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風と
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クラーレの歌声に、めぐは
ニューヨークのR&Bピアニスト、リチャード・ティーの事を
思い出したりした。
どことなく淋しいようで、でも
明るい元気な音。
それは、彼ら独特のもので
クラーレの歌声に、それがあった。
「いつか、そんな音楽を奏でてみたい」
そう思っても、それがどうしてできるのか
さっぱりわからなかった(笑)。
普通にピアノを弾いても、リチャードは
そういう響きが出せて
クラーレもそうだった。
もしかすると、生まれつき
音の感覚が違うのかも、なんて
めぐは思ったりする。
「そういえば、向こうの世界でMegさんは
ポール・モーリアさんに会って来たって」
さらりとして美しいサウンドは、R&bと
全然違うけれど
そういえば、フランスふうだと
思えない事もなかった。
生まれついた土地や、風土で
好みが違うのは面白いと
めぐは、ちょっとそんなふうに思う。
クラーレの歌声が見事だったので
お皿洗いを、しばし忘れて(笑)。
ほんの一瞬でも、そういう時があると
楽しい。
でも、手元が緩んで
ななは、お皿を流しに当てて
割ってしまった。
「あーあ。」と、ななは
物の溢れた日本のつもりで
割れた事が大変だとも感じなかったけど
歌ってたクラーレは、歌をやめて
「あららら。お皿がかわいそう。
銀で継げるかしら」と、
捨てようとしていたななに言った。
「買えばいいのに」と、便利な日本の
感覚でいる、なな。
「買ってもいいけど、使えれば直すのもいいね」と、スレッジ。
「銀で継ぐ方がお金かかるよ」と、ななは
日本の感覚で。
100円ショップで、いくらでも買える。
そんな風にも思ったりする。
使えなくなったら捨てる。
そんな考えも、渡来の考えだ。
ななたちが
していたような派遣も
そういう、渡来の考えで
使えなくなったら捨てる、そういう
身勝手な資本家の考え方で
思いやりがなくて、だから
ななも、それで仕事を辞めたのだけれども
知らないうちに、なな自身が
そういう考え方に慣れてしまっていた事に
驚き、少し怖くなった。
「それで、神様はこっちの国に呼んだのかな」と、ななは少し、あの変な神様を
見直した(笑)。
日本に居たら、と
ななは思った。
お皿が割れたら
買い替えに金がかかるとか(笑)いう損得基準だったり
持ち主に叱られるとか
上司に怒られるとか言う
やっぱり責任回避の損得(笑)
発覚しなければいいと言う狡い感覚だったり(笑)
基準がいい加減だから、なんとなく
すっきりしなかった。
でも、本当は日本だって
大切にしているものはあって
お皿が割れたら、そのお皿と
一緒に過ごした思い出とか、そういうものが
あるから
お皿を大切にして。
割れたら、直して使うと
割れた事も思い出になる。
優しい気持ちのひとたちが、日本の人達だった。
ニューヨークのR&Bピアニスト、リチャード・ティーの事を
思い出したりした。
どことなく淋しいようで、でも
明るい元気な音。
それは、彼ら独特のもので
クラーレの歌声に、それがあった。
「いつか、そんな音楽を奏でてみたい」
そう思っても、それがどうしてできるのか
さっぱりわからなかった(笑)。
普通にピアノを弾いても、リチャードは
そういう響きが出せて
クラーレもそうだった。
もしかすると、生まれつき
音の感覚が違うのかも、なんて
めぐは思ったりする。
「そういえば、向こうの世界でMegさんは
ポール・モーリアさんに会って来たって」
さらりとして美しいサウンドは、R&bと
全然違うけれど
そういえば、フランスふうだと
思えない事もなかった。
生まれついた土地や、風土で
好みが違うのは面白いと
めぐは、ちょっとそんなふうに思う。
クラーレの歌声が見事だったので
お皿洗いを、しばし忘れて(笑)。
ほんの一瞬でも、そういう時があると
楽しい。
でも、手元が緩んで
ななは、お皿を流しに当てて
割ってしまった。
「あーあ。」と、ななは
物の溢れた日本のつもりで
割れた事が大変だとも感じなかったけど
歌ってたクラーレは、歌をやめて
「あららら。お皿がかわいそう。
銀で継げるかしら」と、
捨てようとしていたななに言った。
「買えばいいのに」と、便利な日本の
感覚でいる、なな。
「買ってもいいけど、使えれば直すのもいいね」と、スレッジ。
「銀で継ぐ方がお金かかるよ」と、ななは
日本の感覚で。
100円ショップで、いくらでも買える。
そんな風にも思ったりする。
使えなくなったら捨てる。
そんな考えも、渡来の考えだ。
ななたちが
していたような派遣も
そういう、渡来の考えで
使えなくなったら捨てる、そういう
身勝手な資本家の考え方で
思いやりがなくて、だから
ななも、それで仕事を辞めたのだけれども
知らないうちに、なな自身が
そういう考え方に慣れてしまっていた事に
驚き、少し怖くなった。
「それで、神様はこっちの国に呼んだのかな」と、ななは少し、あの変な神様を
見直した(笑)。
日本に居たら、と
ななは思った。
お皿が割れたら
買い替えに金がかかるとか(笑)いう損得基準だったり
持ち主に叱られるとか
上司に怒られるとか言う
やっぱり責任回避の損得(笑)
発覚しなければいいと言う狡い感覚だったり(笑)
基準がいい加減だから、なんとなく
すっきりしなかった。
でも、本当は日本だって
大切にしているものはあって
お皿が割れたら、そのお皿と
一緒に過ごした思い出とか、そういうものが
あるから
お皿を大切にして。
割れたら、直して使うと
割れた事も思い出になる。
優しい気持ちのひとたちが、日本の人達だった。
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