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一年目 二〇五七年
29:第二九回 一〇月六日 ムンダスとシャンロスの交流の歴史
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こんにちは、レスコス・テラーサです。
今回は私たちの世界シャンロスと読者の皆様の世界ムンダスとの交流の歴史についてお話ししたいと思います。
シャンロスとムンダスを結ぶ出入口━━ムンダスでは「空間の割れ目」とか「ゲート」と呼ばれているそうですね━━が発見されたのは、今から一五〇年ほど前とされています。
ムンダス側もシャンロス側も出入口は空中にあるので、空を飛ぶ道具がなかった時代は行き来がなかったようです。
ですが、人間が行き来する前からムンダスの空を飛ぶ生き物が出入口を通ってシャンロスにやって来たり、その逆もあったらしいです。
シャンロスにムンダスの生き物━━特に鳥や昆虫━━や、その交雑種が存在したり、逆のパターンもあることが生物の行き来があった証拠となるそうです。
人間の行き来はシャンロス側からが先だったとされています。
空を飛ぶドラー (東洋の竜に近い生き物です)という生物に乗ったシャンロスの住民が、ムンダスに入り込んで植物や鉱物などを採取していたという記録があり、その集落が遺跡として残っている場所があるそうです。
ムンダス側からシャンロスへ人が行くようになったのは、飛行船が発明された後になります。
文明や技術的にはムンダスの方が進んでいるだけではなく人口も圧倒的に上回っているので、ムンダスの軍がシャンロスに攻め込めば容易に占領下に置くことができたでしょう。
そうならなかったのは、出入口が狭く、沢山の人や物資を運び込めなかったことが影響しているのではないかとされています。
ムンダスからシャンロスへ、シャンロスからムンダスへ人が出入りするようになって、双方でしばしば騒ぎになったそうです。
当時のシャンロスに飛行船や飛行機の類は存在しませんでしたし、ムンダス側にもドラーのような生物はいなかったのだから無理もないと思います。
一時期ムンダスでは、シャンロスから訪れる人を「宇宙人」だと勘違いし、宇宙人の侵略から領土や財産を守るべしなどという主張がなされたこともあったそうです。
シャンロスも似たり寄ったりで、異世界からの侵略に備えようと軍備を強化した国もありました。
特にラメミリアの隣国であるキサデア王国では、長い間国民が重税と重労働に苦しんだそうです。
事態を憂慮したムンダスの主要国とシャンロスの各国の首脳は、共存の道を探ることとなります。
もともと双方が争っていたわけでもないので、トップ同士が敵意がないことを示せば事態は沈静化できるだろうと考えました。
そこで六〇年ほど前、ムンダスの西暦では一九九二年にムンダスの国際連合と、シャンロスのすべての国からなるシャンロス国家連盟とで友好平和条約が締結されることになりました。
ちなみに現在はムンダスの少なくない数の国と友好的な関係にありますので、戦争になるとかはないと思います。
貿易も結構な規模で行われていて、ムンダスからは主に機械などを作る技術が、シャンロスからはスパイスが輸出されています。
ムンダスに「秘伝のスパイス」などとしてレシピが公開されていないスパイスがあると思いますが、そうしたものにはシャンロス産の材料が入っていることが多いのです。
シャンロスは認識できない人には存在が認識できない世界ですので、シャンロス産のものを「秘伝」としてその内容を明かさないようにしているのです。
また、私が住んでいるラメミリアや隣国のナラナン共和国にはムンダスの企業が進出しています。
ラメミリアだと、首都のラメーリに一〇〇社ほど、第二の都市のバダンガに四〇社ほどあるそうです。
日本企業の事業所もあるとのことで、日本の方ならご存知の会社も少なくないと思います。
シャンロスに多いムンダス企業の事業所は、材料や機械などの開発部門と生物などの研究所です。
ムンダスと違う環境で開発や研究を行うことで、新たな技術や製品などを創り出すことを狙いとしているそうです。
前にシャンロスではムンダスの暦を利用していると書きました。
これも友好平和条約の締結と同時に導入されたものです。
今年はラメミリア共和国が建国されてから六一八年目になるのですが、(ラメミリア)共和国歴を使うことは殆どなく、使う場合でも西暦と併記するのが一般的です。
これは日本で西暦と和暦を併記するのに似ていると思います。
このコラムに年を書いていないのは、一〇回くらいで終わるだろうとたかをくくっていたからなのですが、今回が二九回目。
年を越しそうな状況になってきたので、そろそろ年も記載した方がいいかなと思ってきました。
ちなみに今回のコラムは二〇五七年 (共和国歴六一八年)一〇月六日のものとなります。
日本の皆さん、機会がありましたらシャンロスに是非来てください!
そのときにはリーラスの観戦もお忘れなく!
シャンロスの住民みんなで歓迎します! 皆様のお越しをお待ちしております!
今回は私たちの世界シャンロスと読者の皆様の世界ムンダスとの交流の歴史についてお話ししたいと思います。
シャンロスとムンダスを結ぶ出入口━━ムンダスでは「空間の割れ目」とか「ゲート」と呼ばれているそうですね━━が発見されたのは、今から一五〇年ほど前とされています。
ムンダス側もシャンロス側も出入口は空中にあるので、空を飛ぶ道具がなかった時代は行き来がなかったようです。
ですが、人間が行き来する前からムンダスの空を飛ぶ生き物が出入口を通ってシャンロスにやって来たり、その逆もあったらしいです。
シャンロスにムンダスの生き物━━特に鳥や昆虫━━や、その交雑種が存在したり、逆のパターンもあることが生物の行き来があった証拠となるそうです。
人間の行き来はシャンロス側からが先だったとされています。
空を飛ぶドラー (東洋の竜に近い生き物です)という生物に乗ったシャンロスの住民が、ムンダスに入り込んで植物や鉱物などを採取していたという記録があり、その集落が遺跡として残っている場所があるそうです。
ムンダス側からシャンロスへ人が行くようになったのは、飛行船が発明された後になります。
文明や技術的にはムンダスの方が進んでいるだけではなく人口も圧倒的に上回っているので、ムンダスの軍がシャンロスに攻め込めば容易に占領下に置くことができたでしょう。
そうならなかったのは、出入口が狭く、沢山の人や物資を運び込めなかったことが影響しているのではないかとされています。
ムンダスからシャンロスへ、シャンロスからムンダスへ人が出入りするようになって、双方でしばしば騒ぎになったそうです。
当時のシャンロスに飛行船や飛行機の類は存在しませんでしたし、ムンダス側にもドラーのような生物はいなかったのだから無理もないと思います。
一時期ムンダスでは、シャンロスから訪れる人を「宇宙人」だと勘違いし、宇宙人の侵略から領土や財産を守るべしなどという主張がなされたこともあったそうです。
シャンロスも似たり寄ったりで、異世界からの侵略に備えようと軍備を強化した国もありました。
特にラメミリアの隣国であるキサデア王国では、長い間国民が重税と重労働に苦しんだそうです。
事態を憂慮したムンダスの主要国とシャンロスの各国の首脳は、共存の道を探ることとなります。
もともと双方が争っていたわけでもないので、トップ同士が敵意がないことを示せば事態は沈静化できるだろうと考えました。
そこで六〇年ほど前、ムンダスの西暦では一九九二年にムンダスの国際連合と、シャンロスのすべての国からなるシャンロス国家連盟とで友好平和条約が締結されることになりました。
ちなみに現在はムンダスの少なくない数の国と友好的な関係にありますので、戦争になるとかはないと思います。
貿易も結構な規模で行われていて、ムンダスからは主に機械などを作る技術が、シャンロスからはスパイスが輸出されています。
ムンダスに「秘伝のスパイス」などとしてレシピが公開されていないスパイスがあると思いますが、そうしたものにはシャンロス産の材料が入っていることが多いのです。
シャンロスは認識できない人には存在が認識できない世界ですので、シャンロス産のものを「秘伝」としてその内容を明かさないようにしているのです。
また、私が住んでいるラメミリアや隣国のナラナン共和国にはムンダスの企業が進出しています。
ラメミリアだと、首都のラメーリに一〇〇社ほど、第二の都市のバダンガに四〇社ほどあるそうです。
日本企業の事業所もあるとのことで、日本の方ならご存知の会社も少なくないと思います。
シャンロスに多いムンダス企業の事業所は、材料や機械などの開発部門と生物などの研究所です。
ムンダスと違う環境で開発や研究を行うことで、新たな技術や製品などを創り出すことを狙いとしているそうです。
前にシャンロスではムンダスの暦を利用していると書きました。
これも友好平和条約の締結と同時に導入されたものです。
今年はラメミリア共和国が建国されてから六一八年目になるのですが、(ラメミリア)共和国歴を使うことは殆どなく、使う場合でも西暦と併記するのが一般的です。
これは日本で西暦と和暦を併記するのに似ていると思います。
このコラムに年を書いていないのは、一〇回くらいで終わるだろうとたかをくくっていたからなのですが、今回が二九回目。
年を越しそうな状況になってきたので、そろそろ年も記載した方がいいかなと思ってきました。
ちなみに今回のコラムは二〇五七年 (共和国歴六一八年)一〇月六日のものとなります。
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