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第三十五話 「人を壊して回るのが趣味なんだから」
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心なしか、自分の呼吸が浅い。脂汗がでて、息苦しい。ラウリは目の前の橙色の液体を注視した。
「……喉が渇きました。頂いてもいいですか?」
ジュリアンは、にっこりと笑う。
「君のために用意させた朝食だよ。王都まで長いだろう、サンドイッチも食べなさい。遠慮はいらないよ」
「ありがとうございます」
だが、見た目は最高級のオレンジジュースとサンドイッチは何故か、味がしなかった。液体の冷たさは感じたものの、あとは砂を喉に流し込んでいるようだ。それでも、ラウリは今取り入れたばかりの情報を体内から押し出し消してしまおうと、がむしゃらに食べ物を摂取するしかなかった。本当に消してしまえれば、どんなに良かったか。
人がその光景を見たらさぞ驚くだろう。大貴族の麗しき当主と、平民の侍従の少年。天と地の地位の差があるにも関わらず、向かい合って食事をしている。そのうえで少年の食事マナーは最低で、当主はそれを愉しそうに見つめていた。
「だから、君が貴族の子弟と同じ教育を受けていることを重く捉えないでほしい。これはわたしたち家族の贖罪なのだから」
ジュリアンの清らかな笑顔を目にして、ラウリは急に吐き気を覚える。食べたばかりのモノを戻さなかったのは幸いだ。さすがに無礼が過ぎる。
金髪の当主が爽やかに去り、ラウリは深く垂れた首をあげるとふらふらと馬車止めに戻る。朝からどっと疲れて、馬車で座れることをこれほどありがたく感じることはなかった。そのとき、丁度ウーノがエントランスから出てくる。白皙の頬に、赤い手形が浮いていた。
馬車が出るなり、ラウリはいつもの習慣でウーノの頬の具合を確認した。
「ひどい顔だな。誰にやられたんだ? ……メイドか?」
女絡みに違いないと、薬箱から塗り薬を出す。ウーノはたいして落ち込んでおらず、普段と変わらぬ天使の微笑みを浮かべた。
「母上だよ。おまえこそ酷い顔色だぞ。兄さんに捕まったんだろ? 気を付けろよ。あの顔で蛇みたいな性格なんだ。どうしてか、人を壊して回るのが趣味なんだから」
ラウリの背中がぞくっとして、塗り薬を落としそうになる。
――俺は、玩具にされたのか。
妙に腑に落ちた。ジュリアンは暇つぶしの玩具を馬車止めの前で拾って、あの風通しの良い東屋でそれが自分の言葉ひとつで勝手に壊れていくのを愉しんでいたのだ。
ウーノは言わんこっちゃない、と額に手のひらを押し当てる。
「何を言われたか知らないが、全力で忘れろ。代わりに、女の裸でも思い浮かべるんだ」
女の裸なんか見たことない。ラウリはそう言い返そうとしたが、藪蛇になるのでやめておいた。無言でウーノの頬にクスリを広げ、話題を変える。
「おまえは、なんで遅かったんだよ?」
ウーノは『昨日、猫見た』程度の軽いノリで返してきた。
「夜這いされたんだよ。てっきり新入りのメイドだと思ってありがたく頂戴したら、なんと行儀見習いのために家で預かっていた子爵令嬢だったんだ。もう母上がカンカンに怒ってさ、とばっちりもいいところだよ。僕はただ出されたデザートを食べただけなのに」
ラウリは開いた口がふさがらなかった。どこから突っ込んでいいのか、分からない。だいたい前提が間違っている。メイドは屋敷を綺麗に保つために雇われているわけであり、ドラ息子がありがたく頂戴するために置かれているわけではない。
――兄貴が蛇なら、弟はクズだろ。
豚は近しい血ばかりで繁殖させると、良質の肉が取れなくなるという。この国の貴族は全人口の一パーセントにしか満たないのに貴族同士で結婚することに捉われすぎていて、その異常さに気づいていないと外国人の教授が発言して罷免されたことがあった。今ラウリは身をもって、それに同意する。
――先生は正しかった!
ウーノは何を思ったか、ラウリの肩を抱き寄せると、その耳元で囁いてきた。
「ラウリ、お前まだ童貞だろ? 今度、とびっきりのお姉ちゃん紹介してやるよ」
「俺はいいよ」
ウーノに着いたままの女物の香水が、ラウリの鼻孔を刺激する。香しいけれど、すこし怖かった。
「遠慮すんなよ。アーリエっていう、二十五歳の巨乳美女」
「ばっ! それ、養護の先生だろ……っ!?」
呆れた。夜中に寮を抜けようとするウーノについて行こうとして、何度か断られたことがあった。まさか、学生たちにも人気の高い保健医のもとへ通っていたとは。
――俺たち、まだピュアピュアの十四歳のはずだぞ!
今朝のラウリは立て続けにショックを受けすぎて、瀕死状態だ。もう、祖母と家政婦のマルヤの居る家に帰りたかった。祖母ちゃんの作った激マズプリンが食いたい。
「そうだけど心配するなって。アーリエちゃん、医者だからケアは完璧だし。上に乗るのが好きだから、こっちは何もしなくていいし我を忘れるほど気持ちいいんだぜ。童貞のおまえにぴったりだろ?」
我を忘れるほど気持ちいいと、どういう気持ちよさなのだろう? ラウリは保健医の包帯を巻く器用な手を思い出して、ぎゅんっと息子が反応した。
「はは。ラウリ、勃ちかけてるぞ」
耳元でささやかれて、反射的にウーノを突き放した。顔が真っ赤になって、恥ずかしいし悔しくてたまらない。
「うっせぇ! 死ね!」
「はは、その反応懐かしいな、僕にもそんな時代があったかな?」
「おまえが早く捨てすぎなんだよ! くっそ! 気持ち悪いな!」
「DT、可愛いな。額縁に収めて飾っておきたいくらいだよ」
「黙れってば。その……そんなにいいなら、どうして俺に紹介するなんて言うんだ?」
空気の入れ替えのために馬車の窓を開けたラウリを横目に、ウーノは首を傾げる。
「うーん。最近の僕の好みとはちょっと違う感じ? 最近、綺麗よりかわいい子のほうがいいんだよね。ほら、食堂のミーアちゃんみたいな」
ウーノの新しいターゲットはさておき。
我を忘れるとは、先ほどのジュリアンから聞いた話も綺麗さっぱり忘れることが出来るのだろうか。ラウリは忘れたくて仕方なかった。現実逃避したかった。覚えていて、なんになるのだ。母は六年も前に死んでしまったのに。
ラウリは膝の上で両手の拳を握った。
「わかった。おまえの言うとおりにするよ」
「やったぁ! 実はアーリエちゃんがおまえに興味を示しててさ。ラウリは学年のなかでも背が高くて顔が良くて目立つだろ? 庶民だけど成績もいいし。よし、善は急げだ。今晩にでもアーリエちゃんのところに連れて行ってやるよ」
「……わかった」
「ちんこ、しっかり洗っていけよ。戻ってきたらお祝いしてやるから」
「うるせぇ!」
こうしてラウリはウーノの思惑通り、彼専属の『別れさせ屋』の道を歩むこととなったのだ。
「……喉が渇きました。頂いてもいいですか?」
ジュリアンは、にっこりと笑う。
「君のために用意させた朝食だよ。王都まで長いだろう、サンドイッチも食べなさい。遠慮はいらないよ」
「ありがとうございます」
だが、見た目は最高級のオレンジジュースとサンドイッチは何故か、味がしなかった。液体の冷たさは感じたものの、あとは砂を喉に流し込んでいるようだ。それでも、ラウリは今取り入れたばかりの情報を体内から押し出し消してしまおうと、がむしゃらに食べ物を摂取するしかなかった。本当に消してしまえれば、どんなに良かったか。
人がその光景を見たらさぞ驚くだろう。大貴族の麗しき当主と、平民の侍従の少年。天と地の地位の差があるにも関わらず、向かい合って食事をしている。そのうえで少年の食事マナーは最低で、当主はそれを愉しそうに見つめていた。
「だから、君が貴族の子弟と同じ教育を受けていることを重く捉えないでほしい。これはわたしたち家族の贖罪なのだから」
ジュリアンの清らかな笑顔を目にして、ラウリは急に吐き気を覚える。食べたばかりのモノを戻さなかったのは幸いだ。さすがに無礼が過ぎる。
金髪の当主が爽やかに去り、ラウリは深く垂れた首をあげるとふらふらと馬車止めに戻る。朝からどっと疲れて、馬車で座れることをこれほどありがたく感じることはなかった。そのとき、丁度ウーノがエントランスから出てくる。白皙の頬に、赤い手形が浮いていた。
馬車が出るなり、ラウリはいつもの習慣でウーノの頬の具合を確認した。
「ひどい顔だな。誰にやられたんだ? ……メイドか?」
女絡みに違いないと、薬箱から塗り薬を出す。ウーノはたいして落ち込んでおらず、普段と変わらぬ天使の微笑みを浮かべた。
「母上だよ。おまえこそ酷い顔色だぞ。兄さんに捕まったんだろ? 気を付けろよ。あの顔で蛇みたいな性格なんだ。どうしてか、人を壊して回るのが趣味なんだから」
ラウリの背中がぞくっとして、塗り薬を落としそうになる。
――俺は、玩具にされたのか。
妙に腑に落ちた。ジュリアンは暇つぶしの玩具を馬車止めの前で拾って、あの風通しの良い東屋でそれが自分の言葉ひとつで勝手に壊れていくのを愉しんでいたのだ。
ウーノは言わんこっちゃない、と額に手のひらを押し当てる。
「何を言われたか知らないが、全力で忘れろ。代わりに、女の裸でも思い浮かべるんだ」
女の裸なんか見たことない。ラウリはそう言い返そうとしたが、藪蛇になるのでやめておいた。無言でウーノの頬にクスリを広げ、話題を変える。
「おまえは、なんで遅かったんだよ?」
ウーノは『昨日、猫見た』程度の軽いノリで返してきた。
「夜這いされたんだよ。てっきり新入りのメイドだと思ってありがたく頂戴したら、なんと行儀見習いのために家で預かっていた子爵令嬢だったんだ。もう母上がカンカンに怒ってさ、とばっちりもいいところだよ。僕はただ出されたデザートを食べただけなのに」
ラウリは開いた口がふさがらなかった。どこから突っ込んでいいのか、分からない。だいたい前提が間違っている。メイドは屋敷を綺麗に保つために雇われているわけであり、ドラ息子がありがたく頂戴するために置かれているわけではない。
――兄貴が蛇なら、弟はクズだろ。
豚は近しい血ばかりで繁殖させると、良質の肉が取れなくなるという。この国の貴族は全人口の一パーセントにしか満たないのに貴族同士で結婚することに捉われすぎていて、その異常さに気づいていないと外国人の教授が発言して罷免されたことがあった。今ラウリは身をもって、それに同意する。
――先生は正しかった!
ウーノは何を思ったか、ラウリの肩を抱き寄せると、その耳元で囁いてきた。
「ラウリ、お前まだ童貞だろ? 今度、とびっきりのお姉ちゃん紹介してやるよ」
「俺はいいよ」
ウーノに着いたままの女物の香水が、ラウリの鼻孔を刺激する。香しいけれど、すこし怖かった。
「遠慮すんなよ。アーリエっていう、二十五歳の巨乳美女」
「ばっ! それ、養護の先生だろ……っ!?」
呆れた。夜中に寮を抜けようとするウーノについて行こうとして、何度か断られたことがあった。まさか、学生たちにも人気の高い保健医のもとへ通っていたとは。
――俺たち、まだピュアピュアの十四歳のはずだぞ!
今朝のラウリは立て続けにショックを受けすぎて、瀕死状態だ。もう、祖母と家政婦のマルヤの居る家に帰りたかった。祖母ちゃんの作った激マズプリンが食いたい。
「そうだけど心配するなって。アーリエちゃん、医者だからケアは完璧だし。上に乗るのが好きだから、こっちは何もしなくていいし我を忘れるほど気持ちいいんだぜ。童貞のおまえにぴったりだろ?」
我を忘れるほど気持ちいいと、どういう気持ちよさなのだろう? ラウリは保健医の包帯を巻く器用な手を思い出して、ぎゅんっと息子が反応した。
「はは。ラウリ、勃ちかけてるぞ」
耳元でささやかれて、反射的にウーノを突き放した。顔が真っ赤になって、恥ずかしいし悔しくてたまらない。
「うっせぇ! 死ね!」
「はは、その反応懐かしいな、僕にもそんな時代があったかな?」
「おまえが早く捨てすぎなんだよ! くっそ! 気持ち悪いな!」
「DT、可愛いな。額縁に収めて飾っておきたいくらいだよ」
「黙れってば。その……そんなにいいなら、どうして俺に紹介するなんて言うんだ?」
空気の入れ替えのために馬車の窓を開けたラウリを横目に、ウーノは首を傾げる。
「うーん。最近の僕の好みとはちょっと違う感じ? 最近、綺麗よりかわいい子のほうがいいんだよね。ほら、食堂のミーアちゃんみたいな」
ウーノの新しいターゲットはさておき。
我を忘れるとは、先ほどのジュリアンから聞いた話も綺麗さっぱり忘れることが出来るのだろうか。ラウリは忘れたくて仕方なかった。現実逃避したかった。覚えていて、なんになるのだ。母は六年も前に死んでしまったのに。
ラウリは膝の上で両手の拳を握った。
「わかった。おまえの言うとおりにするよ」
「やったぁ! 実はアーリエちゃんがおまえに興味を示しててさ。ラウリは学年のなかでも背が高くて顔が良くて目立つだろ? 庶民だけど成績もいいし。よし、善は急げだ。今晩にでもアーリエちゃんのところに連れて行ってやるよ」
「……わかった」
「ちんこ、しっかり洗っていけよ。戻ってきたらお祝いしてやるから」
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