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番外編 その2 竜の娘の、その旅路。
高台での告白
しおりを挟む「どう? ここが僕の、一番好きな場所なんだ」
ラキサとテオが今いた場所、それは……。
「良い眺めね! テオくんが気に入った理由、何だか分かるな」
村の少し離れたところ。そこにある高い山の、高台にて、二人は下の眺めを見下ろしていた。
下に見えるのは、先ほどまで散策した村の全景と、その周囲に見える広大な山景色であった。
「こうして自分の暮らす村を、昔はよく眺めていたな。それにここからだと、夜空だってよく見えるんだ。
それも、その時になったら見に行こう!」
「ここは、とても高いから雲もなくて、空気が綺麗だから、かしら。
それに空にだって、こんなに近いもの」
そう言ってラキサは、空に向かって、手を伸ばしてみせる。
「ははは、確かに他の場所に比べたらずっと、空は近いよね。
ところで……」
と、テオは、今度は真剣な面持ちで、ラキサを見た。
「ここまでが、僕の旅路のすべてさ。
ここまで一緒に旅をしたけど、これからは、どうするのかな?」
彼の問、それは少し難しいことだった。
ラキサは考えた様子を見せるも、やがて、こう答えた。
「そう、ね。いつもと同じように、しばらくここに滞在したあと、また旅に出ようかな。
まだまだ私、世界を見たりないから」
ここまでは、彼女は話した。それに……。
「だけど、テオくんもまだ、旅を続けるんでしょ?
だったら、テオくんと一緒に旅を続けて、世界を見て回れたら、いいな。
私はあなたが、お父さんと同じくらいに、とっても……大好きになったから」
「大好き、僕を?」
ラキサの言葉、それにテオは思わず固まる。
「もしかして、迷惑だったかな」
「ううん! そんなことない! 僕も君のこと、大好きなんだ!
なら、これからも一緒に、旅が出来るって、ことだよね」
彼女は、嬉しそうに頷いた。
「もちろん。これからも、よろしくね」
この答えを聞いたテオもまた、嬉しそうだ。
そして、さらに続けた。
「もちろんさ。それに……旅が終わった後も、君と一緒にいたいんだ。
この里でずっと、末永く。初めて会った時から……ラキサ、君のことが好きなんだ。
それに君は、僕たちと――同じだから」
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