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第一章
所長アイリスの企み
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「あ、アーベル。今日は一人なんだ?」
私が「ケルークス」に出勤すると、ユーリが声をかけてきた。
「今日は納品のつもりで来たのだけど……これはしばらく残ったほうが良さそうだな。ユーリ、今日はホットコーヒーで」
カーリンから頼まれたアンブロシア酒の樽をみっつカウンターの上に置いて、私は店内を見回した。
今回から一回当たりの納品量が二樽から三樽に増えるので、これでより多くの客にアンブロシア酒を楽しんでもらえると思う。
店内には相談員と精霊の姿があったが、アイリスの姿がない。
アイリスがいつも座っている奥の席に飲み物の器なども置かれていない。
「ベネディクト、アイリスは上かい?」
私は背が高い人の好さそうな青年に声をかけた。
彼も相談員の一人で名前をベネディクトという。相談員の中では一番新しい移住者になる。
「いいえ、僕は見ていません。ユーリが知っていると思いますけど……」
ベネディクトも出勤してからそれほど経っていないようで、テーブルの上のタイマーに表示されている時間が四九時間台になっている。
アイリスが不在では相談客が来たときに待ってもらうことになる。
というのも、我々のような魂霊の相談員は相談客に対して話せることにかなり制約があるからだ。
特に初めて相談に来た客の場合は話せることがまったくない。
少ししてユーリが注文した品物を運んできたのでアイリスの行方について尋ねてみる。
「ユーリ、アイリスはどこへ行ったのだろう? これだと相談客が来ても待たせてしまうことになりそうだが……」
「何か今日来る予定の相談客がいるみたいで、準備するって飛び出していったわ。もうすぐ戻ると思うけど……」
ユーリもそれ以上のことは知らないようだ。
「でも、全部の相談に対応できる相談員がアイリスだけっておかしくない? いくら疲れを知らない精霊でも、用事とかあったら回らなくなるよね、ここ」
「そうだな……自分たちにも答えられることはあるけど、うまくいっている移住者の色眼鏡で見た景色だけの話になると誤解されるというのも正論だから難しいところだ」
私のような魂霊の相談員が必要以上のことを相談客に話すのを禁じられている背景として、「存在界から精霊界への移住では失敗が許されない」という事情がある。
魂霊の相談員は移住の成功組であり、成功組だけに話をさせると相談客が必要以上に楽観的な判断をしかねないから無理もないだろう。
「耳が痛い話だな。相談員に適した精霊というのはあまり多くないのだ。相談員を増やすべく色々と試みてはいるのだが……」
ベネディクトの向かいに座っていた精霊が会話に割り込んできた。
紫を基調とした衣服に金の腕輪を付けた隙の無さそうな女性型のこの精霊、名をメイヴという。
精霊の種類としての名前もメイヴであり、広い精霊界にただ一体という珍しい存在だ。
種類としての名前と個体名が一致する精霊は、精霊の中でもかなり高位とされている。
それでいて墓所を司る闇属性の精霊、という時点で危険そうな存在ということは予想できるだろう。
実は彼女はベネディクトのパートナーなのだ。
腹を割って話せばそれほど恐ろしい相手ではなく、むしろ人間よりも人間臭かったりする。
ここで話をする分には問題ないが、彼女が溢壊などしようものなら存在界は大混乱に陥るだろう。
さらに厄介なのは力がありすぎて「揺らいだ」だけでも存在界に影響を及ぼすというまったくもって扱いに困る存在であった。
あった、というのはベネディクトが彼女と契約したおかげで、彼女の「揺らぎ」による存在界の被害が格段に減ったからだ。
存在界で起きたアンデッドや幽霊による事件、怪奇現象の類のほぼすべてが、彼女の「揺らぎ」によって引き起こされたものである。
ある時期からこうした事件を報じるテレビ番組や雑誌などが激減したが、これはメイヴがベネディクトという契約者を得たことで「揺らぎ」にくくなったことに起因している。
その意味ではベネディクトは存在界にとっての恩人だろうし、怪奇現象で飯を食っていた人々にとっては食いぶちを奪った極悪人、ということになるだろう。
また、メイヴは自他ともに認める嫉妬深い性質の持ち主だ。
かつては契約もしていない人間に好意を抱いては、彼らが他の異性と接するだけで「揺らいで」いたそうだ。
私も存在界から戻ってきたメイヴが嫉妬の炎を燃やし「揺らいで」いる場面に何度か遭遇したことがある。
そのくせ、人間好きで自ら志願して存在界で移住の広報活動を行っていたというのだから開いた口が塞がらない。
しかし、ベネディクトというパートナーを得てからは、彼一筋だ。
ベネディクトも甲斐甲斐しく彼女を世話しており、案外よい組み合わせではないかと思う。
ただ、メイヴが嫉妬深い性質のため、ベネディクトは彼女だけと契約しており、他にパートナーはいない。
メイヴほどの大物と契約しているとなると、他の精霊も腰が引けるというのもあるとは思うのだが。
「すみません、相談の約束をしていたイドイという者ですが……」
入口から男性の声が聞こえてきた。間違いなく相談客だ。
「はーい、二階に案内いたしますので、少々お待ちください」
ユーリが入口の方に向かっていった。アイリス不在のときは彼女が相談客を応接室に案内するルールだ。
「困ったわね、アイリスはまだ戻っていないし……飲み物でも出した方がいいかしら?」
二階から戻ってきたユーリが私に尋ねてきた。
ベネディクトはメイヴの面倒を見るので手一杯だから仕方ないか。
「ちょっと待っていてくれないか? 建物の近くにいるかもしれないから外を見てくる」
「お願い」
私にもアイリスの居場所は見当もつかないのだが、相談客がくることを知っているようだったから今なら近くにいるかもしれない。
相談員用の入口から外に出ると、見慣れた緑のロングヘアの精霊がこちらに向かってきている。私のパートナーのメラニーだ。
「メラニー? どうしてここへ?」
「あ、アーベル。さっきアイリスが家に来てさ……」
話を聞くと、アイリスが我が家にやって来て誰でもいいから来て欲しいと言われたそうだ。
そこで手の空いていたカーリンとメラニーが名乗り出たのだが、水属性じゃない方がいいということでメラニーが行くことになったたらしい。
「よくわからない依頼だが……アイリスは?」
「後からついてくると言ってたから、もうすぐじゃないかな?」
ならばもうすぐ姿を現しても良いはずだ、と思っていたところに
「あら? アーベル?」
呑気にアイリスがゆっくり浮きながらこっちに向かってきた。
「アイリス! 相談の方が二階で待ってますよ!」
「あっ? 間に合わなかったかぁ~。メラニーはアーベルと一緒に下で待っていて!」
アイリスが慌てた様子でピューと文字通り飛んでいった。
私がメラニーを連れて「ケルークス」の店内に戻ると、店内の客が増えていた。
近くの二人用のテーブルには輝く金髪をショートにした凛とした女性型の精霊の姿がある。
熱心にマンガを読みふけっているのだが、その姿すら気品を感じさせる。
彼女は相談員フランシスのパートナーのヴァレリィだ。
フランシスの姿がないのでどこに行ったか尋ねたいところだが、マンガに集中しているようだから声をかけるのはやめにした。
「おっはよー、何かアイリスが面白いことするんだって? 興味あるから来ちゃったよ」
反対側の席から、元気というより軽い声が飛んできた。相談員のエリシアだ。
「エリシアか。久しぶりだな」
「それなに? オイラがサボっているみたいじゃないか。これでも忙しく情報収集しているのだけどな、もう」
心外だと言わんばかりにエリシアが頬を膨らせた。
こんな言葉遣いだがエリシアは女性だ。しゃべらなければ都会的な洗練されたイメージなのだが……
噂話が大好きで、このあたりでは情報通としても知られている。
まあ、この言葉遣いのおかげで気楽に接することができるのは確かだ。
「単に時間が合わずに鉢合わせていないだけだろう。今日はパートナーを連れてきているのだな」
「アイリスがファビオを貸してくれっていうから、オイラがついてきたの。面白そうだし」
どうやら彼女の向かいに座っている精霊の方が本命だったようだ。
頭に二本の短い角が生えているが、それを除けば小柄な男性に見えるファビオという名の精霊が彼女のパートナーの一体だ。
種類としてはグレムリン、科学を司ると言われている。
「俺はここに呼ばれた理由を知らないからな。まあ、エリシアが面白がっているならそれだけで来た価値はあるけどな」
ファビオが誰に対して言っているのかわからない台詞を吐いた。
まあ、今店にいる魂霊の相談員は全員パートナーを連れているから、余計な話をしない方が良さそうだ。
私の左の席に座ったメラニーもしっかり私の腕を抱えているから、彼女の相手をすることにした。
それにしても今日の「ケルークス」の店内は異様だ。
相談員のパートナーとして契約している精霊の数がやたら多い。
相談員が連れてきたというのなら理解できるが、少なくともメラニー、ファビオの二体はアイリスに呼ばれて来ている。
メイヴはよくわからないが、ヴァレリィも単独で「ケルークス」に来るようなタイプではない。
となると、アイリスが一枚噛んでいる可能性がある。
アイリスは一体何を企んでいるのだろうか?
私が「ケルークス」に出勤すると、ユーリが声をかけてきた。
「今日は納品のつもりで来たのだけど……これはしばらく残ったほうが良さそうだな。ユーリ、今日はホットコーヒーで」
カーリンから頼まれたアンブロシア酒の樽をみっつカウンターの上に置いて、私は店内を見回した。
今回から一回当たりの納品量が二樽から三樽に増えるので、これでより多くの客にアンブロシア酒を楽しんでもらえると思う。
店内には相談員と精霊の姿があったが、アイリスの姿がない。
アイリスがいつも座っている奥の席に飲み物の器なども置かれていない。
「ベネディクト、アイリスは上かい?」
私は背が高い人の好さそうな青年に声をかけた。
彼も相談員の一人で名前をベネディクトという。相談員の中では一番新しい移住者になる。
「いいえ、僕は見ていません。ユーリが知っていると思いますけど……」
ベネディクトも出勤してからそれほど経っていないようで、テーブルの上のタイマーに表示されている時間が四九時間台になっている。
アイリスが不在では相談客が来たときに待ってもらうことになる。
というのも、我々のような魂霊の相談員は相談客に対して話せることにかなり制約があるからだ。
特に初めて相談に来た客の場合は話せることがまったくない。
少ししてユーリが注文した品物を運んできたのでアイリスの行方について尋ねてみる。
「ユーリ、アイリスはどこへ行ったのだろう? これだと相談客が来ても待たせてしまうことになりそうだが……」
「何か今日来る予定の相談客がいるみたいで、準備するって飛び出していったわ。もうすぐ戻ると思うけど……」
ユーリもそれ以上のことは知らないようだ。
「でも、全部の相談に対応できる相談員がアイリスだけっておかしくない? いくら疲れを知らない精霊でも、用事とかあったら回らなくなるよね、ここ」
「そうだな……自分たちにも答えられることはあるけど、うまくいっている移住者の色眼鏡で見た景色だけの話になると誤解されるというのも正論だから難しいところだ」
私のような魂霊の相談員が必要以上のことを相談客に話すのを禁じられている背景として、「存在界から精霊界への移住では失敗が許されない」という事情がある。
魂霊の相談員は移住の成功組であり、成功組だけに話をさせると相談客が必要以上に楽観的な判断をしかねないから無理もないだろう。
「耳が痛い話だな。相談員に適した精霊というのはあまり多くないのだ。相談員を増やすべく色々と試みてはいるのだが……」
ベネディクトの向かいに座っていた精霊が会話に割り込んできた。
紫を基調とした衣服に金の腕輪を付けた隙の無さそうな女性型のこの精霊、名をメイヴという。
精霊の種類としての名前もメイヴであり、広い精霊界にただ一体という珍しい存在だ。
種類としての名前と個体名が一致する精霊は、精霊の中でもかなり高位とされている。
それでいて墓所を司る闇属性の精霊、という時点で危険そうな存在ということは予想できるだろう。
実は彼女はベネディクトのパートナーなのだ。
腹を割って話せばそれほど恐ろしい相手ではなく、むしろ人間よりも人間臭かったりする。
ここで話をする分には問題ないが、彼女が溢壊などしようものなら存在界は大混乱に陥るだろう。
さらに厄介なのは力がありすぎて「揺らいだ」だけでも存在界に影響を及ぼすというまったくもって扱いに困る存在であった。
あった、というのはベネディクトが彼女と契約したおかげで、彼女の「揺らぎ」による存在界の被害が格段に減ったからだ。
存在界で起きたアンデッドや幽霊による事件、怪奇現象の類のほぼすべてが、彼女の「揺らぎ」によって引き起こされたものである。
ある時期からこうした事件を報じるテレビ番組や雑誌などが激減したが、これはメイヴがベネディクトという契約者を得たことで「揺らぎ」にくくなったことに起因している。
その意味ではベネディクトは存在界にとっての恩人だろうし、怪奇現象で飯を食っていた人々にとっては食いぶちを奪った極悪人、ということになるだろう。
また、メイヴは自他ともに認める嫉妬深い性質の持ち主だ。
かつては契約もしていない人間に好意を抱いては、彼らが他の異性と接するだけで「揺らいで」いたそうだ。
私も存在界から戻ってきたメイヴが嫉妬の炎を燃やし「揺らいで」いる場面に何度か遭遇したことがある。
そのくせ、人間好きで自ら志願して存在界で移住の広報活動を行っていたというのだから開いた口が塞がらない。
しかし、ベネディクトというパートナーを得てからは、彼一筋だ。
ベネディクトも甲斐甲斐しく彼女を世話しており、案外よい組み合わせではないかと思う。
ただ、メイヴが嫉妬深い性質のため、ベネディクトは彼女だけと契約しており、他にパートナーはいない。
メイヴほどの大物と契約しているとなると、他の精霊も腰が引けるというのもあるとは思うのだが。
「すみません、相談の約束をしていたイドイという者ですが……」
入口から男性の声が聞こえてきた。間違いなく相談客だ。
「はーい、二階に案内いたしますので、少々お待ちください」
ユーリが入口の方に向かっていった。アイリス不在のときは彼女が相談客を応接室に案内するルールだ。
「困ったわね、アイリスはまだ戻っていないし……飲み物でも出した方がいいかしら?」
二階から戻ってきたユーリが私に尋ねてきた。
ベネディクトはメイヴの面倒を見るので手一杯だから仕方ないか。
「ちょっと待っていてくれないか? 建物の近くにいるかもしれないから外を見てくる」
「お願い」
私にもアイリスの居場所は見当もつかないのだが、相談客がくることを知っているようだったから今なら近くにいるかもしれない。
相談員用の入口から外に出ると、見慣れた緑のロングヘアの精霊がこちらに向かってきている。私のパートナーのメラニーだ。
「メラニー? どうしてここへ?」
「あ、アーベル。さっきアイリスが家に来てさ……」
話を聞くと、アイリスが我が家にやって来て誰でもいいから来て欲しいと言われたそうだ。
そこで手の空いていたカーリンとメラニーが名乗り出たのだが、水属性じゃない方がいいということでメラニーが行くことになったたらしい。
「よくわからない依頼だが……アイリスは?」
「後からついてくると言ってたから、もうすぐじゃないかな?」
ならばもうすぐ姿を現しても良いはずだ、と思っていたところに
「あら? アーベル?」
呑気にアイリスがゆっくり浮きながらこっちに向かってきた。
「アイリス! 相談の方が二階で待ってますよ!」
「あっ? 間に合わなかったかぁ~。メラニーはアーベルと一緒に下で待っていて!」
アイリスが慌てた様子でピューと文字通り飛んでいった。
私がメラニーを連れて「ケルークス」の店内に戻ると、店内の客が増えていた。
近くの二人用のテーブルには輝く金髪をショートにした凛とした女性型の精霊の姿がある。
熱心にマンガを読みふけっているのだが、その姿すら気品を感じさせる。
彼女は相談員フランシスのパートナーのヴァレリィだ。
フランシスの姿がないのでどこに行ったか尋ねたいところだが、マンガに集中しているようだから声をかけるのはやめにした。
「おっはよー、何かアイリスが面白いことするんだって? 興味あるから来ちゃったよ」
反対側の席から、元気というより軽い声が飛んできた。相談員のエリシアだ。
「エリシアか。久しぶりだな」
「それなに? オイラがサボっているみたいじゃないか。これでも忙しく情報収集しているのだけどな、もう」
心外だと言わんばかりにエリシアが頬を膨らせた。
こんな言葉遣いだがエリシアは女性だ。しゃべらなければ都会的な洗練されたイメージなのだが……
噂話が大好きで、このあたりでは情報通としても知られている。
まあ、この言葉遣いのおかげで気楽に接することができるのは確かだ。
「単に時間が合わずに鉢合わせていないだけだろう。今日はパートナーを連れてきているのだな」
「アイリスがファビオを貸してくれっていうから、オイラがついてきたの。面白そうだし」
どうやら彼女の向かいに座っている精霊の方が本命だったようだ。
頭に二本の短い角が生えているが、それを除けば小柄な男性に見えるファビオという名の精霊が彼女のパートナーの一体だ。
種類としてはグレムリン、科学を司ると言われている。
「俺はここに呼ばれた理由を知らないからな。まあ、エリシアが面白がっているならそれだけで来た価値はあるけどな」
ファビオが誰に対して言っているのかわからない台詞を吐いた。
まあ、今店にいる魂霊の相談員は全員パートナーを連れているから、余計な話をしない方が良さそうだ。
私の左の席に座ったメラニーもしっかり私の腕を抱えているから、彼女の相手をすることにした。
それにしても今日の「ケルークス」の店内は異様だ。
相談員のパートナーとして契約している精霊の数がやたら多い。
相談員が連れてきたというのなら理解できるが、少なくともメラニー、ファビオの二体はアイリスに呼ばれて来ている。
メイヴはよくわからないが、ヴァレリィも単独で「ケルークス」に来るようなタイプではない。
となると、アイリスが一枚噛んでいる可能性がある。
アイリスは一体何を企んでいるのだろうか?
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