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番外編 その4 それから……
再会 その2
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――――
するとルーフェはこんな事を話す。
「それにしてもトリウスさんから、こうして会いたいと聞いたときには、嬉しいと思ったけど、驚いたな。
だって、あれから三年も経ってから、だったから」
彼のそんな言葉に、トリウスはふっと微笑む。
「私も、役目が忙しかったからな。
ラキサの代わりに、私は私なりに冥界の番を果たすための準備に、時間をかけてしまってな
だからこうして会うのに、こうもな」
「ふーん。トリウスさんも、大変だったのですね」
エディアもそう、彼に言う。
「まぁ、な。あれからこっちも、大変ではあったのだ」
「……私たちも、子供が出来てから少し大変、でしたから。
もう四人目だけど、それでも世話は私もルーフェも、一苦労。……でも、村のみんなも面倒を見てくれたりもしますし、助かってます」
彼女も、ルーフェも、この三年で色々あったのだ。
もちろん幸せではある。だけど大変なことも、やはりいくらかある。
それが……人生、と言うものだ。
「子供、か。君たちもどうやら、良い人生を送っているようだ」
ルーフェは頷いた。
「おかげさまで。……大変なかともありますけれど、僕たちは幸せです」
――――
そんな時に、扉からノックとともに、声が聞こえた。
「遅れてごめんなさい! 今到着しました!」
ルーフェも、トリウスも、聞き覚えのあった声。
「ようやく来たみたいだな。どれ、私が迎えに行くとしよう」
そうトリウスは、席を立つと、玄関先へと向かい、扉を開けた。
扉の先にいたのは、旅人風の格好をした、二人の少年少女だった。
「ただいま、お父様。三年ぶりの里帰りですね」
少女はトリウスの娘、ラキサである。
「おお! ようやくこうして、直接会う事ができたな。私は嬉しい」
久しぶりの再会に、トリウスは自分の愛娘を、抱擁する。
「お父様も……お変わりのないようで、良かったです」
「ははは、そうだな。……そして」
今度は、娘の隣にいる青年に、目を向けるトリウス。
「君がテオくん、だね? 娘とともに旅をしてくれている、想い人と聞いたよ」
「あはは。お恥ずかしながら、娘さんとは仲良くさせて頂いてます」
「テオとの仲は、お父様もよく知っているでしょ? とても優しい、人なの」
ラキサもまた、テオの事を紹介する。
「もちろん、よく知っているとも。
……正直娘の一人旅は、心配ではあったが、君のような相手と一緒で良かった、
これからも娘の事を、よろしく頼むよ」
どうやらトリウスも、彼を信頼していた。
――もちろん。そう言うかのように、テオは頷く。
「はい! だって僕にとっても、ラキサはとても大切な、人ですから!」
「……テオっ」
テオとラキサ、二人もまた、とても仲睦まじい感じだ。
「それは、それは。
……さて、では二人もそろそろ、家に入るとしようか。ルーフェ達も、待っているからな」
そう、トリウスはラキサとテオを、家の中へと案内する。
するとルーフェはこんな事を話す。
「それにしてもトリウスさんから、こうして会いたいと聞いたときには、嬉しいと思ったけど、驚いたな。
だって、あれから三年も経ってから、だったから」
彼のそんな言葉に、トリウスはふっと微笑む。
「私も、役目が忙しかったからな。
ラキサの代わりに、私は私なりに冥界の番を果たすための準備に、時間をかけてしまってな
だからこうして会うのに、こうもな」
「ふーん。トリウスさんも、大変だったのですね」
エディアもそう、彼に言う。
「まぁ、な。あれからこっちも、大変ではあったのだ」
「……私たちも、子供が出来てから少し大変、でしたから。
もう四人目だけど、それでも世話は私もルーフェも、一苦労。……でも、村のみんなも面倒を見てくれたりもしますし、助かってます」
彼女も、ルーフェも、この三年で色々あったのだ。
もちろん幸せではある。だけど大変なことも、やはりいくらかある。
それが……人生、と言うものだ。
「子供、か。君たちもどうやら、良い人生を送っているようだ」
ルーフェは頷いた。
「おかげさまで。……大変なかともありますけれど、僕たちは幸せです」
――――
そんな時に、扉からノックとともに、声が聞こえた。
「遅れてごめんなさい! 今到着しました!」
ルーフェも、トリウスも、聞き覚えのあった声。
「ようやく来たみたいだな。どれ、私が迎えに行くとしよう」
そうトリウスは、席を立つと、玄関先へと向かい、扉を開けた。
扉の先にいたのは、旅人風の格好をした、二人の少年少女だった。
「ただいま、お父様。三年ぶりの里帰りですね」
少女はトリウスの娘、ラキサである。
「おお! ようやくこうして、直接会う事ができたな。私は嬉しい」
久しぶりの再会に、トリウスは自分の愛娘を、抱擁する。
「お父様も……お変わりのないようで、良かったです」
「ははは、そうだな。……そして」
今度は、娘の隣にいる青年に、目を向けるトリウス。
「君がテオくん、だね? 娘とともに旅をしてくれている、想い人と聞いたよ」
「あはは。お恥ずかしながら、娘さんとは仲良くさせて頂いてます」
「テオとの仲は、お父様もよく知っているでしょ? とても優しい、人なの」
ラキサもまた、テオの事を紹介する。
「もちろん、よく知っているとも。
……正直娘の一人旅は、心配ではあったが、君のような相手と一緒で良かった、
これからも娘の事を、よろしく頼むよ」
どうやらトリウスも、彼を信頼していた。
――もちろん。そう言うかのように、テオは頷く。
「はい! だって僕にとっても、ラキサはとても大切な、人ですから!」
「……テオっ」
テオとラキサ、二人もまた、とても仲睦まじい感じだ。
「それは、それは。
……さて、では二人もそろそろ、家に入るとしようか。ルーフェ達も、待っているからな」
そう、トリウスはラキサとテオを、家の中へと案内する。
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