145 / 204
第十章 Grand Galaxy Grand prix [Action!〕
勝利の代償
しおりを挟む
――――
見事、マリンを打ち破ったフウマ。
しかし――。
――ふっ、さすがにちょっと、これはマズいかも――
その代償として、テイルウィンドのあちこちに、ガタが出始めていた。
ブースター、スラスターと言った出力系統もいくつか痛み、特に動力部のオーバーヒートについては、見過ごせない程だった。
これ以上に無理を重ねるならば……先ほどみたいに動力系が機能しなくなる恐れと、最悪完全に停止してしまうかもしれない。
何しろ休ませることも少なく、連続的に激しく酷使したせいだ。
……一番の手段は、一旦動力の稼働を緩め、そのまま穏やかにゴールにまで向かえば、なんの問題もない。
先程の四位のマリンさえ、大きく消耗して追って来ることは不可能だ。他のレーサーなら、猶更である。
――別に今のままでも、三位は確実、か。けど――
――――
G3レース、前半戦も後僅かで終わりだ、
ゴールとなるのは、エメラルド上空に浮遊する、空中都市・スカイガーデン・ポリスである。
まだまだ遠方に、朧げに見える程度だが、その逆ピラミッド状の全容が見て取れる。
そしてゴールとなるのは、その真上にキラリと光る輝き――。
親善試合と同様に、そこには黄金に光るリングが浮かび、ゴールラインとなっている。
だが……。
テイルウィンドのすぐ先には、二機の機体が飛び交う姿が見える。
そう、シロノのホワイトムーンとそして…………ジンジャーブレッドのブラッククラッカーの姿だ。
――ついに、ここまで来たんだね。この……僕は――
フウマは改めて、自分の成した事を、その身に感じた。
宇宙一のG3レースで第三位にたどりつき。そして、あの伝説のレーサー、ジンジャーブレッドにまで、手が届く所にまで来ている。
――テイルウィンドはボロボロだけど、今、二人を前にして引き下がるなんて――
確かに機体は、ボロボロだ。しかしそれでも、がんばれなくはない。
――まだまだ、戦える――頑張れる、はずだ。それに、全力を出すと……ミオにだって約束した。だから――
相手は、因縁のライバルであるシロノ・ルーナと、かつて無敗の伝説を誇ったジンジャーブレッド。
どちらもフウマがレーサーとして尊敬し、そして乗り越えるべき大きな壁である二人。
フウマ、そしてテイルウィンドは、G3レース……前半戦最後の勝負に挑む。
――――
ゴールまで、後僅か。
ここまで長い道のりだったが、それもようやく、一区切りつく。
しかし最後まで、気は抜けない。むしろ……これが最大の勝負であった。
――さて……と、正直この私も厳しいですが、まだ終わりではありません!――
シロノは自らの愛機、ホワイトムーンを最大出力にして、ジンジャーブレッドが乗るブラッククラッカーの後を追う。
二機が飛ぶのはジャングルの上、だが――普通のジャングルとは、全く様相は異なるものだ。
地形は平らではなく、大小様々な溝が毛細血管のように入り組むような大渓谷の様を呈し、そんな地形に鬱蒼と、木々などの植物が茂っていた。
ホワイトムーンはその渓谷の中を飛行していた。
下には少し前に通過した、巨大台地の大瀑布から流れて来た水が、大河となり流れる。
また地形を成している地質は固い岩のようなものでなく、どちらかと言えば泥のような黒い土で形成されており、そのためなのか、土壁にも植物が繁茂しており、太い植物の根っこが地面を這う。
そして……根で覆われた地面には、いくつもの洞窟の入り口らしい穴が、いくつも口を開けていた。
――これは、惑星アシュクレイでリッキーと勝負した時に、似た状況ですね。あの時は機動性とレーダー性能が高い、ホワイトムーンが有利だったのですが――
そう、あの時はシロノの機体が有利だった。……しかし。
人の脳神経と機体システムを接続した、人機一体型のシステム機構が存在するブラッククラッカー。自らの手足のように機体を操作出来、鋭敏な感覚としてレーダーなどよりも、ずっと精度の高い周囲の感知を可能にする機体を相手に、分が悪いのはシロノの方だった。
――長いレースで、さすがに燃料に余裕はありません。ジンジャーブレッドを追うために、相当使ってしまいましたから。
ルビーの小惑星で差をつけられ、やっとこの星で追いついても……それでも向こうは有利なままです。残る燃料を使って全力を出しても、やはり難しいですね――
だが、そんな中でも彼は――心底楽しんでいるような、ワクワクした様子を見せる。
――でも、ここまで苦戦するなんて……面白いですね! 残り僅かしかないこの状況、どこまで行けるか――
シロノがジンジャーブレッドとの勝負に燃えていた時……後方から新たに迫る機体が現れる。
――あれは……フウマのテイルウィンド! ここまで来るとは、なかなか成長しましたね――
フウマがやって来たことは、シロノにとっては、やや想定外でもあった。
確かに優れたレーサではあるものの、それは一般的に優秀であるくらいであり、飛びぬけて優秀……とまでは行かなかった。現に、前に勝負した時には、こうも追って来られるほどの腕とは、言えなかった。
それが今では、G3レースで三位に至るまでに腕を上げている。そして恐らく……テイルウィンドの性能も、数段上がっている。
――これは、さすがと褒めてあげたいですね――
と、微笑ましい様子を見せるが、ここは真剣勝負のレースの場だ。
――それではフウマ、いい勝負をしましょう。さて、フウマも、そして私も、どこまで行けるでしょうか――
これで二人から、三人へ。
どちらとも狙うは――G3レース、優勝の座だ。
見事、マリンを打ち破ったフウマ。
しかし――。
――ふっ、さすがにちょっと、これはマズいかも――
その代償として、テイルウィンドのあちこちに、ガタが出始めていた。
ブースター、スラスターと言った出力系統もいくつか痛み、特に動力部のオーバーヒートについては、見過ごせない程だった。
これ以上に無理を重ねるならば……先ほどみたいに動力系が機能しなくなる恐れと、最悪完全に停止してしまうかもしれない。
何しろ休ませることも少なく、連続的に激しく酷使したせいだ。
……一番の手段は、一旦動力の稼働を緩め、そのまま穏やかにゴールにまで向かえば、なんの問題もない。
先程の四位のマリンさえ、大きく消耗して追って来ることは不可能だ。他のレーサーなら、猶更である。
――別に今のままでも、三位は確実、か。けど――
――――
G3レース、前半戦も後僅かで終わりだ、
ゴールとなるのは、エメラルド上空に浮遊する、空中都市・スカイガーデン・ポリスである。
まだまだ遠方に、朧げに見える程度だが、その逆ピラミッド状の全容が見て取れる。
そしてゴールとなるのは、その真上にキラリと光る輝き――。
親善試合と同様に、そこには黄金に光るリングが浮かび、ゴールラインとなっている。
だが……。
テイルウィンドのすぐ先には、二機の機体が飛び交う姿が見える。
そう、シロノのホワイトムーンとそして…………ジンジャーブレッドのブラッククラッカーの姿だ。
――ついに、ここまで来たんだね。この……僕は――
フウマは改めて、自分の成した事を、その身に感じた。
宇宙一のG3レースで第三位にたどりつき。そして、あの伝説のレーサー、ジンジャーブレッドにまで、手が届く所にまで来ている。
――テイルウィンドはボロボロだけど、今、二人を前にして引き下がるなんて――
確かに機体は、ボロボロだ。しかしそれでも、がんばれなくはない。
――まだまだ、戦える――頑張れる、はずだ。それに、全力を出すと……ミオにだって約束した。だから――
相手は、因縁のライバルであるシロノ・ルーナと、かつて無敗の伝説を誇ったジンジャーブレッド。
どちらもフウマがレーサーとして尊敬し、そして乗り越えるべき大きな壁である二人。
フウマ、そしてテイルウィンドは、G3レース……前半戦最後の勝負に挑む。
――――
ゴールまで、後僅か。
ここまで長い道のりだったが、それもようやく、一区切りつく。
しかし最後まで、気は抜けない。むしろ……これが最大の勝負であった。
――さて……と、正直この私も厳しいですが、まだ終わりではありません!――
シロノは自らの愛機、ホワイトムーンを最大出力にして、ジンジャーブレッドが乗るブラッククラッカーの後を追う。
二機が飛ぶのはジャングルの上、だが――普通のジャングルとは、全く様相は異なるものだ。
地形は平らではなく、大小様々な溝が毛細血管のように入り組むような大渓谷の様を呈し、そんな地形に鬱蒼と、木々などの植物が茂っていた。
ホワイトムーンはその渓谷の中を飛行していた。
下には少し前に通過した、巨大台地の大瀑布から流れて来た水が、大河となり流れる。
また地形を成している地質は固い岩のようなものでなく、どちらかと言えば泥のような黒い土で形成されており、そのためなのか、土壁にも植物が繁茂しており、太い植物の根っこが地面を這う。
そして……根で覆われた地面には、いくつもの洞窟の入り口らしい穴が、いくつも口を開けていた。
――これは、惑星アシュクレイでリッキーと勝負した時に、似た状況ですね。あの時は機動性とレーダー性能が高い、ホワイトムーンが有利だったのですが――
そう、あの時はシロノの機体が有利だった。……しかし。
人の脳神経と機体システムを接続した、人機一体型のシステム機構が存在するブラッククラッカー。自らの手足のように機体を操作出来、鋭敏な感覚としてレーダーなどよりも、ずっと精度の高い周囲の感知を可能にする機体を相手に、分が悪いのはシロノの方だった。
――長いレースで、さすがに燃料に余裕はありません。ジンジャーブレッドを追うために、相当使ってしまいましたから。
ルビーの小惑星で差をつけられ、やっとこの星で追いついても……それでも向こうは有利なままです。残る燃料を使って全力を出しても、やはり難しいですね――
だが、そんな中でも彼は――心底楽しんでいるような、ワクワクした様子を見せる。
――でも、ここまで苦戦するなんて……面白いですね! 残り僅かしかないこの状況、どこまで行けるか――
シロノがジンジャーブレッドとの勝負に燃えていた時……後方から新たに迫る機体が現れる。
――あれは……フウマのテイルウィンド! ここまで来るとは、なかなか成長しましたね――
フウマがやって来たことは、シロノにとっては、やや想定外でもあった。
確かに優れたレーサではあるものの、それは一般的に優秀であるくらいであり、飛びぬけて優秀……とまでは行かなかった。現に、前に勝負した時には、こうも追って来られるほどの腕とは、言えなかった。
それが今では、G3レースで三位に至るまでに腕を上げている。そして恐らく……テイルウィンドの性能も、数段上がっている。
――これは、さすがと褒めてあげたいですね――
と、微笑ましい様子を見せるが、ここは真剣勝負のレースの場だ。
――それではフウマ、いい勝負をしましょう。さて、フウマも、そして私も、どこまで行けるでしょうか――
これで二人から、三人へ。
どちらとも狙うは――G3レース、優勝の座だ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
宇宙を渡る声 大地に満ちる歌
広海智
SF
九年前にUPOと呼ばれる病原体が発生し、一年間封鎖されて多くの死者を出した惑星サン・マルティン。その地表を移動する基地に勤務する二十一歳の石一信(ソク・イルシン)は、親友で同じ部隊のヴァシリとともに、精神感応科兵が赴任してくることを噂で聞く。精神感応科兵を嫌うイルシンがぼやいているところへ現れた十五歳の葛木夕(カヅラキ・ユウ)は、その精神感応科兵で、しかもサン・マルティン封鎖を生き延びた過去を持っていた。ユウが赴任してきたのは、基地に出る「幽霊」対策であった。
DOLL GAME
琴葉悠
SF
時は新暦806年。
人類の住処が地球外へも広がり、火星、木星、金星……様々な惑星が地球人の新たな居住地となっていた。
人々は平和を享受していたが、やがてその平和も終わりをつげ新たな戦争の時代に入った。
「代理戦争」。自らが行うのではなく、他者に行わせる戦争だった。
そしてその戦争の中で、新たな兵器が生み出された。
「DOLL」。大型特殊兵器であった。
人間の姿をモデルに作られた「DOLL」は、今までの陸上兵器とも、水上兵器とも、飛行兵器とも違う、画期的な兵器だった。
戦争は「DOLL」を使った戦争へと変化した。
戦争が表面上終結しても、「DOLL」はその存在を求められ続けた。
戦争により表面化した組織による抗争、平和を享受してきた故に求めていた「争い」への興奮。戦いは幾度も繰り返される、何度も、尽きることなく。
人々は「DOLL」同士を戦わせ、それを見ることに熱中した。
その戦いは「DOLLGAME」と呼ばれ、大昔のコロシアムでの戦いを想像させる試合であった。勝敗は簡単、相手の「DOLL」を戦闘不能にすれば勝ち。
その「DOLL」を操縦するものは「人形師」と呼ばれ、人々の欲望の代理人として戦っていた。
「人形師」になる理由は人それぞれで、名誉、金、暇つぶし等が主だった。
その「人形師」の中で、自らの正体を隠す「人形師」がいた。
パイロットスーツに身を包み、顔を隠し、黙々と試合を行い、依頼をこなす。
そんな「人形師」を人々は皮肉にこう呼んだ。
「マリオネット」と。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】Transmigration『敵陣のトイレで愛を綴る〜生まれ変わっても永遠の愛を誓う』
すんも
SF
主人公の久野は、あることをきっかけに、他人の意識に潜る能力を覚醒する。
意識不明の光智の意識に潜り、現実に引き戻すのだが、光智は突然失踪してしまう。
光智の娘の晴夏と、光智の失踪の原因を探って行くうちに、人類の存亡が掛かった事件へと巻き込まれていく。
舞台は月へ…… 火星へ…… 本能寺の変の隠された真実、そして未来へと…… 現在、過去、未来が一つの線で繋がる時……
【テーマ】
見る方向によって善と悪は入れ替わる?相手の立場にたって考えることも大事よなぁーといったテーマでしたが、本人が読んでもそーいったことは全く読みとれん…
まぁーそんなテーマをこの稚拙な文章から読みとって頂くのは難しいと思いますが、何となくでも感じとって頂ければと思います。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
月夜の理科部
嶌田あき
青春
優柔不断の女子高生・キョウカは、親友・カサネとクラスメイト理系男子・ユキとともに夜の理科室を訪れる。待っていたのは、〈星の王子さま〉と呼ばれる憧れの先輩・スバルと、天文部の望遠鏡を売り払おうとする理科部長・アヤ。理科室を夜に使うために必要となる5人目の部員として、キョウカは入部の誘いを受ける。
そんなある日、知人の研究者・竹戸瀬レネから研究手伝いのバイトの誘いを受ける。月面ローバーを使って地下の量子コンピューターから、あるデータを地球に持ち帰ってきて欲しいという。ユキは二つ返事でOKするも、相変わらず優柔不断のキョウカ。先輩に贈る月面望遠鏡の観測時間を条件に、バイトへの協力を決める。
理科部「夜隊」として入部したキョウカは、夜な夜な理科室に来てはユキとともに課題に取り組んだ。他のメンバー3人はそれぞれに忙しく、ユキと2人きりになることも多くなる。親との喧嘩、スバルの誕生日会、1学期の打ち上げ、夏休みの合宿などなど、絆を深めてゆく夜隊5人。
競うように訓練したAIプログラムが研究所に正式採用され大喜びする頃には、キョウカは数ヶ月のあいだ苦楽をともにしてきたユキを、とても大切に思うようになっていた。打算で始めた関係もこれで終わり、と9月最後の日曜日にデートに出かける。泣きながら別れた2人は、月にあるデータを地球に持ち帰る方法をそれぞれ模索しはじめた。
5年前の事故と月に取り残された脳情報。迫りくるデータ削除のタイムリミット。望遠鏡、月面ローバー、量子コンピューター。必要なものはきっと全部ある――。レネの過去を知ったキョウカは迷いを捨て、走り出す。
皆既月食の夜に集まったメンバーを信じ、理科部5人は月からのデータ回収に挑んだ――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる