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番外編 その4 それから……

みんなでの食事

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 ―――

 これで全員、揃った感じだ。
 
「さぁ、皆さん、たくさん用意しましたから、沢山食べてくださいね!」
 
 家の広間に集まるみんな、エディアはそこに、手作りの料理を持ってきた。
 お手製のパンに、サラダ、焼いた肉料理……。いろいろな、彼女の作った料理がテーブルに並ぶ。
 
「……わぁ、とても美味しい!」

 ラキサは目の前の料理を、小皿にとって食べていた。彼女はとても、気に入っているようだ。
 それに、テオもまた。

「僕たちは多くの場所を旅して来たけど、うん、それに負けないくらいだよ」

「ありがとう、二人とも。作った甲斐がありました。……ああっと、リリア!」

「んー」

 見ると料理に手を伸ばそうとしていた、リリア。
 エディアはとっさに、それを止めた。
 
「それはまだ食べれないから、リリアはこっちのお粥を、ね」

 まだ年齢の低いリリア、普通のものは食べられないから、彼女にはそれとは別に、柔らかいお粥が用意されていた。
 
「ふふ……まだ小さいから、な。……この子も」

 そう話すのは、トリウス。彼の手にはルーフェとエディアの四人目の子となる赤ん坊、リースが抱かれていた。
 彼は慣れた手つきでリースをあやし、哺乳瓶でミルクを飲ませていた。
 ちなみに精霊のウィルも、小さい小皿のミルクを、口にしていた。


「ありがとうございます。トリウスさん、赤ちゃんをあやすのが上手なのですね」

「それは、昔はラキサが、赤ん坊だったときに、色々面倒を見ていたからな」

「……あはは、私はもう覚えていませんけれど、お父様はとても器用な人、ですから」

 ラキサもまた、こんな事を言った。

「でも、私がいる前で……そんな話、恥ずかしいな」

「ねぇねぇ! ラキサさん、それにテオさんも」

 するといつのまに、ラキサとテオの近くには子供たち二人、ルイとエリナがいた。

「えっ、私に?」 

「それに僕も?」

 いきなりで戸惑う、二人に子供たちはこんな事を聞く。

「二人とも、あちこち旅していたんだよね? だったらその話、聞きたいの!」

「僕だって、知りたいよ。……気になるし」

 

 どうやら二人共、世界を旅して来たラキサとテオに、興味津々だった。
 子供たちの純粋な目、これは裏切るわけには、いかなかった。

「そう言うなら、分かったわ! じゃあ色々話そうかな! ねっ、テオ!」

 ラキサの言葉に、頷くテオ。

「うん! じゃあ、まずは僕たちの出会った、芸術都市、アリアスレーンの話でもしょうかな!」



 ……そんな風に、食事会はそれぞれ、楽しく賑わっていた。
 
 ――ふふっ――

 この様子を、ルーフェは穏やかに眺めていた。

「ねぇルーフェ!」

 彼の隣に、話から戻ってきたエディアが、隣に座る。

「戻ってきたんだ、エディア。せっかくだからもっと話せばいいのに」

「それを言うなら、ルーフェだって」

「……僕は後で、するつもりだよ。だけど――」

 改めてまた、彼はむいんなを見回す。

「僕たちも含め、みんな色々あったからね。それがまたこうして……みんな、元気そうで、何よりだ」

 ふとした、そんな感想。エディアもまた気持ちは同じだった。
 
「うんうん、そうですね!
 ……さてと、やっぱり私はルーフェが一番ですし、一緒に御飯を食べましょう?」

 いつもの優しい、彼女の言葉と表情。
 ルーフェはそれに、応える。

「そうだね。じゃあ……そうしようか、エディア」

 いつものように、二人は仲睦まじく、一緒に食事をすることにした。


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