6 / 8
第六話 童貞卒業と処女喪失②※
しおりを挟む
「アロイス、あなたは素晴らしい人よ。……どうか、わたしを『はしたない』となじらないで」
そう言うや、白く引き締まった尻に、ルイーザの恥骨が押し付けられる。
「ああああ……っ!」
アロイスは先ほどよりなお深い快感に飲まれ、喘ぎ声を漏らした。後背位だと性道具では届かない奥の奥までペニスが届くようだ。
「ぐ……ぅ、はぁ、……んっ!」
「ああっ、この体位も、……気持ちいいわ……っ」
「俺も……っ、こんなに、ふかくまで……っ!」
「あん……ああぁっ、……だめえええぇっ!」
彼女のペニスがいっそう膨れ上がり、官能の頂まで一気に昇る。強烈なエクスタシーにアロイスの視界は真っ白になり、官能の奔流に押し流された。アナニーでは、とうてい味わえない快楽だ。
ルイーザは、アロイスの背中にうつ伏せていた。二回出してさすがに気怠い雰囲気で、また艶めかしい。
「……気持ち良かったですか?」
「アロイスも、……気持ち良かった?」
「もちろんです」
お互い初めてとは思えない相性の良さだった。まさしく、ぴったりという言葉がふさわしい。
アロイスは今にも眠りそうな恋人の身体を清め、抱きかかえてソファに移した。手早く寝台のシーツを替え、ルイーザをもとの位置に寝かせる。眠る彼女を確認して浴室に行き、自分のアナルに注がれた精液を掻きだした。
全てを終えると、さすがの彼も疲れを感じる。さっぱりして、ルイーザの隣に潜り込むと、寝ているはずの彼女と目が合った。
「起きていたんですか?」
「今、目が覚めたところよ。……ねえ、アロイス」
「はい、何でしょう?」
ルイーザにしては珍しく、茶目っ気のある笑顔を浮かべている。年相応の表情でいつもより幼く感じられた。
「わたくし、知っているの。入学して間もないころ、元平民のフィオナが貴族のなかで悪目立ちしないように、あなたが内緒で手を貸していたでしょう?」
「……うまく隠したつもりだったのに。いつ知ったんですか?」
「入学して半年がたったころよ。仲良くなったフィオナから無理矢理聞き出したの。誰か分からないけれど、こっそりマナーの本やパーティのときに必要な小道具を、ロッカーや机の中に忍ばせてくれた人がいたって」
アロイスは腕枕のなかに、ぎゅっと彼女を閉じ込める。彼は自分の行動が他人に知られたことを、恥ずかしく感じていた。だが、ルイーザは話すのを辞めない。
「殿下がフィオナに恋をしているのは、入学当時からわかっていたのよ。わたくしは正式な婚約までに、フィオナを王太子妃として恥ずかしくない程度に仕上げなければならなかったわ」
「そうなんですか?」
フィオナが学園に入学したのは、中等部からだ。ルイーザが六年も前からそんなことを考えていたなんて、アロイスは知らなかった。
「鬼しごきをするつもりでいたけれど、あなたのおかげでその必要がなくなったの。フィオナは、わたくしが考える王太子妃像とはかけ離れた王太子妃となって、殿下を支えていくでしょう。それに気が付いたのも、あの子と打ち解けて親友になれたのも、全てアロイスのおかげよ」
アロイスが長い金髪を撫でると、彼女はまるで猫の子のようにされるがまま、気持ちよさそうに目を細めた。
切なくなるほど愛おしい。彼女の支えになりたい。ルイーザの剣となり盾となり、彼女を高め、癒したい。それこそ、彼女の求める理想の婿になりたかった。
「結婚式のあと、あなたの処女を頂きます。そのときが楽しみです」
アロイスが小さな唇に己のそれを重ね合わせると、ルイーザはうっとりとほほ笑み、そのまま夢の国へ旅立っていった。
アロイスも心地よい疲れに、うとうとしてくる。寝入り端、いつかもこんな風に誰かを幸せにしたくて抱きしめたことを思い出す。
――かなり昔のような気がするけれど、誰だったかな?
ルイーザの健やかな寝顔を見ながら、記憶を探った。
――ああ、そうだ。まみちゃんだ。
玉本誠一が生前、同棲していた恋人だ。五年付き合って、結婚する間際だった。指輪を贈って式場を決めたものの、結局幸せにできなかった。自分は死んでしまったけれど、彼女は新しい人生を歩んだだろうか。自分によく似た男と結婚して、子どもを儲け、幸せな一生を送っただろうか。
そうあってほしいと、アロイスは願った。
そう言うや、白く引き締まった尻に、ルイーザの恥骨が押し付けられる。
「ああああ……っ!」
アロイスは先ほどよりなお深い快感に飲まれ、喘ぎ声を漏らした。後背位だと性道具では届かない奥の奥までペニスが届くようだ。
「ぐ……ぅ、はぁ、……んっ!」
「ああっ、この体位も、……気持ちいいわ……っ」
「俺も……っ、こんなに、ふかくまで……っ!」
「あん……ああぁっ、……だめえええぇっ!」
彼女のペニスがいっそう膨れ上がり、官能の頂まで一気に昇る。強烈なエクスタシーにアロイスの視界は真っ白になり、官能の奔流に押し流された。アナニーでは、とうてい味わえない快楽だ。
ルイーザは、アロイスの背中にうつ伏せていた。二回出してさすがに気怠い雰囲気で、また艶めかしい。
「……気持ち良かったですか?」
「アロイスも、……気持ち良かった?」
「もちろんです」
お互い初めてとは思えない相性の良さだった。まさしく、ぴったりという言葉がふさわしい。
アロイスは今にも眠りそうな恋人の身体を清め、抱きかかえてソファに移した。手早く寝台のシーツを替え、ルイーザをもとの位置に寝かせる。眠る彼女を確認して浴室に行き、自分のアナルに注がれた精液を掻きだした。
全てを終えると、さすがの彼も疲れを感じる。さっぱりして、ルイーザの隣に潜り込むと、寝ているはずの彼女と目が合った。
「起きていたんですか?」
「今、目が覚めたところよ。……ねえ、アロイス」
「はい、何でしょう?」
ルイーザにしては珍しく、茶目っ気のある笑顔を浮かべている。年相応の表情でいつもより幼く感じられた。
「わたくし、知っているの。入学して間もないころ、元平民のフィオナが貴族のなかで悪目立ちしないように、あなたが内緒で手を貸していたでしょう?」
「……うまく隠したつもりだったのに。いつ知ったんですか?」
「入学して半年がたったころよ。仲良くなったフィオナから無理矢理聞き出したの。誰か分からないけれど、こっそりマナーの本やパーティのときに必要な小道具を、ロッカーや机の中に忍ばせてくれた人がいたって」
アロイスは腕枕のなかに、ぎゅっと彼女を閉じ込める。彼は自分の行動が他人に知られたことを、恥ずかしく感じていた。だが、ルイーザは話すのを辞めない。
「殿下がフィオナに恋をしているのは、入学当時からわかっていたのよ。わたくしは正式な婚約までに、フィオナを王太子妃として恥ずかしくない程度に仕上げなければならなかったわ」
「そうなんですか?」
フィオナが学園に入学したのは、中等部からだ。ルイーザが六年も前からそんなことを考えていたなんて、アロイスは知らなかった。
「鬼しごきをするつもりでいたけれど、あなたのおかげでその必要がなくなったの。フィオナは、わたくしが考える王太子妃像とはかけ離れた王太子妃となって、殿下を支えていくでしょう。それに気が付いたのも、あの子と打ち解けて親友になれたのも、全てアロイスのおかげよ」
アロイスが長い金髪を撫でると、彼女はまるで猫の子のようにされるがまま、気持ちよさそうに目を細めた。
切なくなるほど愛おしい。彼女の支えになりたい。ルイーザの剣となり盾となり、彼女を高め、癒したい。それこそ、彼女の求める理想の婿になりたかった。
「結婚式のあと、あなたの処女を頂きます。そのときが楽しみです」
アロイスが小さな唇に己のそれを重ね合わせると、ルイーザはうっとりとほほ笑み、そのまま夢の国へ旅立っていった。
アロイスも心地よい疲れに、うとうとしてくる。寝入り端、いつかもこんな風に誰かを幸せにしたくて抱きしめたことを思い出す。
――かなり昔のような気がするけれど、誰だったかな?
ルイーザの健やかな寝顔を見ながら、記憶を探った。
――ああ、そうだ。まみちゃんだ。
玉本誠一が生前、同棲していた恋人だ。五年付き合って、結婚する間際だった。指輪を贈って式場を決めたものの、結局幸せにできなかった。自分は死んでしまったけれど、彼女は新しい人生を歩んだだろうか。自分によく似た男と結婚して、子どもを儲け、幸せな一生を送っただろうか。
そうあってほしいと、アロイスは願った。
10
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
【完結】呪いを解いて欲しいとお願いしただけなのに、なぜか超絶美形の魔術師に溺愛されました!
藤原ライラ
恋愛
ルイーゼ=アーベントロートはとある国の末の王女。複雑な呪いにかかっており、訳あって離宮で暮らしている。
ある日、彼女は不思議な夢を見る。それは、とても美しい男が女を抱いている夢だった。その夜、夢で見た通りの男はルイーゼの目の前に現れ、自分は魔術師のハーディだと名乗る。咄嗟に呪いを解いてと頼むルイーゼだったが、魔術師はタダでは願いを叶えてはくれない。当然のようにハーディは対価を要求してくるのだった。
解呪の過程でハーディに恋心を抱くルイーゼだったが、呪いが解けてしまえばもう彼に会うことはできないかもしれないと思い悩み……。
「君は、おれに、一体何をくれる?」
呪いを解く代わりにハーディが求める対価とは?
強情な王女とちょっと性悪な魔術師のお話。
※ほぼ同じ内容で別タイトルのものをムーンライトノベルズにも掲載しています※
婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?
もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。
王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト
悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
日常的に罠にかかるうさぎが、とうとう逃げられない罠に絡め取られるお話
下菊みこと
恋愛
ヤンデレっていうほど病んでないけど、機を見て主人公を捕獲する彼。
そんな彼に見事に捕まる主人公。
そんなお話です。
ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる