
番組の中で、リスナーへ電話するコーナー。
芝田は、リクエストをしてもいないのに(笑)
かつて、憧れだったアイドルに
電話でも話し掛けられて、少し照れていた
心優しい少年の頃を思い出しているかのようだった。
電話が切れ、曲になった。
木綿のハンカチーフ、と言う曲は
都会に行ってしまった彼が
贅沢に目が眩んで
いつしか、自然な心を失ってしまって
故郷の彼女は、それに失意して
木綿のハンカチーフで涙を拭う、と言う
そういえば、洗脳されて心が変わってしまった
芝田の事を歌ったような、そんな歌でもあった。
その曲の低音に仕掛けをして、ラジオで流してもらい
アマチュア無線の仲間に
短波でおしゃべりをしてもらった。
芝田は、淋しかったのだけれども
心が洗脳されて、交感神経が活発に活動して
甲状腺にも問題が出る程だった。
いろんなものが、挑んでくるような
妄想に取り付かれていて。
それは、洗脳セミナーで
多数の人間から罵倒されたせいだった。
でも、その催眠から
かつての憧れだったアイドルが
解く。
魔法のような事だ。
深夜まで、放送が続き
終わる。
アマチュア無線の会話が続いているところに
加藤も、ブレークして入る。
ブレークどうぞ、と芝田が答える。
コールサインを加藤が言うが
芝田は平然と返答をする。
「しばらく」
無線では、紳士的に振る舞うのがマナー。
長らく絶交されていた加藤だとはいえ
声の調子では、催眠に掛かっている
ようには感じられなかったので
加藤は、芝田に電話を掛けて
催眠術を解くキーワードであるかと
思われる言葉を幾つか語る。
洗脳セミナーでは、企業への忠誠を
植え付け、闘争的に働くように言葉で
催眠術を掛ける。
その多くは、日本を侵略しようとする
外国人の意図である。
だが、催眠術を解くほど強い衝撃が
今夜の芝田にはあった。
長らく忘れていたアイドルのイメージ。
年を取っても、そう、木綿のハンカチーフに
象徴されるような
優しさは変わらない。
そういうものが、芝田のどこかに
眠っていたのだ。
概ね、人の行動はイメージに
支配されるから
闘争的なものばかり見聞きしていると
そういうイメージに囚われて
物事が歪んで見えて来る。
駅の改札が混んでいても
心優しい人なら、前の人がもたもたしていても
気にはしないけれど
闘争的な妄想に囚われていると
嫌がらせでわざと、遅くしているんだ。
などと、あらぬ事を考えて
押し退けて行こうなどと考えたりする。
それは、事実誤認であり
認知障害なのだけれども
闘争的な事ばかり連想するように
心がプログラムされてしまうと
そんな風になってしまう。
そのスイッチは、人間ではケミカルスイッチなので
神様は、スイッチを切るように
薬を撒いているのだ。
洗脳セミナーは、言って見れば
悪魔の仕業のようなものだ。
芝田は、礼を述べたように
加藤には聞こえた。
電源をしばらくぶりに入れて
ラジオを聞いた。
番組の中で、リスナーへ電話するコーナー。
芝田は、リクエストをしてもいないのに(笑)
かつて、憧れだったアイドルに
電話でも話し掛けられて、少し照れていた
心優しい少年の頃を思い出しているかのようだった。
電話が切れ、曲になった。
木綿のハンカチーフ、と言う曲は
都会に行ってしまった彼が
贅沢に目が眩んで
いつしか、自然な心を失ってしまって
故郷の彼女は、それに失意して
木綿のハンカチーフで涙を拭う、と言う
そういえば、洗脳されて心が変わってしまった
芝田の事を歌ったような、そんな歌でもあった。
その曲の低音に仕掛けをして、ラジオで流してもらい
アマチュア無線の仲間に
短波でおしゃべりをしてもらった。
芝田は、淋しかったのだけれども
心が洗脳されて、交感神経が活発に活動して
甲状腺にも問題が出る程だった。
いろんなものが、挑んでくるような
妄想に取り付かれていて。
それは、洗脳セミナーで
多数の人間から罵倒されたせいだった。
でも、その催眠から
かつての憧れだったアイドルが
解く。
魔法のような事だ。
深夜まで、放送が続き
終わる。
アマチュア無線の会話が続いているところに
加藤も、ブレークして入る。
ブレークどうぞ、と芝田が答える。
コールサインを加藤が言うが
芝田は平然と返答をする。
「しばらく」
無線では、紳士的に振る舞うのがマナー。
長らく絶交されていた加藤だとはいえ
声の調子では、催眠に掛かっている
ようには感じられなかったので
加藤は、芝田に電話を掛けて
催眠術を解くキーワードであるかと
思われる言葉を幾つか語る。
洗脳セミナーでは、企業への忠誠を
植え付け、闘争的に働くように言葉で
催眠術を掛ける。
その多くは、日本を侵略しようとする
外国人の意図である。
だが、催眠術を解くほど強い衝撃が
今夜の芝田にはあった。
長らく忘れていたアイドルのイメージ。
年を取っても、そう、木綿のハンカチーフに
象徴されるような
優しさは変わらない。
そういうものが、芝田のどこかに
眠っていたのだ。
概ね、人の行動はイメージに
支配されるから
闘争的なものばかり見聞きしていると
そういうイメージに囚われて
物事が歪んで見えて来る。
駅の改札が混んでいても
心優しい人なら、前の人がもたもたしていても
気にはしないけれど
闘争的な妄想に囚われていると
嫌がらせでわざと、遅くしているんだ。
などと、あらぬ事を考えて
押し退けて行こうなどと考えたりする。
それは、事実誤認であり
認知障害なのだけれども
闘争的な事ばかり連想するように
心がプログラムされてしまうと
そんな風になってしまう。
そのスイッチは、人間ではケミカルスイッチなので
神様は、スイッチを切るように
薬を撒いているのだ。
洗脳セミナーは、言って見れば
悪魔の仕業のようなものだ。
芝田は、礼を述べたように
加藤には聞こえた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
首を切り落とせ
大門美博
経済・企業
日本一のメガバンクで世界でも有数の銀行である川菱東海銀行に勤める山本優輝が、派閥争いや個々の役員たちの思惑、旧財閥の闇に立ち向かう!
第一章から第七章まで書く予定です。
惨虐描写はございません
基本的に一週間に一回ほどの投稿をします。
この小説に登場する人物、団体は現実のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる