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経済界
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RZとRZVは、使われる速度設定が違うだけ
なので
高速で走れば面白いのはRZV。
でも、普通に道路ならRZ。
そういう事なのだけれど
平らに舗装された道が増えた
1978年だからRZも作れた、そんな言い方も
できる。
1970年代には、山奥に行けば
舗装されていない道も多かったから。
それはつまり、国家行政の恩恵に預かっていると言う事だし
オートバイですら、環境適応している事になる。
れーみぃは、パトロールの警官になるために
オートバイの免許を取ったのだけれども
それも、どちらかと言えば
若さ故の行動力が余って、の事のようだった。
でも、それをオートバイで発散できれば
それは健康的だ。
先行するNaomiのRZV、4本のマフラーから
吐き出される青い煙は
意外に静かにたなびいている。
それを見ながら、でも250ccだから
回転を結構上げている、後追いのRZ。
しっかりと腰の落ち着いた加速で
前輪は真っすぐに進んでいる。
いかにも軽量なオートバイらしい加速だけれども
安定性の高い、素晴らしいものだ。
カーブが近づく。
アクセルを緩めて、バイクを傾けるだけで
RZ250は、素直に曲がる。
アクセルを開けば、曲がりながら
後輪だけで走っているような感覚で
いくらでも加速できそうな安心感。
れーみぃは、すっかりRZ250が気に入った。
もっと速くはしれそうな気がする、そういう
オートバイだ。
オートバイの運転だけに集中していると
受験の事や、進路の事など考えなくていいから
気分転換にいいな、そんな風に
カーブを曲がりながら、思う。
広い道に出て、小さな丘に向かって走る。
楽しく走っていると、若い男の子たちは
最新のオートバイで飛ばして行き
「すごいスピード」
鋭くえッヂの効いたデザインなんだけど
れーみぃから見ると、悪魔の顔みたいに見えて。
「ああいうのは、強がりね」と、Naomiも思う。
若い男の子は、エネルギーが余ってるから
運動したがるのだけれど
違うオートバイで競争しても、ただの遊び。
乗ってるバイクの性能が違う事が解るだけだ。
追い越して行くバイクの中には、YZFーR6もあった。
以前、Naomiのおじいちゃんも持っていたけれど
4ストロークのエンジンが好きになれず、
手放してしまった。
14000rpm、と言う高い回転になると
弾みでエンジンが余計に回ってしまうので
道路で乗っていると、停まらない時があって
危ない、と
おじいちゃんは言っていた。
(筆者も持ってましたが、同感です(笑)
速く、簡単に乗れるけれども
載せられている感じで
高いところにシートがあるから
遠隔操作しているようか感じで
走っている実感に乏しく、楽しくなくて
やっぱり、古いけど2ストロークのRZがいいと
言っていたおじいちゃんを、Naomiは
思い出す。
「若い男の子みたいに、競争するなら
早い方がいいんだろうけど」と、Naomiは独り言をいいながら
RZVをカーブさせた。
ブレーキを踏んでも、姿勢はあまり変わらないから
レーサーのように、カーブの内側に
腰をずらして走った方が楽だ。
加速すると、ちょうど
自分の体重が、バイクの後輪に掛かるように
斜め前に乗り出す。
そうすると、丁度良く走れる。
後輪の接地点を捩るように遠心力が掛かるので
加速すると、後輪がカーブを描いてくれる。
エンジンの下に水平に置かれている、RZVのサスペンションユニットは
この時、重心の遥か下にあるから
加速しようとするとき、重心を回転させようとする。
RZ250と逆で、オートバイの前輪を
地面に向ける力になるから
アクセルを開けた瞬間に、前輪にかかる力が増えてしまうので
頑固で重いハンドル感覚になる。
そんな事を考えなくても、バイクは走る(笑)。
ただ、加速するとカーブを直線的に
立ち上がろうとする傾向が強いだけだ。
対するRZ250は優雅ですらある。
適当なエンジンパワーなので、動きも穏やか。
楽しめる範囲で、道路を走れる。
カーブを過ぎて、アクセルを開くと
直線的にアウトカーブへ向かう傾向のある
RZVは、だからアンダーステアと言われて
乗れるライダーは限られた。
200km/hを超えて、コーナーを走れる
オートバイを作る事は、1984年当時は
その程度のものが普通だったから
RZVの原形であるレーサー、YZR500でも
同じ傾向であり、チャンピオンライダー
ケニー・ロバーツ(お父さん)でも
後輪を滑らせて向きを変えていたぐらいで
だから、同じ技術がなければ
RZV500Rをまともに走らせる事は
難しかった。
コーナーの外側に出ていこうとする前輪に
力を加える為に、後輪を逃がす。
TR1なら簡単な事だけれども、RZVで難しいのは一重にバイクの特性、と言うか
フレームが頑丈すぎて曲がらないため、である(笑)。
2010年代のレーサーなら、横方向への
フレーム強度は、適当に捩れるように作られて
自然にしなって曲がれるように出来ているので
250psのレーサーでも、軽快にカーブ出来るのである。
なので、Naomiの目前をYZFーR6が
すごいスピードで走っていても
それは、Naomiの技術が低い訳でもない。
オートバイが進化して、高速で走るように
作られているだけだ。
YZFーR6は、260km/hを可能にするバイクだが
その速度で走っている実感がない(笑筆者実感)
タイヤとフレームの進化で、それを可能にしたのだが
乗っていてあまり面白みのないオートバイである。
安全に高速をだせるレーシングマシンは、そういうものだろう。
競争に勝つためのバイクと、楽しむバイクは
違うのだ。
道路でオートバイの競争をするのは
愚かな事だけれども
Naomiも、若い。
追い越されて次のコーナーに消えてゆく
YZFーR6を追い越したく思った(笑)。
パワーは互角、技術はおそらくNaomiの方が上だろう。
Naomiは「ついてこないでね」と、れーみぃに
手で合図してRZVのギアを2速まで落とし
直線になってから重いスロットルを
全開にした。
ちょっとした段差でも、前輪は空を泳ぎたがるが
ほんの一瞬で、3速で回転は8000。
そのあたりで4速。
速度、180。
カーブに備えて軽くブレーキをかけ
スロットルを開けて回転を合わし、シフトダウン。
ショットガンが発射されるような、2サイクルエンジンの音を響かせて
ギアは2速に落とされる。
コーナーを回っているR6のテールが見える。
減速でフロントフォークを縮ませて
RZV500Rは、前のめりになる。
バイクの右手に身体をずらしながら、
斜め前に。
前ブレーキを離しながら、ゆっくりと
アクセルを開き、身体を左に捩りながらバイクを
左に傾ける。
後ブレーキを離しながらアクセルを大きく開くと
後輪は、外に流れる。
流れ具合をお尻で感じながら(笑)
身体の位置を調整しつつ、一定の横力を
アクセルで与えながらカーブする。
前のタイヤが外に流れようとする傾向は
相変わらずだが
それを、後輪のスライドで相殺する。
1984年のWGPで見られたような、YZR500や
TZ500のスライド走行。
それは、実のところアンダーステアの
対策であったから
スムーズな2輪ドリフトに見えるが
こんな理由である(筆者のRZVも、こんな感じだけれども
ラジアルタイヤを履かせてからは、グリップ走行で十分速く走れるようになった。)
単純に、前輪のグリップが不足していたのだろう。
カーブを、流れるように膨らみながら
抜けてゆくRZV。
タイヤが滑っているので、回転が
ゆったり上がるような、不思議な音を立てるエンジン。
乗っていると、スキーで滑っているような
奇妙な感覚だ。
斜めに傾いたまま滑るのは、独特の感じだ。
車体を起こして、直線的にカーブを
立ち上がると
勢いがついて、R6を抜き去った。
抜き去られたYZFーR6のライダーを
RZV500Rの2ストロークエンジンは
排気煙で包む。
とてもいい香りのオイル。
スモークのスクリーンに、オイルミストが付着するのは
でも、なんとなく。
4ストロークエンジンは、2ストロークの
半分の爆発回数しかないから
同じパワーを出す為に、回転はほとんど2倍
必要だ。
しかし、その為にエンジンは摩擦抵抗に
堪えなくてはならないし
エンジンを通る空気は2倍の速度が必要である。
そんな事は不可能なので、100cc多いと言っても
同じパワーを得る時、高い回転と
摩擦、流体の抵抗に堪えながら
ライダーはエンジンを扱う。
10000rpmを超えて、パワーを搾り出す
4シリンダエンジンは、叫ぶような激しい音と
振動を発する。
それに堪えて回転をキープするだけでも疲れる(笑筆者実感)。
おまけに、回転を上げてしまうと勢いがついてしまって
減速するのに時間が掛かる。
つまり、道路のように
アクシデントが起こりやすいところでは
それが命取りになったりする。
MotoGPマシンでもそれは同様で
コーナーを滑らかには回るが、2サイクルのWGPマシンのように
急激なコーナーリングは見られない。
それは、エンジンの特性によるものである。
この時のYZFーR6ライダーも、RZVに追走しようと
アクセルを大きく開けて加速を試みたが
10000rpmを超えた回転の勢いは、一定で回りたがる傾向で
RZVの弾けるような回転の上昇には
ついで行けない。
加速を始めたと思うと、コーナー。
減速を試みると、勢いのついたエンジンは
遅れて減速を始める、と
狭い道路で乗るには、全く疲れる(笑実感である。)
オーバースピードでカーブに進入しても
さほど困る事はない。
フレームが柔らかくしなるので、上手く
コーナーをいなしてくれるが
一度タイヤがスライドを始めると
制御は難しい。
捩れたフレームの動きを予測するのが。
(笑実感である。それなので峠での事故が多い。)
言ってみれば、フレームの能力を
超えてはいけない乗り物なのである。
この時のYZFーR6ライダーも、それで
追走を諦め、減速した。
ところに、れーみぃの乗る
RZ250が追い越して行く(笑)。
4ストロークエンジンは、スプリントに
向かない代物なのは
グランプリレーシングの歴史が証明した
通りである。
丘を登りきったところで
道は右にカーブしていて
左手に展望台がある、パーキングは細かい砂利が敷いてある。
スローダウンしたNaomiは、ついてきたRZ250のれーみぃを見つけて
左にウィンカーを出して、パーキングに誘った。
「バイクって面白いでしょ」と、Naomiが言うと
れーみぃは「うん!」と、ひとことだけ言い
RZ250のエンジンを止めた。
RZVのエンジンも止めると、静かな山に
遠く、YZFーR6のエンジン音が聞こえた。
近づくそのサウンドは、のんびりとしている。
「こっち来るね」
「怒ってるかなぁ」
そう、口々に言っていると
赤白の華やかなR6は、静かに減速して
パーキングの、少し離れたあたりに
バイクを止めた。
レザーのレーシングスーツと、ブーツと
ヘルメット。
良く見ると、割とレーサーっぽい服装。
ヘルメットを取った青年は、ブロンドの
爽やかな表情だった。
「速いね」それだけを言って
にこにこと微笑んだ。
バイクを下りて、こっちへ来る。
「僕はレイモン、駆け出しのレーサーさ」と言って、にこにこ。
Naomiは笑って「レーサーって、道路で飛ばさないんでしょ?」
「そう。怖くてね。道路は滑るし、対向車はあるし。一度、サーキットにおいでよ。」と、レイモンは近くにあるサーキットの名前を告げた。
「そこに、僕のレーシングチームがいつもいるから。」と言ってレイモンは、笑っていたら
小鳥の囀りに混じって、重々しい4ストロークのバイクの音が聞こえる。
ギアの音を含んだ、重量感のある音。
その、重々しい排気音の主は
青い回転灯を光らせながら
現れた。
Kawasaki Police1000。
「すごいスピードだったねぇ」
短髪で日焼けした青年は、白バイから下りた。
「ハイウェイパトロール!」れーみぃは
笑顔になった。
短髪の警官は笑い「おや、お嬢さん?こないだ詰所に来てなかった?」
れーみぃはどっきり「は、はいっ!あたし、ハイウェイパトロールになりたいんです!」
警官は、レイモンより少し年上だろうか。
「やめた方がいいよー、危ないし。白バイは」と、白い歯を見せた。
爽やかな彼は、オートバイ乗りらしい
スポーティーな感じだ。
「あ、それはそうと。結構飛ばしてたお嬢さん?すごかったねぇ。白バイで追いつかなかったもの。でも、危ないよー。飛ばすならサーキットでね」(筆者が言われた言葉です。茨城県警に、常磐道で(笑)。
白バイのスピードメーターは、振り切って停止していた(笑)。
それでも、追尾できなかったから
証拠不十分で、無罪(笑、これも筆者の経験です。パトカーのセンターコンソールにあるメーターは振り切って停止していました。)
爽やかな警官は、白バイに跨がると
綺麗にUターンして峠を下って行った。
重々しい排気音は、やがてカーブの向こうに消えて。
「かーっこいい!」と、れーみぃは
憧れを瞳に映す。
「そだね」Naomiも、笑顔。
「飛ばすならサーキットにね」レイモンは
にこにこ。
「考えとく」Naomiはちょっと、謎めいて
微笑む。
そういう顔をすると、スーパーモデルっぽい
スタイルによく似合うけど
笑顔になると、18才なりの雰囲気で
アンバランスなところが、なんとなく
今のNaomiらしい。
レイモンは、長い脚をひらり、と
R6の後ろから回して
シートに乗った。
車体が高いR6でも、余るくらいの脚の長さで
「あれじゃないと乗れないのね」と、れーみぃは笑った。
小柄なれーみぃじゃあ、とっても足が届かないほど
R6のシートは高いのだけれども(815mmだ。筆者でも両方の踵は着かないけれど、1970年代の750ccはみんな、そんなものだった)。
ライダーが高いところに乗っていると、
バイクを傾けるのは楽だ。
でも、その分乗っている実感は少なくなるし
タイアが滑った時に立て直しにくい。
そんなところもレース用のR6で、ひたすら
早く走るだけのために作られたバイク、で
RZのような、楽しむバイクとはちょっと違う。
レイモンは、ひゅう、と
エンジンを掛けて
峠の向こうへ下って行った。
「ちょっと、かっこよかったね」れーみぃが言うと
Naomiは「うん。じゃ、あれは
れーみぃにあげよう」と、笑顔になって。
「要らないよぉ」と、れーみぃも笑って
RZ250の軽いキックを踏んで、エンジンを掛けた。
もう、夕日が傾く。
軽いRZ250のエンジン音と、
なぜか少し重いRZV500Rのエンジン音が並んで。
れーみぃは「なんで、この2台は日本から輸入したの?」と、細かい事に気づく。
注意書きのステッカーが日本語なのだ。
「ああ、RZVはね、ヨーロッパ仕様はフレームがスチールなの。それで。RZ250はよくわかんないけど」と、Naomiは笑った。
どっちもヨーロッパ仕様ならRD、と言う名前で
少し、サスペンションも硬く出来ていて
Naomiたちのような女の子が乗るなら、日本仕様の柔らかいサスペンションの方が面白いと
おじいちゃんは思ったのかもしれない。
「さ、下ろうか。れーみぃはそのバイク、乗ってっていいわよ。」と、Naomi。
「ほーんとぉ?ありがと」と、れーみぃはまんまるの笑顔で喜んだ。
坂道を、ゆっくりと下っていった
Naomiとれーみぃ。
のんびりと走っていると、2ストロークは
時々点火せずに4ストロークや6ストロークになるので(笑)
のどかで、それはそれでまた楽しい。
ぽんぽんぽん、と
のどかな
排気音を聞きながら坂道を下っていると
聞き覚えのある排気音、4ストロークの
軽い排気音が
峠の向こうから戻って来た。
YZFーR6、レイモンだ。
「なんで?」と、れーみぃが思っている合間もなく
R6のレイモンは、ふざけて「いーひぃ」と
れーみぃのお尻を撫でる振りをして、追い越して行った。
「おのれ!変態フランス人!」と、Naomiは
また、シフトダウンしてR6を追い掛けて行って(笑)
今度は、下り坂なので
R6も速い。
元々、RZVは下り坂が苦手なのだ。
れーみぃは、あっけ(笑)「あの二人、相性良さそう」 なんて言いながら
のんびりとRZ250のアクセルを開けたり、
戻したり。
その度にエンジンが、のどかに
ぽんぽん、ぱらん、ぱらん、と
言葉のように排気音を奏でるのが
楽しくて。
そうやって、れーみぃは
エンジンの音を楽しんだ。
修 道院で別れた、めぐとリサは
明日、学校でね、と
家路に就いた。
高校生じゃない、ななは
とりあえずする事もないし、お金もない(笑)
けれど、思い出す。「IDカードでお金の代わりに」
魔法のエネルギー源(笑)のおかげで
日本や、遠いアメリカとかでは
国民の誰でもが、枯れる事のないエネルギー源を持つ事が出来たので
例えばそれを取引する事で、お金の代わりに
する事が出来た事を
つい昨日、買い出しで知った。
「これで、飛行機に乗れるかな?」
とりあえず当てもなく修道院から歩いて
丘を下って行くと、路面電車の
見覚えのある通りへ出たので
街角を見渡して、飛行機の切符を売ってそうな
場所を探す。
あっちかな?
当てもなくぶらぶら歩いて、辿り着いた場所は
路面電車の切符を売っている、市営の観光案内所のようなところだった。
そこで、ななは聞いてみて驚く。
「日本行きの飛行機はどこから出ています?」
切符売りのお姉さんは、優しげに
穴の開いた透明な樹脂の窓の向こうで
「日本行きは、この街からは出てないし
日本に行く人もあまり居ないから、
イギリスに行った方が早いわね」
「えーーーーー!??」と、日本語で言ってしまったら
お姉さんは、変な言葉に笑い
「日本や、アメリカは経済が停滞してるらしいわね。ニュース見なかった?変なエネルギーが出来たせいで国も仕事をしなくなったから
飛行機も滅多に飛ばなくなったの。」
なので
高速で走れば面白いのはRZV。
でも、普通に道路ならRZ。
そういう事なのだけれど
平らに舗装された道が増えた
1978年だからRZも作れた、そんな言い方も
できる。
1970年代には、山奥に行けば
舗装されていない道も多かったから。
それはつまり、国家行政の恩恵に預かっていると言う事だし
オートバイですら、環境適応している事になる。
れーみぃは、パトロールの警官になるために
オートバイの免許を取ったのだけれども
それも、どちらかと言えば
若さ故の行動力が余って、の事のようだった。
でも、それをオートバイで発散できれば
それは健康的だ。
先行するNaomiのRZV、4本のマフラーから
吐き出される青い煙は
意外に静かにたなびいている。
それを見ながら、でも250ccだから
回転を結構上げている、後追いのRZ。
しっかりと腰の落ち着いた加速で
前輪は真っすぐに進んでいる。
いかにも軽量なオートバイらしい加速だけれども
安定性の高い、素晴らしいものだ。
カーブが近づく。
アクセルを緩めて、バイクを傾けるだけで
RZ250は、素直に曲がる。
アクセルを開けば、曲がりながら
後輪だけで走っているような感覚で
いくらでも加速できそうな安心感。
れーみぃは、すっかりRZ250が気に入った。
もっと速くはしれそうな気がする、そういう
オートバイだ。
オートバイの運転だけに集中していると
受験の事や、進路の事など考えなくていいから
気分転換にいいな、そんな風に
カーブを曲がりながら、思う。
広い道に出て、小さな丘に向かって走る。
楽しく走っていると、若い男の子たちは
最新のオートバイで飛ばして行き
「すごいスピード」
鋭くえッヂの効いたデザインなんだけど
れーみぃから見ると、悪魔の顔みたいに見えて。
「ああいうのは、強がりね」と、Naomiも思う。
若い男の子は、エネルギーが余ってるから
運動したがるのだけれど
違うオートバイで競争しても、ただの遊び。
乗ってるバイクの性能が違う事が解るだけだ。
追い越して行くバイクの中には、YZFーR6もあった。
以前、Naomiのおじいちゃんも持っていたけれど
4ストロークのエンジンが好きになれず、
手放してしまった。
14000rpm、と言う高い回転になると
弾みでエンジンが余計に回ってしまうので
道路で乗っていると、停まらない時があって
危ない、と
おじいちゃんは言っていた。
(筆者も持ってましたが、同感です(笑)
速く、簡単に乗れるけれども
載せられている感じで
高いところにシートがあるから
遠隔操作しているようか感じで
走っている実感に乏しく、楽しくなくて
やっぱり、古いけど2ストロークのRZがいいと
言っていたおじいちゃんを、Naomiは
思い出す。
「若い男の子みたいに、競争するなら
早い方がいいんだろうけど」と、Naomiは独り言をいいながら
RZVをカーブさせた。
ブレーキを踏んでも、姿勢はあまり変わらないから
レーサーのように、カーブの内側に
腰をずらして走った方が楽だ。
加速すると、ちょうど
自分の体重が、バイクの後輪に掛かるように
斜め前に乗り出す。
そうすると、丁度良く走れる。
後輪の接地点を捩るように遠心力が掛かるので
加速すると、後輪がカーブを描いてくれる。
エンジンの下に水平に置かれている、RZVのサスペンションユニットは
この時、重心の遥か下にあるから
加速しようとするとき、重心を回転させようとする。
RZ250と逆で、オートバイの前輪を
地面に向ける力になるから
アクセルを開けた瞬間に、前輪にかかる力が増えてしまうので
頑固で重いハンドル感覚になる。
そんな事を考えなくても、バイクは走る(笑)。
ただ、加速するとカーブを直線的に
立ち上がろうとする傾向が強いだけだ。
対するRZ250は優雅ですらある。
適当なエンジンパワーなので、動きも穏やか。
楽しめる範囲で、道路を走れる。
カーブを過ぎて、アクセルを開くと
直線的にアウトカーブへ向かう傾向のある
RZVは、だからアンダーステアと言われて
乗れるライダーは限られた。
200km/hを超えて、コーナーを走れる
オートバイを作る事は、1984年当時は
その程度のものが普通だったから
RZVの原形であるレーサー、YZR500でも
同じ傾向であり、チャンピオンライダー
ケニー・ロバーツ(お父さん)でも
後輪を滑らせて向きを変えていたぐらいで
だから、同じ技術がなければ
RZV500Rをまともに走らせる事は
難しかった。
コーナーの外側に出ていこうとする前輪に
力を加える為に、後輪を逃がす。
TR1なら簡単な事だけれども、RZVで難しいのは一重にバイクの特性、と言うか
フレームが頑丈すぎて曲がらないため、である(笑)。
2010年代のレーサーなら、横方向への
フレーム強度は、適当に捩れるように作られて
自然にしなって曲がれるように出来ているので
250psのレーサーでも、軽快にカーブ出来るのである。
なので、Naomiの目前をYZFーR6が
すごいスピードで走っていても
それは、Naomiの技術が低い訳でもない。
オートバイが進化して、高速で走るように
作られているだけだ。
YZFーR6は、260km/hを可能にするバイクだが
その速度で走っている実感がない(笑筆者実感)
タイヤとフレームの進化で、それを可能にしたのだが
乗っていてあまり面白みのないオートバイである。
安全に高速をだせるレーシングマシンは、そういうものだろう。
競争に勝つためのバイクと、楽しむバイクは
違うのだ。
道路でオートバイの競争をするのは
愚かな事だけれども
Naomiも、若い。
追い越されて次のコーナーに消えてゆく
YZFーR6を追い越したく思った(笑)。
パワーは互角、技術はおそらくNaomiの方が上だろう。
Naomiは「ついてこないでね」と、れーみぃに
手で合図してRZVのギアを2速まで落とし
直線になってから重いスロットルを
全開にした。
ちょっとした段差でも、前輪は空を泳ぎたがるが
ほんの一瞬で、3速で回転は8000。
そのあたりで4速。
速度、180。
カーブに備えて軽くブレーキをかけ
スロットルを開けて回転を合わし、シフトダウン。
ショットガンが発射されるような、2サイクルエンジンの音を響かせて
ギアは2速に落とされる。
コーナーを回っているR6のテールが見える。
減速でフロントフォークを縮ませて
RZV500Rは、前のめりになる。
バイクの右手に身体をずらしながら、
斜め前に。
前ブレーキを離しながら、ゆっくりと
アクセルを開き、身体を左に捩りながらバイクを
左に傾ける。
後ブレーキを離しながらアクセルを大きく開くと
後輪は、外に流れる。
流れ具合をお尻で感じながら(笑)
身体の位置を調整しつつ、一定の横力を
アクセルで与えながらカーブする。
前のタイヤが外に流れようとする傾向は
相変わらずだが
それを、後輪のスライドで相殺する。
1984年のWGPで見られたような、YZR500や
TZ500のスライド走行。
それは、実のところアンダーステアの
対策であったから
スムーズな2輪ドリフトに見えるが
こんな理由である(筆者のRZVも、こんな感じだけれども
ラジアルタイヤを履かせてからは、グリップ走行で十分速く走れるようになった。)
単純に、前輪のグリップが不足していたのだろう。
カーブを、流れるように膨らみながら
抜けてゆくRZV。
タイヤが滑っているので、回転が
ゆったり上がるような、不思議な音を立てるエンジン。
乗っていると、スキーで滑っているような
奇妙な感覚だ。
斜めに傾いたまま滑るのは、独特の感じだ。
車体を起こして、直線的にカーブを
立ち上がると
勢いがついて、R6を抜き去った。
抜き去られたYZFーR6のライダーを
RZV500Rの2ストロークエンジンは
排気煙で包む。
とてもいい香りのオイル。
スモークのスクリーンに、オイルミストが付着するのは
でも、なんとなく。
4ストロークエンジンは、2ストロークの
半分の爆発回数しかないから
同じパワーを出す為に、回転はほとんど2倍
必要だ。
しかし、その為にエンジンは摩擦抵抗に
堪えなくてはならないし
エンジンを通る空気は2倍の速度が必要である。
そんな事は不可能なので、100cc多いと言っても
同じパワーを得る時、高い回転と
摩擦、流体の抵抗に堪えながら
ライダーはエンジンを扱う。
10000rpmを超えて、パワーを搾り出す
4シリンダエンジンは、叫ぶような激しい音と
振動を発する。
それに堪えて回転をキープするだけでも疲れる(笑筆者実感)。
おまけに、回転を上げてしまうと勢いがついてしまって
減速するのに時間が掛かる。
つまり、道路のように
アクシデントが起こりやすいところでは
それが命取りになったりする。
MotoGPマシンでもそれは同様で
コーナーを滑らかには回るが、2サイクルのWGPマシンのように
急激なコーナーリングは見られない。
それは、エンジンの特性によるものである。
この時のYZFーR6ライダーも、RZVに追走しようと
アクセルを大きく開けて加速を試みたが
10000rpmを超えた回転の勢いは、一定で回りたがる傾向で
RZVの弾けるような回転の上昇には
ついで行けない。
加速を始めたと思うと、コーナー。
減速を試みると、勢いのついたエンジンは
遅れて減速を始める、と
狭い道路で乗るには、全く疲れる(笑実感である。)
オーバースピードでカーブに進入しても
さほど困る事はない。
フレームが柔らかくしなるので、上手く
コーナーをいなしてくれるが
一度タイヤがスライドを始めると
制御は難しい。
捩れたフレームの動きを予測するのが。
(笑実感である。それなので峠での事故が多い。)
言ってみれば、フレームの能力を
超えてはいけない乗り物なのである。
この時のYZFーR6ライダーも、それで
追走を諦め、減速した。
ところに、れーみぃの乗る
RZ250が追い越して行く(笑)。
4ストロークエンジンは、スプリントに
向かない代物なのは
グランプリレーシングの歴史が証明した
通りである。
丘を登りきったところで
道は右にカーブしていて
左手に展望台がある、パーキングは細かい砂利が敷いてある。
スローダウンしたNaomiは、ついてきたRZ250のれーみぃを見つけて
左にウィンカーを出して、パーキングに誘った。
「バイクって面白いでしょ」と、Naomiが言うと
れーみぃは「うん!」と、ひとことだけ言い
RZ250のエンジンを止めた。
RZVのエンジンも止めると、静かな山に
遠く、YZFーR6のエンジン音が聞こえた。
近づくそのサウンドは、のんびりとしている。
「こっち来るね」
「怒ってるかなぁ」
そう、口々に言っていると
赤白の華やかなR6は、静かに減速して
パーキングの、少し離れたあたりに
バイクを止めた。
レザーのレーシングスーツと、ブーツと
ヘルメット。
良く見ると、割とレーサーっぽい服装。
ヘルメットを取った青年は、ブロンドの
爽やかな表情だった。
「速いね」それだけを言って
にこにこと微笑んだ。
バイクを下りて、こっちへ来る。
「僕はレイモン、駆け出しのレーサーさ」と言って、にこにこ。
Naomiは笑って「レーサーって、道路で飛ばさないんでしょ?」
「そう。怖くてね。道路は滑るし、対向車はあるし。一度、サーキットにおいでよ。」と、レイモンは近くにあるサーキットの名前を告げた。
「そこに、僕のレーシングチームがいつもいるから。」と言ってレイモンは、笑っていたら
小鳥の囀りに混じって、重々しい4ストロークのバイクの音が聞こえる。
ギアの音を含んだ、重量感のある音。
その、重々しい排気音の主は
青い回転灯を光らせながら
現れた。
Kawasaki Police1000。
「すごいスピードだったねぇ」
短髪で日焼けした青年は、白バイから下りた。
「ハイウェイパトロール!」れーみぃは
笑顔になった。
短髪の警官は笑い「おや、お嬢さん?こないだ詰所に来てなかった?」
れーみぃはどっきり「は、はいっ!あたし、ハイウェイパトロールになりたいんです!」
警官は、レイモンより少し年上だろうか。
「やめた方がいいよー、危ないし。白バイは」と、白い歯を見せた。
爽やかな彼は、オートバイ乗りらしい
スポーティーな感じだ。
「あ、それはそうと。結構飛ばしてたお嬢さん?すごかったねぇ。白バイで追いつかなかったもの。でも、危ないよー。飛ばすならサーキットでね」(筆者が言われた言葉です。茨城県警に、常磐道で(笑)。
白バイのスピードメーターは、振り切って停止していた(笑)。
それでも、追尾できなかったから
証拠不十分で、無罪(笑、これも筆者の経験です。パトカーのセンターコンソールにあるメーターは振り切って停止していました。)
爽やかな警官は、白バイに跨がると
綺麗にUターンして峠を下って行った。
重々しい排気音は、やがてカーブの向こうに消えて。
「かーっこいい!」と、れーみぃは
憧れを瞳に映す。
「そだね」Naomiも、笑顔。
「飛ばすならサーキットにね」レイモンは
にこにこ。
「考えとく」Naomiはちょっと、謎めいて
微笑む。
そういう顔をすると、スーパーモデルっぽい
スタイルによく似合うけど
笑顔になると、18才なりの雰囲気で
アンバランスなところが、なんとなく
今のNaomiらしい。
レイモンは、長い脚をひらり、と
R6の後ろから回して
シートに乗った。
車体が高いR6でも、余るくらいの脚の長さで
「あれじゃないと乗れないのね」と、れーみぃは笑った。
小柄なれーみぃじゃあ、とっても足が届かないほど
R6のシートは高いのだけれども(815mmだ。筆者でも両方の踵は着かないけれど、1970年代の750ccはみんな、そんなものだった)。
ライダーが高いところに乗っていると、
バイクを傾けるのは楽だ。
でも、その分乗っている実感は少なくなるし
タイアが滑った時に立て直しにくい。
そんなところもレース用のR6で、ひたすら
早く走るだけのために作られたバイク、で
RZのような、楽しむバイクとはちょっと違う。
レイモンは、ひゅう、と
エンジンを掛けて
峠の向こうへ下って行った。
「ちょっと、かっこよかったね」れーみぃが言うと
Naomiは「うん。じゃ、あれは
れーみぃにあげよう」と、笑顔になって。
「要らないよぉ」と、れーみぃも笑って
RZ250の軽いキックを踏んで、エンジンを掛けた。
もう、夕日が傾く。
軽いRZ250のエンジン音と、
なぜか少し重いRZV500Rのエンジン音が並んで。
れーみぃは「なんで、この2台は日本から輸入したの?」と、細かい事に気づく。
注意書きのステッカーが日本語なのだ。
「ああ、RZVはね、ヨーロッパ仕様はフレームがスチールなの。それで。RZ250はよくわかんないけど」と、Naomiは笑った。
どっちもヨーロッパ仕様ならRD、と言う名前で
少し、サスペンションも硬く出来ていて
Naomiたちのような女の子が乗るなら、日本仕様の柔らかいサスペンションの方が面白いと
おじいちゃんは思ったのかもしれない。
「さ、下ろうか。れーみぃはそのバイク、乗ってっていいわよ。」と、Naomi。
「ほーんとぉ?ありがと」と、れーみぃはまんまるの笑顔で喜んだ。
坂道を、ゆっくりと下っていった
Naomiとれーみぃ。
のんびりと走っていると、2ストロークは
時々点火せずに4ストロークや6ストロークになるので(笑)
のどかで、それはそれでまた楽しい。
ぽんぽんぽん、と
のどかな
排気音を聞きながら坂道を下っていると
聞き覚えのある排気音、4ストロークの
軽い排気音が
峠の向こうから戻って来た。
YZFーR6、レイモンだ。
「なんで?」と、れーみぃが思っている合間もなく
R6のレイモンは、ふざけて「いーひぃ」と
れーみぃのお尻を撫でる振りをして、追い越して行った。
「おのれ!変態フランス人!」と、Naomiは
また、シフトダウンしてR6を追い掛けて行って(笑)
今度は、下り坂なので
R6も速い。
元々、RZVは下り坂が苦手なのだ。
れーみぃは、あっけ(笑)「あの二人、相性良さそう」 なんて言いながら
のんびりとRZ250のアクセルを開けたり、
戻したり。
その度にエンジンが、のどかに
ぽんぽん、ぱらん、ぱらん、と
言葉のように排気音を奏でるのが
楽しくて。
そうやって、れーみぃは
エンジンの音を楽しんだ。
修 道院で別れた、めぐとリサは
明日、学校でね、と
家路に就いた。
高校生じゃない、ななは
とりあえずする事もないし、お金もない(笑)
けれど、思い出す。「IDカードでお金の代わりに」
魔法のエネルギー源(笑)のおかげで
日本や、遠いアメリカとかでは
国民の誰でもが、枯れる事のないエネルギー源を持つ事が出来たので
例えばそれを取引する事で、お金の代わりに
する事が出来た事を
つい昨日、買い出しで知った。
「これで、飛行機に乗れるかな?」
とりあえず当てもなく修道院から歩いて
丘を下って行くと、路面電車の
見覚えのある通りへ出たので
街角を見渡して、飛行機の切符を売ってそうな
場所を探す。
あっちかな?
当てもなくぶらぶら歩いて、辿り着いた場所は
路面電車の切符を売っている、市営の観光案内所のようなところだった。
そこで、ななは聞いてみて驚く。
「日本行きの飛行機はどこから出ています?」
切符売りのお姉さんは、優しげに
穴の開いた透明な樹脂の窓の向こうで
「日本行きは、この街からは出てないし
日本に行く人もあまり居ないから、
イギリスに行った方が早いわね」
「えーーーーー!??」と、日本語で言ってしまったら
お姉さんは、変な言葉に笑い
「日本や、アメリカは経済が停滞してるらしいわね。ニュース見なかった?変なエネルギーが出来たせいで国も仕事をしなくなったから
飛行機も滅多に飛ばなくなったの。」
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